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ニボルマブ、新規がんで効果示せず

未治療進行期非小細胞肺がん対象-CheckMate-026試験

2016年08月10日 13:00

 米・ブリストル・マイヤーズスクイブ社は8月5日、PD-L1発現レベルが5%以上の未治療の進行期非小細胞肺がん(NSCLC)を対象としたニボルマブ(商品名:オプジーボ)の単剤療法を評価するCheckMate-026試験において、主要評価項目である無増悪生存期間の延長を達成しなかったことを発表した。

併用療法の試験を実施中

 非盲検ランダム化第Ⅲ相試験であるCheckMate-026試験は、541例の進行期NSCLC患者を対象に(1)ニボルマブ3mg/kgを2週間ごとに投与(2)治験担当医が選択した化学療法薬(扁平上皮がんではシスプラチン+ゲムシタビン、カルボプラチン+ゲムシタビン、カルボプラチン+パクリタキセルのいずれか、非扁平上皮がんではシスプラチン+ペメトレキセド、カルボプラチン+ペメトレキセドのいずれか)を投与−の2群に割り付け、主要評価項目を無増悪生存期間として病勢進行や忍容できない毒性が認められるまで、または6サイクルが完了するまで投与された。その結果、ニボルマブ単剤群は既存の化学療法薬群の無増悪生存期間を上回ることができなかった。

 同社最高経営責任者(CEO)のGiovanni Caforio氏は「未治療の患者集団で主要評価項目を達成できなかったことは残念だが、現在PD-L1*発現陽性患者におけるニボルマブとイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法、PD-L1発現陰性患者における同併用療法およびニボルマブと化学療法との併用との可能性を検討する第Ⅲ相試験CheckMate-227が実施中で、同試験を含めた総合的な開発プログラムで今後も患者の予後改善に貢献していきたい」と述べている。同社は、今後CheckMate-026試験のデータを全評価し、結果の公表について治験担当医師と検討するとしている。

 現在、海外では同社が膠芽腫、小細胞肺がん、尿路上皮がん、肝細胞がん、食道がん、大腸がん、固形がん、血液がんなどを対象に、ニボルマブ単剤または他の薬剤との併用療法による臨床試験を実施中。一方、日本では小野薬品工業が根治切除不能な悪性黒色腫、切除不能な進行再発のNSCLCに対する同薬の承認を取得しており、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がんについても承認申請済み。胃がん、食道がん、小細胞肺がん、肝細胞がん、膠芽腫、卵巣がん、尿路上皮がん、悪性胸膜中皮腫、胆道がんなどを対象とした臨床試験を実施中である。

*PD-L1:がん細胞に発現する物質。T細胞上の受容体PD-1に結合することでT細胞の働きを抑制する。
がん細胞は、免疫による制御を回避することが明らかになってきた(がん免疫逃避機構)。免疫システムでは、樹状細胞ががんを発見すると、T細胞にがんの特徴を伝え、攻撃を指示する。T細胞はその信号を受けて、がん細胞を見分けて攻撃を行う。しかし、がん免疫逃避機構では、T細胞に発現する「PD-1」にがん細胞に発現する「PD-L1」が結合することでT細胞による攻撃が押さえ込まれてしまう。このがん免疫逃避機構を抑制し、T細胞を再活性化する目的で使用されるのが免疫チェックポイント阻害薬。「抗PD-1抗体」や「抗PD-L1抗体」である。

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