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病院は調剤を院外へ 薬局は?

【新春座談会】拡がる!? 薬剤師の活躍の場

2017年01月05日 13:30

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 行政が薬剤師に求めることが質・量ともに増え、これまでの「調剤して薬を渡して終わり」の業務で満足していてはいけない状況になりつつあります。

 編集部は、読者に「今の薬剤師と仕事に関する本音」を聞きました。すると、

「このままではダメだと思うのだが、薬剤師自身、何をしたいのかが見えていない」
「問題意識をもたなければいけない」

 などといった回答がありました。

 座談会では、薬学教育の現場から亀井美和子氏、病院薬剤部から関利一氏、保険薬局から小岩徹氏をお招きして薬剤師の現状と課題、その解決のヒントについて話し合っていただきました。

 座談会の内容と読者の声を、これから複数回のシリーズでお届けします!!

【座談会出席者】
4d6a2c86de3400dcb062642377c935545e6df548.jpg亀井 美和子 Kamei Miwako
日本大学薬学部 医療コミュニケーション学 教授
薬剤師免許取得後から大学での研究一筋。薬剤師の業務を幅広く研究対象としてきた。薬剤師が医療チームに入るとアウトカムが改善するとの研究報告が多いことから、薬剤師が持っている力を発揮することで医療の質が向上すると確信している。
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関 利一 Seki Toshiichi
ひたちなか総合病院 薬局長・データ管理センタ長
病院薬剤師として現場主義を貫く。一方で、データ管理センタ長として、病院経営や地域のネットワークなど広範なデータを取り扱う。これから注力していきたいのは地域包括ケアへの取り組み。
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小岩 徹 Koiwa Toru 
クオール株式会社 関東第四事業部 担当課長 たちばな薬局
個人経営の保険薬局で10年以上勤務。縁あって大手の薬局で働く機会を得た。管理薬剤師の経験を生かしつつ、大手の薬局と個人薬局の良いところを職場環境に反映させていきたいと考えている。

病院は病棟業務に注力
薬局は調剤業務の効率化が鍵

127687.jpg読者の声
真に医療機関としての機能を持ち、地域包括ケアの一翼を担うための具体的な方針として健康サポート薬局・かかりつけ薬剤師というレールを行政に敷かれてしまった以上、まずは走らなければいけないのでしょう。

亀井 本日は、ひたちなか総合病院(茨城県ひたちなか市)の薬局長とデータ管理センタ長を兼任されている関利一先生、クオール株式会社関東第四事業部担当課長で、たちばな薬局(神奈川県川崎市)の小岩徹先生とともに、薬剤師のポジティブな未来を見据えながら、現在、薬剤師が抱える課題やその解決策について話し合っていきます。
 2016年4月にかかりつけ薬剤師の制度が開始してから半年が経過しました。小岩先生はこの制度をどのようにお考えですか。

小岩 制度がうまく機能している薬局と、そうでない薬局がありますね。その違いは、個々の薬剤師の意識に直結しているように思います。半ば押し付けられたように業務を行っている方もいますが、制度ができる前から、薬剤師ができることとして、積極的にOTC医薬品への対応や健康相談を行ってきた方もいます。
 全ての薬剤師がかかりつけ薬剤師の登録をすることは、現行の制度では現実的ではないですが、かかりつけ薬剤師に求められている、特に薬中心から患者中心へという方向性は、どの薬剤師にも必要なことですよね。

 病院薬剤師においては、2012年に病棟薬剤業務実施加算の導入で業務改革があり、働き方は大きく変わりました。今では、朝礼が終わると皆、受け持ちの病棟に向かっていきます。病棟に立つようになってからは、患者さんの安全確保に務めたり、研修医などと議論をしたりと、業務の質も向上したと感じています。

亀井 2012年以前はどうだったのですか。

関 病棟に出る人と出ない人に明らかに分かれていました。かつて、病院薬剤師は外来調剤が主要な業務でしたからね。限られた業務時間の中で調剤をこなすのが精一杯という感じでした。

小岩 病院では院外処方へのシフトにより病棟業務への転換が可能になりましたよね。当薬局近くの聖マリアンナ医科大学病院は、夜間でも処方箋を院外へ、と徹底しています。
 一方で、保険薬局ではどのように調剤業務を効率化していくかが今後の課題になってくると思います。米国などでは薬剤師の監督下で調剤業務を担うファーマシー・テクニシャンの制度がありますね。それがよいのかは分かりませんが、何らかの形で薬局の業務をフォローする体制ができないと、現場で効率化を進めても限界がきてしまい、その先の大きな転換が難しいと感じています。

亀井 薬局、病院薬剤部に関わらず、調剤室の外へ出よう、患者さんと向き合おうという動きが活発になっています。そういう意識を持った薬剤師が活躍できるような仕組みになるとよいですね。

--次は「薬剤師はもっとアピールしよう!」

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