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飲酒量の増加が糖尿病リスクに

ALDH2低活性者の飲酒習慣でインスリン分泌が低下

2017年02月02日 10:22

アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)低活性者では飲酒量の増加が糖尿病リスクになる可能性が示唆される。東海大学八王子病院健康管理センター長の高橋英孝氏がALDH2活性と飲酒習慣・インスリン分泌の関係について第51回日本成人病(生活習慣病)学会(1月14~15日)で報告した。

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低活性群の約2割が毎日飲酒

 アルコールは、アルコール脱水素酵素(ADH1B)によりアセトアルデヒドに分解され、ALDH2によって酢酸に分解される。同センターでは、ADH1BとALDH2の活性の程度によりアルコール体質をA~Eの5タイプに分類する検査を2016年4月から人間ドックに導入している。国立病院機構久里浜医療センター臨床研究部部長の横山顕氏が提唱するアルコール体質分類に基づいており、A・BタイプはALDH2が活性なため、飲酒で赤くなるなどの不快な反応が出にくい(活性群)が、C・DタイプはALDH2が低活性なため、飲酒で顔が赤くなる、気持ち悪くなるなどの不快な症状が現れ(低活性群)、EタイプはALDH2が不活性なため、少量の飲酒で真っ赤になり不快な症状が強く出て飲酒できない(不活性群)。

 ALDH2活性が低下している人はモンゴロイドにしか存在せず、日本人では4割強とされる。また、ALDH2遺伝子と並んでミトコンドリアに局在するALDH1B1遺伝子が膵β細胞の発達や機能に必要との報告があり(Diabetorogia 2016; 59: 139-150)、日本人におけるインスリン分泌能の低さとの関連が示唆される。そこで、高橋氏らはALDH2活性と飲酒習慣およびインスリン分泌との関係を検討した。

 2016年4~7月の同センター人間ドック受診者で文書による同意が得られた日本人976人のうち、治療中の糖尿病患者と空腹時血糖126mg/dL以上の者を除外した912人(男性585人、女性327人、平均年齢52歳)を対象として、ALDH2活性と飲酒習慣、インスリン分泌能(HOMA-β)の関係を比較した。

 アルコール体質検査の結果、ALDH2活性群531人(58.2%)、低活性群332人(36.4%)、不活性群49人(5.4%)だったが、不活性群は飲酒習慣がないため、解析から除外した。ALDH2活性別に飲酒習慣を見ると、毎日飲酒する者の割合は、活性群40.5%、低活性群18.7%だった。

 ALDH2活性・飲酒習慣別に検査値を見ると、HOMA-βは活性群では飲酒群と非飲酒群で有意差は見られなかったのに対し、低活性群では飲酒量の増加とともにHOMA-βが低下した()。同氏は「以上の結果から、ALDH2低活性者では飲酒量が増えるにつれてインスリン分泌能が低下し、糖尿病発症につながる可能性が示唆された」と結論付けた。

図. ALDH2活性・飲酒習慣別のHOMA-β

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(高橋英孝氏提供)

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