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小笠原 歴史は浅いが 地酒はある

2017年01月25日 07:30

小笠原諸島へ行きたいが、さすがに1週間も休めない。そういう方は多いと思います。一般的におがさわら丸は、東京出航翌日に父島に到着、父島に3泊して東京へ戻るスケジュールとなります。多客時は、午前に父島入港して、その日の午後に出港する、「着発」という運航のパターンも週2回ありますが、高い運賃を出して、24時間もかけて小笠原へ来て、父島の滞在がわずか数時間というスケジュールは、さすがに考えられません。ところが年に1回だけ、おがさわら丸が父島に1泊だけして東京に戻る便があります。この便こそが、ドック明け最初の便となります。ドック明けは貨物が多いので、このようなスケジュールになっているようです。

一泊できるなら、車やバイクを借りれば父島の主要な見どころにはほとんど行けます。半日のツアーもいろいろありますし、夜に飲みに行くこともできます。ちょっと小笠原諸島の景色が見たい、どんなところか体験したい、といった程度なら、島内一泊でのスケジュールは見逃せません。ただし、それでも乗船日数を含めて3泊4日の日程が必要です。また、この頃、小笠原諸島の海はちょうどオフシーズン。海に入りたければやはり夏(5月~10月)、クジラが見たければ春休みからゴールデンウィークごろまでがベストです。もっとも、山歩きをするのであれば冬はベストシーズンですが。

さて、観光の誘いで始まった今回は、診療所の話題から少し離れ、小笠原のお土産を紹介します。

目次

1. 定番お土産は「島塩」にラム酒

2. 島産の野菜や果物も人気の土産物

3. 島ラー油はやみつきの辛さ

定番お土産は「島塩」にラム酒

小笠原諸島には、いろいろと内地では見かけない食材や料理などがありますが、お土産もあまりよそでは見かけないものがあります。小笠原のお土産で、代表的なのが「島塩」、小笠原諸島周辺の海から取れた塩です。おがさわら丸のレストランでは島塩ラーメンなる料理もあり、お土産としても売られています。

そして小笠原にも、地酒があります。日本酒ではなく、こちらの地酒はラム酒です。ラム酒は戦前から作られていたようですが、現在は母島にある工場で作られています(内地への通販もしているそうです)。このラム酒を使ったパッションリキュールも、お土産として人気があり、私もよくお土産にしています。

島産の野菜や果物も人気の土産物

他にもパッションフルーツ味のお菓子などがお土産として売られていますが、やはりお土産には島産の野菜や果物などが一番喜ばれるように思います。青パパイヤは年中見かけますし、パッションフルーツは4月ごろ、島レモンは11月ごろ、トマトは1月ごろが旬になります。変わったものではスターフルーツ(五斂子:これも旬は11月ごろ)という、よそではあまり見かけないようなものもあります。断面が星の形をしているように見えるので、このように呼ばれています。この前職員住宅の草刈りで初めて知ったのですが、職員住宅の敷地内にスターフルーツの木がありました。おそらく住人の誰かが昔に植えたと思われ、他にバナナやレモンの木も、職員住宅敷地内に生えています。

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私がよく用意するお土産各種。写真は無いが、ラム酒は来客時の手製カクテルの原料に、写真左奥のパッションリキュールはそのまま飲むので、自宅用にもたまに買う。お土産としてだけでなく、島内の飲食店でも飲めるところが多い。その隣の薬膳島ラー油は、パッションリキュールと並んで私がおすすめするお土産。具が入っているので、よく振って使う。おいしいが半端じゃなく辛いので、普通のラー油の分量で使うと泣くことになる。手前の小笠原の塩も、何種類か売っている。これも海のきれいな地域ならでは。島野菜は奥が青パパイヤ、手前の変な形なのがスターフルーツ。青パパイヤは炒め物や煮物やサラダなど用途はいろいろだが、含有酵素のせいで、調理時には気を付けないと手が荒れる。スターフルーツは断面が星型になっているが、星の中心に種があるため食べにくい。縦に切って食べるのが正解。。

島ラー油はやみつきの辛さ

島産の農産物を加工したものでは、島ラー油というものがあります。普通のとうがらしよりも辛いと言われる島とうがらしをふんだんに使ったラー油です。一度使いだすと、普通のラー油が物足りなくなってしまいます。私も家に常備しています。

その他に加工品ならラム酒ゼリー、メカジキやウミガメのカレーなどもあります。ただし、お土産品は全て、割高です。島民にとってこれらは「日常使い」というより、「贈答用」といったところです。

いろいろある小笠原のお土産ですが、実は一部は竹芝桟橋の待合所にある売店でも買えます。生鮮品以外、例えば島塩やパッションリキュールやラム酒なら買えるので、興味のある方は一度覗いてみるのもよいと思います。

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海の上から見た竹芝桟橋。黄色い船は橘丸で、八丈島などへ就航している。浜松町駅から徒歩10分程度のところに竹芝桟橋があり、東京都島しょ部への旅は、多くの場合竹芝から始まる。小笠原だけでなく他の伊豆諸島についての情報が得られたり、特産物が買えたりもするので、一度行ってみるのも良い。竹芝を出航後ほどなくレインボーブリッジをくぐったら、もうそこは都会から切り離された別世界である。自動車や電車ほどの気軽さはないかもしれないが、また沖縄に比べればマイナーかもしれないが、首都圏に住んでる人は(そうでない人も)、旅に出たくなったときは、一度くらいは東京都の島しょ部へも出かけてみてほしい。

【コラムコンセプト】
僻地や離島の薬剤師業務って、給料は高いだろうけど、周りに何にもない不便な所で大変そうなイメージがある。それに不便な地で「生活」もしていかなければいけないから結構な覚悟が必要そうだ。......けど実際のところはどうなの?そんな興味と疑問を併せ持つ薬剤師のために、日本で最も行きにくい離島で働く薬剤師が送るコラム連載。良い面悪い面全てを含め、離島におけるありのままの薬剤師業務や生活を、面白おかしくお伝えしていけたらと考える。堅苦しい薬の記事の合間にここを読めば、「私は都会でないと無理だ...」と思っている人も、(保証はできないが)案外すんなり僻地でもやっていけるかもしれない。

【小西良典氏 プロフィール】cfe16ed4007e8fd8d26248d6a2afad043c7a3e9f.jpg
大学卒業後薬学部ではなく理学部の大学院に進学。博士課程を中退。その後、ドラッグストアなどで働きながら全国を旅する生活を続けて8年あまりのある日、旅行先の小笠原村が薬剤師を募集していることを知り、勢いで出願。見事採用され、以後、父島の診療所に勤務。旅行経験から、全国どこの街でも道に迷わない自信がある。趣味は工作、パソコン、料理、ロシア語など多数。最近は、毎日録画をしている昼の映画や海外ドラマを片付けるだけで週末が終わっていく。

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