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高校野球「投げすぎはだめ」に根拠

2016年06月16日 15:15

 高校野球では、過度な投球数や連投に次ぐ連投などが問題視されている。山形大学整形外科の宇野智洋氏らは、山形県の高校野球投手を対象に、登板時における投球数やイニング数、投球時の痛み、投球パフォーマンスなどについてアンケートを実施した結果から、1試合で8イニング以上または100球以上の投球数で投球時の痛みが強くなり、投球の困難度が高くなること、いずれも満たす場合は要注意であることを、第89回日本整形外科学会(5月12~15日、会長=横浜市立大学整形外科教授・齋藤知行氏)で指摘した。

100球以上かつ8回以上だと投球時痛が強くパフォーマンス悪化

 宇野氏らは、山形県の高校野球選手1,191人を対象にアンケートを実施。そのうち、投手296人の回答から1試合当たりの投球数やイニング数、投球困難度として投球時痛、スポーツや楽器などによる機能障害の程度を自己評価するDisability of the Arm, Shoulder, and Hand(DASH)を投球に即して変更したもの(以下、DASH投球)、投球パフォーマンスについて検討した。

 検討の結果、1試合当たりの平均は、投球数は75±32球、イニング数は4.7±2.3イニング、投球時痛(痛みなし0点~最悪の痛み40点)は8.1点、DASH投球(困難なし0点~最困難100点)は19点、投球パフォーマンス(最良100%~最低0%)は67%であった。

 投球数から、100球未満(250人)と100球以上(46人)に分けて投球困難度を見ると、投球パフォーマンスには差がなかったが、投球時痛は100球以上群では平均10.1点と、100球未満群の7.7点に比べて有意に高く、DASH投球も100球以上群では25点と、100球未満群の19点に比べて有意に高かった。

 イニング数から、7イニング以下(252人)と8イニング以上(44人)で見ると、DASH投球と投球パフォーマンスは両群に差はなかったが、投球時痛は8イニング以上群では11.1点と7イニング以下群の7.5点に比べて有意に高く、肩肘の投球時痛に関しても8イニング以上群では10.8点と7イニング以下群の6.4点に比べて有意に高いことが認められた。

 さらに、「100球以上かつ8イニング以上」の群(41人)では投球時痛が11.9点と、「100球未満かつ8イニング以上」または「100球以上かつ7イニング以下」の群(65人)で7.2点、「100球未満かつ7イニング以下」の群(190人)では7.5点であったのに比べて有意に高いことが認められた。肩肘の投球時痛もそれぞれ11.6点、6.2点、6.4点と、「100球以上かつ8イニング以上」の群で有意に高いことがわかった()。

図. 投球数とイニング数による全身および肩肘の投球時痛

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(宇野智洋氏提供)

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