みやQのハッピーな職場って?

薬局でできる2つの子育て支援!

  • 2017年01月13日公開
  • (2017年01月20日更新)

皆さん、はじめまして。薬剤師の働き方支援について連載をすることになりました「みやQ」です。現在は小児科の処方箋を多く受けている薬局で管理薬剤師をしています。職場のスタッフは家庭を持つ女性が多いです。そういうわけで、スタッフの勤怠管理にしても、患者さん対応にしても「子ども」「子育て」という視点から考察する機会が多くなります。

この連載では、主婦ばかりの現場で考えた、患者さんもスタッフもハッピーになれる薬局の在り方について書いていきたいと思います。 なお、実生活では子どもはいませんし、今でも子どもの扱いは苦手です。

薬局でできる子育て支援は2つ
その1.患児やその親を支援する

昨年末、「一年間の出生数が100万人を割った」というニュースがありました。しかし、私の職場には毎日多くのお子さんが来ます。本当に少子化なのかと疑問に思ってしまうほどです。何年か勤務していると、薬局に来ていたお子さんに弟や妹が生まれて下の子の薬を貰いに来ることはよくあります。その間に上のお子さんは大きくなって、薬を貰う機会があまりなくなります。大阪では三人兄弟も珍しくありません。

このように沢山の子どもを観察していると、子育ては年々厳しい状況になっているという印象を受けます。例えば薬局では、次のような場面があります。

1.午後から夜の時間帯、または土曜日に来る方が増えた

働いている母親の増加に伴い、保育園に預けているお子さんが増えたためと思われます。それに伴い、私たち薬局スタッフの帰りが年々遅くなっていっています。

2.待合室で職場に連絡する母親が増えた

申し訳なさそうに、細かくわが子の病状を説明している方が多いです。それだけ会社を休めない立場なのでしょう。なお、薬局内での通話は黙認しています。外で電話をすると、お子さんが道路に飛び出す危険性があるからです。

3.感染症の治癒証明書の発行を受けに来る

子供のことで会社を休むことに対する風当たりが強くなっているのでしょう。病欠する子どもを早く登園・登校させたいと考える親が増えている印象があります。しかし完全に治りきってない段階から登園・登校させては感染が拡大することがあるから、自治体や学校が証明書の発行を要請しているようです。証明書の発行のために受診してまた別の感染症にかかることもあります。証明書発行のための診察は通常の診察の間に入ってくるので、他の患者さんの待ち時間が長くなる原因にもなっています。

さらに、患児の母親から「〇〇(感染症の名前)じゃなくてよかった」という感想をよく聞くようになりました。会社を休めないプレッシャーから出る発言なのでしょう。早期に登園・登校させる親がいることで、病気をうつされるリスクを感じている親も増えているという印象を受けています。

それでは薬局では、
どのような子育て支援が出来るでしょうか。

例えば、小さいわが子の治療がうまくいかないと、自分を責める母親がいます。薬を嫌がる、薬を塗っていても我が子が痒みを我慢できず掻き傷を作ってしまう、時間がなくて薬を使い忘れる・・・。時折、そういった方への対応をしています。「治療のしんどさを吐き出してもらい」「できているところを認め」「より良い薬物治療をする工夫を説明する」と、少しホッとした表情で帰っていきます。

このような場合、「完璧を求めすぎなくてもよい」とそっと育児をサポートすることができます。もちろん、命の危険がある場合は話は別ですが。

薬局でできる子育て支援
その2.職員の子育てを支援する

医療機関・薬局で働く薬剤師の7割近くが女性です。その半分以上が家事、育児、介護などの家族の事情を抱えた女性たちと推測されます。日々を忙しく過ごす彼女たちは、かかりつけ薬剤師の要件を満たさないものの、薬局の業務を支えていると言っても過言ではありません。他の薬剤師が患者さんの家に向かうことができるのも、地域活動に勤しむことができるのも、その間の薬局業務を彼女たちが支えているからです。

ですから、薬局はそんな彼女達の子育てを支援することが大切だと考えています。

かかりつけ薬剤師だけで薬局が成立するわけではない

勤務時間が短くてかかりつけ薬剤師になれない、というスタッフは少なくないでしょう。しかし、かかりつけ薬剤師だけで薬局が成立するわけではありません。患者さんに対面した時の様子を薬局内で共有し、ちょっとした変化があった場合には、ほかのスタッフが対応すればよいのです。 

今バリバリと働いている人も、いつか家庭の事情で十分に働くことが難しくなるかもしれません。どんな人も、働くことだけが人生ではないのです。スタッフにどんな事情が生じても、長く働き続けられる環境を作ることで、薬剤師・薬局が地域の人との継続した関係性を築くことにつながり、真のかかりつけ薬局になれるのではないでしょうか。

地域に根ざした「かかりつけ薬局」になるためにも地域の人、スタッフ双方が幸せになれる働き方を見つけましょう!

【コラムコンセプト】

薬局業界では「在宅」だの「24時間対応」だの言われてるけど、実際に現場で働く人の半分以上は、家庭で大きな役割を果たしている主婦薬剤師。高齢化社会でも子供たちの健やかな成長を見守るのは必要不可欠のはず。なのに、未来をつくる子供たちとその親を支えようという機運が起こらないのはなぜ?薬剤師はワーク・ライフ・バランスを考えてはだめなの?薬剤師だって医療人である前に生活人だ!と疑問に思う日々。主婦ばかりの薬局で、子供とその親の健康を支援する現場で考えた、現場目線のコラム。

【プロフィール】

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大学卒業後、色々な薬局での勤務を経験。現在は小児科の処方箋を多く受ける薬局で管理薬剤師として働く。薬剤師としては中堅どころ。実生活では子どもはいない。子どもの多い職場で働いていた経験が長いのに、未だに子どもが苦手なのが課題。薬局という狭い場所にいながらも、様々な情報や知見を得られるのがインターネットの利点と認識し、活用。それでも、生活の場で得られることはインターネットでは得られないので外にも出る。薬剤師だって生活者であることを意識して、心身ともに穏やかな日々を願って暮らしている。

blog:「くすりや」の「現場」
http://miyaq.hatenablog.com/

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