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要介護5,薬剤師を拒否する患者-2

これがホントの在宅活動 症例検討会1

2016年11月01日 11:20

Q2.どうしたら薬剤師の訪問を快く受け止めてくれる?

  1. 他職種と協力して
  2. ご主人にアプローチ
  3. 傾聴に徹する
  4. わりきる

1.他職種に協力を依頼

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土・日以外は、いずれかの介護サービスが入っています。薬局だけに限らず、他の職種でも同じような問題が生じているのではないでしょうか。うまくいっている職種があるようでしたら、何らかのテクニックを使っているのかもしれません。どこも同じようでしたら、連携しあい、情報を共有すると良いかもしれません。

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現在、ヘルパーさんも、看護師さんもデイケアのスタッフも関わっている方なので、人と関わるのが嫌!という訳ではなさそうですね。チームの誰に心を開いているのか。その一番近い人を中心に、アプローチを考える方法があると思います。

2.ご主人にアプローチ

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このテーマが一番難しいですよね。皆さんが一番苦労して悩むところだと思います。最初はキーパーソンのご主人にアプローチしていくのもいいかもしれません。ただ、「帰れ」と言われたケースでは最初はあまり介入しないほうがいい場合もあります。

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主治医の薬局依頼の1つに「夫の体調や仕事を考慮」とあるので、ご主人にアプローチしてはどうでしょうか。介護疲れや不安な点はないかなど、介護ストレスを軽減できるよう傾聴したり、社会資源の利用を促したりしたいと思います。ご本人だけでなく、ご家族も含めたケアを行うことでご家族もチームの一員となっていただき、情報を共有することで「帰れ」の理由を探っていきたいと思います。

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まずはご主人との信頼関係の構築が不可欠だと考えます。男性で、お仕事をされながらの介護はかなり大変だと思います。ご主人が疲弊せずに心のゆとりも持てるよう、レスパイトを目的としてショートステイなどを利用できるようにしても良いかもしれません。

3.傾聴に徹する

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今までお薬もらうときに「酒やめろ」だの、「食事制限しろ」だの、痛い「注射をしろ」だの言われてきたでしょうから、家に押しかけられてまでそんな話は聞きたくないと思います。お金を払って嫌なことを言われる(指導される)のですから、快く受け止めてもらうのは無理と思っていたほうがいいかもしれません。

初めはひたすら傾聴し、寄り添っていく姿勢しかないと思います。「インスリンを打つお手伝いさせてくださーい」と言ったような感じでアプローチしてはどうでしょうか。

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発症が何歳か不明ですが、脳梗塞などから高次脳機能障害、重度左片麻痺で現在の状態になったと仮定すると、ご自身のイライラは理解できるような気がします。50代で不自由な体になってしまっている現状をご本人が受け入れられていないのでしょう。ご主人に面倒をかけている状況も、ご本人のイライラに繋がっているのかもしれません。私の薬局でも同じような方がいらっしゃいます。私たちだけでなく、看護師のことも拒否することがありますが、回数を重ねることによって少しずつ理解してもらえるようになりつつあります。まずは、ご本人の苦しみを理解してあげることが必要だと思います。

デイケアでのご様子、ご本人の努力を各職種で情報共有し、できたことを私たちも一緒に喜んでいます。慌てずじっくりと、時間をかけて信頼関係を築くつもりで根気よく訪問してもらいたいと思います。

インスリンの手技の確認をしながらコミュニケーションを取ることも1つのチャンスかもしれません。快く受け止めてもらうというよりも、一緒に悩みを共有し、血液検査結果のフォローの際にも、目標を立てたり、ご本人やご主人の努力で少しでも改善したら、思い切り喜んであげてはどうでしょうか。

4.わりきる

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難しいですね。嫌な人は嫌なのですよね。居留守を使われたり、毎回電話越しに「来なくていい、忙しい」いろいろ言われます。電話を持つ手もダイヤル前に一回躊躇し、脈拍が上がります。単に男・女でいやだったとか、話し方がいやだったとか言われるとがっくりですが、相性もあると思います。

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相性が合わなくても、気を遣わずに入っていく。インスリンの単位量がまちまちなら、薬剤師がまず管理しても良いのではないかと思います。薬剤師が指導管理できたらイライラも減り、必要性も理解してもらえるのではないかと思います。

他職種の視点

ペンネーム 京都3人娘 ケアマネジャー

皆さん、継続的な関わりをするための前向きな意見が聞けて嬉しく思います。

このような場合は、ケアマネジャーと連携しながら対応するのが適切かと思います。人と人との関係、合う合わないもあって当然です。「主治医から指示されています。主治医の指示を守ってください」と説明することもあります。些細な行き違いがあり、薬剤師の訪問を拒否したケースでは、訪問看護事務所へ薬を届けてもらい、看護師に管理してもらったこともあります。

介護サービス利用時から薬剤師の居宅療養管理指導を利用している方からは、「今度、この薬のこと聞いてみるか」とか、「飲み合わせやサプリメントについて相談する」など、きちんと薬剤師の役割を認識されています。また薬局からは訪問した都度、報告書を手渡しでいただきますが、専門職からのリアルタイムな情報は、本人の薬に対する意識、生活実態などが分かり、大変ありがたいです。当事業所では、給付管理件数の約2割の方が薬剤師の居宅療養管理指導を利用されています。

花見真弓 ケアマネジャー

この症例に対して、チームで動いていないことに問題があると思われます。ご本人抜きで、できればご主人に参加していただき、しっかりと情報共有、問題点についての話し合いをし、突破口がないか探してはどうでしょうか。特にヘルパーはより多くの関わりがあるため、何かヒントをもらえるかもしれません。お元気だった頃にお好きだったこと、取り組まれていたこと、現在お好きなもの、これからできればしたいことなど。ただし、このような話題を嫌がる方もいるので注意は必要です。小さなきっかけで受け入れていただける可能性はあると思います。

ヘルパーや看護師は、ご本人が必要とすることを身体に触れて援助してくれます。薬剤師の場合はそれがないため、受け入れられにくいのではないでしょうか。ご本人が困っていること(例えば、手荒れや口内炎が気になるなど)や、訪問医に言い忘れたことについてヘルパーから情報を得るなどして共有し、解決することで、受け入れていただけるのではないでしょうか。

ケアマネジャーと同行する、ヘルパーや看護師の訪問時間の終わり頃を見計らって行くことも1つの方法かと思います。

小宮山学 家庭医療専門医

このように医療者を拒否する方はたまにいますね。訪問医でも、同じように診察を拒否して呼びかけに返事もしなかったり、診察を全くさせてくれない患者さんもいます。問いの仕方に揚げ足をとるようですが、このような方に「どうしたら快く思ってもらえるか」と考えるとなかなかうまくいきません。「どうしたら患者さんを見守る関わりや体制づくりができるか」と考えることが出発点になるかと思います。ご回答の皆さんはその点よくおわかりのようで、この方に関わる医師、看護師、ケアマネなどと連絡をとり、患者さんの様子や、どのように接しているかを聞くことは良い手です。夫に連絡・相談したり、もし本人と話ができる状態に至ればまず話す前にいろいろ傾聴する、というのは「見守る」体制をつくるとりかかりとして、どれも良い手だと思います。私はこうしたケースでよくやるのは、ご主人も含めてご自宅で関係者が集まる「サービス担当者会議」をケアマネ主催で開いてもらい、チーム皆で情報や問題点の共有、整理、解決策の模索することです。場合によっては、本人を除く家族+関係職種のみ集まって対策を考えたり、関係職種のみ集まって話し合うこともあります。イメージとしては、いきなり"本丸"は攻めず、"外堀"の情報集めから始めて、徐々に外堀を埋めて、最後に本丸を狙っていく、という感じですね。

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