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【FDA安全性情報】小児の全身麻酔、発達への影響で警告

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2016年12月20日 08:30

 米食品医薬品局(FDA)は2016年12月14日、小児および妊婦に対する長時間あるいは複数回の全身麻酔薬使用に関する安全性情報を発出した。動物実験および一部の疫学研究で早期の全身麻酔薬への曝露による認知機能や行動への悪影響が示唆されているとして、3歳未満の小児および第3トリメスター(妊娠後期)の妊婦に対する全身麻酔薬および鎮静薬の使用のリスクについて、添付文書に警告を追記するよう求めている。

「3時間以上」「複数回」の場合は特に慎重に

 今回の安全性情報によると、1999年に全身麻酔薬や鎮静薬が脳の発達に悪影響を及ぼす可能性が示されたとする動物実験の結果が報告されて以降、FDAではこの問題について調査を実施してきた。これまでに発表された研究では、動物実験と疫学研究のいずれにおいても単回および短時間の使用であれば全身麻酔薬や鎮静薬による行動や学習への悪影響は認められていないが、幼若動物を用いた研究で全身麻酔薬や鎮静薬を3時間以上使用すると脳内の神経細胞死(アポトーシス)が増強され、長期的には認知機能の低下がもたらされることが示されているという。

 また、一部の疫学研究でも幼少期に全身麻酔薬や鎮静薬を複数回あるいは長時間使用することが認知機能や行動に悪影響を及ぼす可能性が示唆されているという。ただし、「これらの研究には限界があり、小児の学習や行動への悪影響は麻酔薬や鎮静薬が原因なのか、あるいは手術を必要とする医学的状態を含む他の要因によるものなのかは不明」としている。

 FDAは「これらの薬剤に成長のどの段階で曝露することが発達に悪影響を与えるのかは明確でなく、さらなる研究が必要」としているが、現時点で発表されている動物実験を含む研究データを踏まえ、3歳未満および第3トリメスターの妊婦に対する長時間あるいは複数回の全身麻酔薬と鎮静薬の使用に伴うリスクについて、これらの薬剤の添付文書に警告を追記することを要求。また、医療従事者に対しては「低年齢の小児や妊婦に対する全身麻酔では、ベネフィットとリスクのバランスについて考慮すべき」としており、特に3歳未満の小児で3時間以上あるいは複数回の全身麻酔が必要な場合には慎重に判断することを求めている。さらに、小児の親や介護者、妊婦と適切な手術の実施時期について話し合うことも求めている。

 今回、添付文書の改訂が求められている薬剤は、デスフルラン、etomidate、ハロタン、イソフルラン、ケタミン、ロラゼパム注射薬、methohexital、ミダゾラム(注射薬およびシロップ)、ペントバルビタール、プロポフォール、セボフルラン。

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