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がん治療「適切な医療機関で」

免疫チェックポイント阻害薬の使用について患者へ呼びかけ

2016年07月19日 15:45

 7月13日、日本臨床腫瘍学会は、免疫チェックポイント阻害薬の使用に関する声明を患者に向けて発表した。同薬を有効かつ安全に投与できる施設・医師の要件を提示し、それを満たす適切な施設・医師のもとで投与を受けるよう呼びかけた。

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 国内で販売されている免疫チェックポイント阻害薬にはニボルマブとイピリムマブがある。現時点での適応症はイピリムマブが「根治切除不能な悪性黒色腫」、ニボルマブが「根治切除不能な悪性黒色腫」と「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」。その他の数多くのがん、白血病、悪性リンパ腫などについては効果と安全性が研究されている段階である。

 重篤な副作用として間質性肺炎、甲状腺機能異常、劇症 I 型糖尿病、自己免疫性腸炎、重症筋無力症などが約10%の患者に見られ、死亡例の報告もある。そのため日本では施設要件、医師要件に基づいた薬剤供給が行われている。しかし、これらの要件を満たさない施設・医師らが、海外から個人輸入により免疫チェックポイント阻害薬を入手して、添付文書に記載のない用法・用量で適応症以外の疾患に投与し、副作用に適切に対処できていない事例が散見されるという。

 このような問題を受け、日本臨床腫瘍学会の声明は、添付文書に「緊急時に十分対応できる医療機関において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで投与すること」と記載されている点に触れ、適応症以外の疾患に対する投与は治験や臨床研究に限るものと明記している。患者に対しては、「有効かつ安全に投与できる要件を満たす施設・医師のもとで、適切な投与量・投与方法にて免疫チェックポイント阻害薬の投与を受ける」よう述べている。

【参考】
オプジーボによる「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の治療が受けられる施設・医師の要件
(オプジーボ肺がん適正使用アドバイザリーボードと小野薬品工業株式会社/ブリストル・マイヤーズ株式会社より)

【施設要件】以下の(1)~(5)の要件を全て満たす施設とする。
(1)次に示す1~3のいずれかの要件を満たす施設

  1. 日本呼吸器学会の専門医が当該診療科に在籍している施設
  2. 日本臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医が当該診療科に在籍している施設
  3. がん診療連携拠点病院注1)又は特定機能病院、もしくは外来化学療法室注2)を設置している施設

(2)副作用の診断や対応が当該施設の関連診療科もしくは近隣の提携施設との連携に基づいて適切に行うことができる施設
(3)当該施設でCT画像検査を直ちに実施できる施設
(4)緊急時に十分な対応ができる施設
(入院設備が完備しているかつ24時間の診療が可能な施設)
(5)全例調査(使用成績調査)に協力・契約が可能な施設

【医師要件】以下の(1)~(5)の要件を全て満たす常勤医師とする。
(1)次に示す1~3のいずれかに該当する医師

  1. 日本呼吸器学会の専門医で、肺がんの診断・治療に十分な知識・経験を有する医師
  2. 日本臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医
  3. 5年以上のがん化学療法の経験があり、肺がんの診断・治療に十分な知識・経験を有する医師

(2)副作用発現に対して他科と連携して適切な処置が可能な医師
(3)全例調査に理解が得られ、事前患者登録に協力可能な医師
(4)医薬情報担当者が定期的に訪問可能な医師
(5)E-Learningの受講を終えている医師

注1) 厚生労働省が認可する「がん診療連携拠点病院」に加えて、各都道府県の知事が指定
する「がん診療連携指定病院」を含む。
注2) 外来化学療法室を設置している施設とは、特掲診療料の「外来化学療法加算1」もし
くは「外来化学療法加算2」を取得している施設とする。

【声明文書】免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ(オプジーボ®)、イピリムマブ(ヤーボイ®))などの治療を受ける患者さんへ

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