みやQのハッピーな職場って?

数字でわかる少子高齢化

子育て支援は未来を開く!

  • 2017年02月10日公開
  • (2017年02月10日更新)

こんにちは!最近は日がな1日抗インフルエンザ薬の説明を行っています、みやQです。今年は患児や保護者に、「熱が下がっても、5日間は外に出ないように」と必ず説明するようにしています。お子さんは元気でも、クラスメイトにうつすリスクがあります。学級閉鎖になれば、そのクラスに在籍する子は学童保育も利用できないことが多いようで、お母さん、わが子が元気になっても、さらに会社を休まなければいけなくなりますからね!(これは本当に肩身が狭くなるようです......)

ところで、私には「さまざまな統計資料を見る」趣味があります。今回は、数字と統計の話ばかりですが、お付き合いください。

今回言いたいことはふたつ。

  1. 少子高齢化を数字で見ると、子育て支援が将来の自分を助けることが分かる!
  2. 男性薬剤師にとっても女性薬剤師にとっても、子育て支援は重要!

少子高齢化って実際どうなん?

少子高齢化と言われて久しいのですが、いったいどんな程度なのか把握している人はあまり多くないのではないでしょうか。薬剤師は「街の科学者」。ここは具体的な数字を見て「正しく怖がって」みませんか。

その前に、少子高齢化がなぜ問題であるのかを振り返ってみましょう。子供が増えないと、自分の年金が出ない。それ以上に問題視されているのは労働人口の減少ですね。体が動けるうちは働かないと、この労働人口の減少をカバーできなくなります。AIの発達で、人は働かなくてよくなるという言説は出てきますが、現場で手足となって働く人が足りないのですよ。ディープラーニングの進化は著しいですが、作業をするロボットの進化はそれに比べて遅いです。

profile_miyaq.iconsmall.jpg子供の数は減ってるが、
女性1
人あたりが産む子供の数は増えている!?

それでは、少子高齢化がどのように進んでいるのか、数字を見てみましょう。
去年、出生数が100万人割れしたという報道がありました。

図1.出生率
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(厚生労働省 人口動態統計にもとづき作成)

一人の女性が生涯で生む子供の平均数は合計特殊出生率で示されます。この数値はここ数年、微増しています。(2005年の1.26が最低)

図2.合計特殊出生率
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(厚生労働省 人口動態統計にもとづき作成)

つまり、女性1人当たりが出産する子供の数は増えているのですが、出産可能年齢の女性の人口の数が減っているので合計特殊出生率が上がっても出生数が増えない現状です。

profile_miyaq.iconsmall.jpg子育て支援はホントに未来を救うの?

子供は増えないんだから、今さら子育て支援をしたって手遅れだ!なんて声も聞こえてきそうですね。しかし、そんなことはないというデータを紹介します。

少し古いですが、国立社会保障・人口問題研究所が日本の将来推計人口を発表しました(平成24年)。子育て支援により出生率が上がった場合と、出生率がそのままの場合の人口の推移を比較してみましょう(死亡数の推計については、推測される中間の値を用いました)。

2031年以降、出生数が上がった影響が表れます。

図3.将来推計人口(0-19歳人口)
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図4.将来推計人口(20-64歳人口)
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図5.将来推計人口(総人口)
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(図3-5 国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口に基づき作成)

ここでは0-19歳人口、20-64歳人口、総人口を示していますが、出生率が上がると、人口減少の割合が抑えられていることが分かります。

子育て支援をしても総人口、未成年の人口、勤労している世代の人口が減ることに変わりありません。しかし、その減り方が緩和されるので高齢化による諸問題が少しは改善に向かうと思われます。

どうでしょう、子育て支援しないといけない気分になりませんか!?

子育て支援は効果あるし、将来の自分も助けます!
どんな時代でもずっとしていかなければいけないのです!

なお、2060年の75歳以上の人口比率は出生率が上昇した場合で24.7%、そのままの場合26.9%と試算されています。

国の推計では、高齢化比率は20%以上で高止まりしたままと結論付けられていますが、深刻さ度合いは大きく変わります。2100年時点での人口は、子育て支援をして出生数が増えた場合と増えなかった場合で2,000万人以上違ってきます。

既に、20-64歳の人口は減り始めています。平成22年時点では7,564万人でしたが、平成28年12月時点では7,044万人に減っています。6年で働き手が500万人以上減っています。そんなわけで、働き手不足への対策を講じる企業も増えており、子育て支援の施策も徐々に進んでいます。

医療機関・薬局で働く薬剤師になぜ支援が必要?

少子化対策が未来の自分を守ることがわかりました。それでは、話を現在に戻し、今、なぜ薬剤師の子育て支援が必要なのかを考えてみましょう。ここで紹介するデータは平成26年の薬剤師調査です。

左側が薬剤師の人数で、右側がその年代の男女の比率です。

図6.医療現場で働く薬剤師の男女比
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(平成26年薬剤師調査)

薬剤師は女性が多いと言われていますが、これだけ多いんです!もし、薬剤師に子育て支援を行わなかった場合、更に少子化が進んでしまいます。現役の薬剤師も減ってしまうかもしれませんね。子供を産み育てることができない職業に就きたいとは思わないでしょう。

医療機関や薬局で働く薬剤師の3分の2が女性で、家庭と仕事を両立する生活をしています。男性薬剤師が、女性薬剤師をフォローすればよいのでしょうか。平成26年度末の薬局数が57784件(衛生行政報告例)、病院数が8493(医療施設調査)。男性薬剤師は70,000人以上います。数字上は、時間の制限なく働ける男性薬剤師を1施設あたり1人配置することは可能です。

しかし、男性薬剤師のみに主要な業務、責任を任せるような仕組みにしてしまうと、男性薬剤師は目先の作業だけで手一杯になりますし、ほとんど休めない状況になります。男女とも、家庭での役割を果たしながら働ける職場を作ることがベターと感じます。子育ては母親だけで行なうものでしょうか?そうではないですよね。薬剤師の場合、生活感を持つことで患者さんの服薬支援の幅が広がります。

余談になりますが、今回(平成28年)の薬剤師届出票の書式に変更がありました。「常勤(32時間以上)か非常勤かの選択肢」と「産休・育児休業中か」という項目です。お気づきになりましたか?国も働き方支援の最初の一歩を踏み出したのかもしれません。

というわけで、繰り返しになりますが、今回のまとめです。

  1. 子育て支援は少子高齢化問題の深刻さを緩和する
    →実のところ、未来の自分支援です
  2. 薬剤師だからこそ子育て支援が必要。
    →男女に関わらず、家事・育児と両立出来るような働き方が出来るとベター

今、子育て支援をして出生数を増やせば、未来を明るいものにできるのではないでしょうか。未来を変えるなら今やることです!また次回よろしくお願いします!


今回用いたデータ
●厚生労働省 人口動態統計
●国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口
 総人口,年齢4区分(0~19歳,20~64歳,65~74,75歳以上)別人口及び年齢構造係数:出生高位(死亡中位)推計
 総人口,年齢4区分(0~19歳,20~64歳,65~74,75歳以上)別人口及び年齢構造係数:出生中位(死亡中位)推計
 参考推計(超長期推計)2061~2110年
 人口推計(平成28年12月1日現在)
●厚生労働省
 平成26年薬剤師調査
 平成26年衛生行政報告例(薬事)
 平成26年医療施設調査

【コラムコンセプト】

薬局業界では「在宅」だの「24時間対応」だの言われてるけど、実際に現場で働く人の半分以上は、家庭で大きな役割を果たしている主婦薬剤師。高齢化社会でも子供たちの健やかな成長を見守るのは必要不可欠のはず。なのに、未来をつくる子供たちとその親を支えようという機運が起こらないのはなぜ?薬剤師はワーク・ライフ・バランスを考えてはだめなの?薬剤師だって医療人である前に生活人だ!と疑問に思う日々。主婦ばかりの薬局で、子供とその親の健康を支援する現場で考えた、現場目線のコラム。

【プロフィール】

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大学卒業後、色々な薬局での勤務を経験。現在は小児科の処方箋を多く受ける薬局で管理薬剤師として働く。薬剤師としては中堅どころ。実生活では子どもはいない。子どもの多い職場で働いていた経験が長いのに、未だに子どもが苦手なのが課題。薬局という狭い場所にいながらも、様々な情報や知見を得られるのがインターネットの利点と認識し、活用。それでも、生活の場で得られることはインターネットでは得られないので外にも出る。薬剤師だって生活者であることを意識して、心身ともに穏やかな日々を願って暮らしている。

blog:「くすりや」の「現場」
http://miyaq.hatenablog.com/

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