新規登録

AMR対策にG7の指針表明

G7神戸保健大臣会合「神戸コミュニケ」

2016年09月15日 15:15

 2016年9月11日、12日の2日間、兵庫県神戸市で開催されたG7神戸保健大臣会合では、保健分野における国際的な課題が関係閣僚により議論された。12日に採択された「神戸コミュニケ」では、伊勢志摩サミット(主要国主要会議:5月開催)で発出された「国際保健のためのG7伊勢志摩ビジョン」に掲げられた4テーマを補完する対策がまとめられ、今後G7 のとるべき具体的なアクションの指針が示された。

 薬物耐性(AMR)問題を「決定的に重要な国際課題」として、2016年の国連総会におけるAMRに関するハイレベル会合に向けて協力すると表明。また、国際的な高齢化を背景に、認知症の早期診断や、薬・治療法の開発を奨励するという内容が盛り込まれた。さらに、健康と保健システムの改善には研究開発が重要であるとし、研究開発を育む新たなインセンティブの後押しを国際社会に要請した。

AMR対策;
「ワン・ヘルス」アプローチに基づいた行動計画を

 AMRに対しては、効果的な政治的介入を推進している。国際協力は喫緊で、世界保健機関(WHO)、国際連合食糧農業機関(FAO)、国際獣疫事務局(OIE)、世界銀行、国連環境計画(UNEP)、その他の関係国際機関が、相互にまたは加盟国と協調して努力するよう促された。

 加盟各国に対しては「ワン・ヘルス」アプローチに基づいた行動計画の実行が求められている。

 具体的な取り組み

  1. ヒトと動物の両方において、感染防止・制御の手段を改善し、抗微生物剤の慎重な使用の強化
  2. 抗微生物剤使用に対するサーベイランスの実施
     エビデンスに基づく抗微生物剤使用量の削減
     WHOによるグローバルAMRサーベイランスシステム(GLASS)を推奨
  3. 低・中所得国に対しては、抗微生物剤使用とAMRのモニタリング・サーベイランスのためにラボ能力強化支援を検討

 抗微生物剤は「世界の公共財」と表現された。新たな抗微生物剤の開発・管理の枠組み策定のため、G7はWHOを支援していくとしているほか、環境中に存在するAMR関連の医薬品有効成分に対して、各国の国家的な取り組みを求めた。

 新規抗微生物剤や代替となる治療法・診断法の開発促進に資する医薬品の承認の規制についても盛り込まれた。具体的には、日米欧の医薬品規制調和国際会議(ICH)等における、国際薬事規制調和についての協働を歓迎するものとした。

 また、治験や臨床研究の設計・調整・実施を行うための大規模な臨床研究インフラへのアクセスを可能とする、AMRに関する臨床研究国際ネットワークを設立する必要性を表明している。 

※「ワン・ヘルス」アプローチ:薬剤耐性に取り組むためには、医療や獣医療、畜水産、食品衛生など の分野における一体的な取り組みが重要であること

 世界保健機関(WHO)は、2011年の世界保健デーで、ヒトと動物の垣根を越えて、健康、農業、環境など多分野から薬剤耐性に取り組む"ワン・ヘルス・アプローチ"の推進を国際社会に要請。2015年には5月の世界保健総会で「薬剤耐性に関するグローバル・アクション・プラン」が採択され、翌月に、ドイツで行われたG7エルマウサミットでも薬剤耐性は重要な議題として取り上げられた。 

 わが国では2016年4月5日に「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」を策定。「適切な薬剤」を「必要な場合に限り」、「適切な量と期間」使用することの徹底を掲げ、抗菌薬の使用量を2020年までに33%削減することなどを示している。

(関連記事:伊勢志摩サミットが薬剤耐性問題に出した答えは?
     薬剤耐性アクションプラン、1歩踏み出す(厚労省)

トップに戻る