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飲食店や食品メーカーに減塩を要求―米当局から指針案

2016年06月03日 10:45

 米食品医薬品局(FDA )は6月1日、食品メーカーやレストラン、食品サービスを手がける企業など食品業界に対し、自主的に塩分の含有量を減らすことを求めるガイダンス(指針)の草案を発表した。塩分の取り過ぎは高血圧の原因となるとして減塩の重要性が認識されつつある一方、米国人が日常的に摂取する塩分の7割は加工食品や飲食店で提供される食事に含まれる塩分であることから、今回の方針が固められたという。指針案にはパンやスープ、チーズ、ソースやドレッシング、菓子、加工肉など150の食品カテゴリーごとに2年後および10年後までの達成を目指した塩分含有量の削減目標値も示された。これによって、米国民全体の減塩を進めていくとしている。

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米国民の平均摂取量を10年以内に50%削減目指す

現在、米国人が摂取している塩分(食塩相当量)は1日当たり平均8.6グラムで、同国の食事ガイドラインなどが推奨する5.8グラムのほぼ1.5倍に達している。塩分の取り過ぎは高血圧の原因であり、また高血圧は心臓病や脳卒中のリスクを高めることを明らかにした研究は数多い。健康のために減塩が重要であるとの認識は広まりつつあるが、推奨値の達成にはほど遠いと言える。

 指針案には150の食品カテゴリーごとに、Na含有量のベースライン値(2010年の食品サンプル調査に基づいた値)とともに2年後および10年後までの削減目標値が示されている。また、食品業界が段階的に減塩に取り組むことで、米国民の1日当たりの平均Na摂取量を2年以内に7.6グラム未満へ、10年以内には推奨されている5.8グラム未満へと引き下げることを最終的な目標として掲げている。

 今回、食品業界への自主規制を求める方針が固められた背景について、FDAはプレスリリースで「米国人が日常的に摂取している塩分の77%は加工食品やレストランなどの飲食店で提供される食事に含まれているもので、個人の努力で減塩を試みようとしても推奨される塩分量に抑えることは難しいのが現状」と説明している。

 FDAによると、今後10年間に米国民の塩分摂取量を40%減らせば50万人の死亡を回避でき、1000億ドルの医療費削減につながるとの試算も報告されているという。今回の草案については、米国心臓協会(AHA)会長のナンシー・ブラウン氏が同日、「FDAの決定を歓迎する」との声明を発表。「食品に含まれる塩分を制限すれば高血圧患者を150万人減らすことができ、医療費の削減効果も大きい」とコメントしている。

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