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薬剤耐性アクションプラン、1歩踏み出す(厚労省)

2016年06月15日 15:15

 2016年6月10日、厚生労働省は、厚生科学審議会感染症部会内に薬剤耐性(AMR)に関する小委員会を設置する提案を行い、了承をえられたと発表。小委員会では作業部会を設け、専門家による具体的な検討を行っていく。AMRアクションプランに定められた対策のうち、「抗微生物薬の適正使用」と「薬剤耐性に関するワンヘルスサーベイランス」が議題。

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日本におけるAMR対策の軸

 1980年代以降、抗菌薬の不適切な使用などによる新たな薬剤耐性菌の増加が世界的な問題となってきた。例えば日本国外においては、多剤耐性・超多剤耐性結核(好酸菌)や耐性マラリア等が世界的な拡大を見せている。また、動物における薬剤耐性菌も同様に増加しており、畜産物などを介して人に感染する可能性が示唆されている。このような状況下、2015年5月に開かれた世界保健機関(WHO)総会では、薬剤耐性に関する国際行動計画を採択。加盟各国に対し、2年以内に自国での行動計画の策定を要請した。

 日本では、2015年11月に厚生労働省内に「AMRタスクフォース」を、12月には「国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議」の下に「薬剤耐性に関する検討調整会議」を設置した。「国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議」は2016年4月5日に「AMR対策アクションプラン」を決定。今後5年間、ワンヘルス・アプローチの視野に立ち、関係省庁・関係機関等が協働して集中的に取り組むべき対策をまとめた。

AMR対策アクションプラン 6分野の目標

  1. 普及啓発・教育 :薬剤耐性に関する知識や理解を深め、専門職等への教育・研修を推進
  2. サーベイランス・モニタリング : 薬剤耐性及び抗微生物剤の使用量を継続的に監視し、薬剤耐性の変化や拡大の予兆を適確に把握
  3. 感染予防・管理 :適切な感染予防・管理の実践により、薬剤耐性微生物の拡大を阻止
  4. 抗微生物剤の適正使用 :医療、畜水産等の分野における抗微生物剤の適正な使用を推進
  5. 研究開発・創薬 :薬剤耐性の研究や、薬剤耐性微生物に対する予防・診断・治療手段を確保するための研究開発を推進
  6. 国際協力 :国際的視野で多分野と協働し、薬剤耐性対策を推進

 なお5月26日、27日の2日間、三重県で開催された主要7カ国(G7)による主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)でもAMR対策の強化について取り上げられた。「G7伊勢志摩首脳宣言」に今後の指針が盛り込まれている。

(関連記事:伊勢志摩サミットが薬剤耐性問題に出した答えは?

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