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「ファーマシューティカルケア」の実践を

聖マリアンナ医科大学病院薬剤部 参与 増原 慶壮 氏

2016年08月01日 10:00

 聖マリアンナ医科大学病院薬剤部の参与である増原慶壮氏。この度、薬剤師への激励をお願いしたところ、「今後、あるべき薬剤師像と、それを目指すための教育理念」についてお話しくださいました。

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 医療を取り巻く厳しい環境において、薬剤師は明確な理念に基づき職能を発揮する必要があります。世界の薬剤師の共通理念である"患者のQOLを改善するという明確な成果を引き出すため、責任ある薬物治療を提供すること"という「ファーマシューティカルケア」をしっかりと理解し、実践していくことが、わが国の薬剤師に求められています。

 現代の医療は、患者も含めた医師・薬剤師・看護師によるチーム医療を主体にしています。薬剤師は、ファーマシューティカルケアの理念に基づき,チーム医療における自らの役割分担を明確にすることが重要です。そのためには患者や国民から見て、安心・安全で質が高く、分かりやすく、納得できる医療を提供しつつ、効率化を目指していかなければなりません。

 それにはまず、薬剤師が薬物治療に責任を担うことが大切です。この実践として、5rights、つまり(投与すべき)正しい患者、正しい薬剤、正しい投与量、正しい投与経路、正しい投与期間であるかをすべての患者で確認することに加え、EBM及び経済性の観点からの薬物治療の提案が必須となります。こうした根拠に基づく薬物治療を推進するために、薬剤師は医療機関や地域ごとに薬剤の採用基準や推奨度、経済性を考慮した医薬品使用指針すなわちフォーミュラリーを作成することが求められます。

 ファーマシューティカルケアの理念を実践できる薬剤師を養成するためには、薬学教育における「よき研究者を育てれば、よき薬剤師が育つ」という考え方を改める必要があります。薬科大学・薬学部は、薬物治療を担うことができる「よき薬剤師」を最優先に養成する責務があることを提言しておきたいと思います。

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