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第8回 複雑な表は避けるべし!

2016年05月25日 11:15

学会や研究会、院内発表会などプレゼンテーションも仕事の一部。できるなら「プレゼン上手」と褒められたいものです。医書としては異例のヒットとなった、あの『あなたのプレゼン誰も聞いてませんよ!』(南江堂、2014年)の著者・渡部欣忍氏が、あなたのプレゼンをよくする、ちょっとしたコツや裏ワザを伝授します。

 論文では、「グラフ」とともに「表」をよく用います。もし、皆さんがプレゼンで「表」を多用しているのでしたら、そのプレゼンはとても分かりにくくなっていると思います! 箇条書きと同様(第2回参照)に、「表」も読み物においては非常に有用ですが、プレゼンではあまり有用ではありません

 表は縦の列と横の行で構成され、縦横の線で区画された箱の中に、文字や数値を書き入れたものです(当たり前のことをそれらしく書きました)。そもそも表は、データを集計したり整理したりする場合に有用です。一覧性はありますが、グラフのようにパッと見て分かる(すなわち、視認性がよい)ものではありません。

 特に、項目が多い表は、論文や書籍などの読み物においても、じっくりと見ないと分かりづらいものです。ましてや、プレゼンでは箇条書きと並んで、発表を分かりづらくしている要素の1つです。

 ただし、どうしても表を使わないといけない場合があることも確かです。したがって、プレゼンで用いる表はできるだけ見栄えが良いように(分かりやすく)提示する必要があります。そのための原則は3つです。

原則1:区画するための線をできるだけ減らす

 区画の線は表を見づらくしている原因です。特に縦線が入ると数値・文字との判別が困難になります。原則として表には縦線を入れないことが大切です。また,横線もできるだけ書き込まないのがよいです。トップ、ボトムの横線と、1行目とデータの境目の3本の線が必須になりますから、これ以外の横線を可能な限り消しておくのがよいです。縦線や横線を入れる場合には、表の枠内の文字・数値の色とは異なる薄い色を用いるのがよいです。

原則2:数値・文字の表示を可能な限り大きく

 数値・文字の表示を大きくするためには、それらが記入される枠の幅と高さを大きくしなければなりません。それに伴って、列と行の項目をできるだけ少なくする必要があります。重要度の低い列項目は削除すればよいのですが、行を減らすのは難しい場合が多々あります。その場合には,、通項目で表を分けて、2~3枚の別スライドにしてしまうのも1つの手です。

原則3:行と行との間の視認性をよくする

 表を見る人は、同じ行のデータを対応させながら見ています。視線を横に動かしている間に、違う行に目が行ってしまってはダメです。そうならないためによく用いるテクニックは、一行おきに薄い背景色を付けて、同じ行のデータであることを強調する方法です。

 これら3つの原則を守れば、比較的見やすい表を作成することができます。

 では、例を見てみましょう。

 図1は、2種類の異なるプレートによる上腕骨近位部骨折(肩周囲の骨折)の治療成績に関するレビューで使用したスライドです。

1504002_pho1.jpg

見づらい表の例。5つの前向きコホート研究の結果を統合しています
図1

 これを3つの原則に従って改善したのが図2です。

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