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「かかりつけ薬剤師」という言葉に込められた期待

2016年11月15日 13:17

日本大学薬学部 亀井美和子

 「かかりつけ医という言葉にはなじみがあっても、かかりつけ薬剤師という言葉は聞き慣れない」というのが国民の大半だと思いますが、この"かかりつけ薬剤師" という言葉は、果たして定着するのでしょうか。言葉の定着は問題ではないとしても、「薬のことを薬剤師に相談する」という行動は、当たり前にしていかなければならないと思います。
 治療が上手くいかない人や、問題を抱えている人、あるいは薬を使うかどうか迷っている人など、周りをみると薬について相談したいことがある人はたくさんいます。しかし、具体的な相談に来る人は限られています。薬に限らず、"相談"とは信頼でき、かつ適切な答えやアドバイスが得られる人にするものです。そして、そういう人が身近にいることで、初めて相談するという人は多いはずです。利用者にとって、薬剤師が「信頼できる」「的確なアドバイスが得られる」「身近にいる」と感じられる環境を作らなければなりません。
 薬に関連するさまざまな問題の解決を社会が望んでいます。その多くは、薬剤師が積極的に関わることで解決するでしょう。そう確信している私は、薬剤師がもっともっと関与できる仕組みにならないものかと歯がゆいです。しかし、それは誰かが変えてくれるものではなく、やはり薬剤師自身が変えていかなければならないわけです。
 そのための応援メッセージが、"かかりつけ薬剤師"という言葉に込められているような気がします。国民に対してというよりも、むしろ薬剤師に向けての、「プロ意識を持って仕事に取り組んでください」というメッセージなのかもしれません。
 ファーマシューティカルケアは、ご存じの通り「薬剤師の行動の中心に、患者さんの利益を据える」という考え方です。「"かかりつけ薬剤師です"って薬剤師から押し付けるのはあつかましいのでは?」と憂慮することはありません。薬剤師として自信を持って行動すべきです。薬剤師を超える薬の専門職種は存在しないのですから、薬物療法に積極的に関わることをためらう理由はないはずです。

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