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キーパーソンが分かりません

在宅活動のピットフォール - Case4 -

2017年02月15日 00:16

在宅活動を始めた、もしくは関心があるのだけれど、いざ実践となると、「唐突なハプニングに対応できる自信がない」という初心者の方もいるのでは。これから毎月、実際の活動で起こりえる落とし穴(ピットフォール)を事例に挙げ、その対応方法、解決策を探っていきます。

Case4 キーパーソンが分かりません

独居の患者さんで訪問しても患者さんの他に相談相手がいない、ご家族が多くてそれぞれに主張が異なりまとめ役が分からない、訪問のたびに付き添うご家族が異なる場合など、なかなかキーパーソンが分かりません。どうすればよいでしょうか。

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在宅活動歴 5年

キーパーソンがいない場合は
他職種との連携をより強固に

家族が多くてキーパーソンが分からないというのは、患者さんを見守っている人が多くいるということです。素晴らしいことですね。問題なのは、患者さん以外に誰もいない場合です。このような場合、ケアマネ、主治医、ホームヘルパー、看護師、その他の職種の方との連携を欠かしてはいけません。薬剤師が単独で行動していると、患者さんだけでなく、他職種も不安にしてしまう可能性があります。

例えば、薬剤師と他職種が異なる説明をしていると、患者さんは「どちらの言うことが正しいのか」と不安になります。さらに患者さんから他職種に「薬剤師さんはこんなふうに言っていた」と伝えられたら、他職種との関係に不必要な行き違いが生まれかねません。

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在宅活動歴 7年

キーパーソンに限らず
見守る家族全員に情報が伝わるように

基本的には、訪問の契約書を記入された方がキーパーソンと考えますが、家族や親戚が多く、いろいろな意見が出てくることもあるでしょう。それぞれが患者さんのことを考えているのはよいことだと思います。ただし、患者さんを見守る家族が多い場合には、私たちがお伝えしたい内容を、どの方にも分かるようにしておく必要があります。例えば、薬剤情報提供書や薬袋に記入したり、メモを書き名刺を付けて渡しています。

キーパーソンが重要になるのは、最期の過ごし方などの在宅医療における基本的な部分についてです。普段の訪問ではあまり問題にならないと思いますが、困ったときには、ケアマネジャーに相談してみるとよいでしょう。

※「キーパーソンとは」......
患者さんの在宅介護の中で、患者さんの意向を考慮しながら意思決定に関わってくる方です。そして、何か尋ねたときに患者さんが相談したり、何かお願いしたときに一番に動いてくれる方です。契約のときに代理で記入してくださる方、ご本人に記入するように促してくださる方など、いくつかのサインを見逃さないようにするとよいと思います。訪問医が事前に教えてくれる場合もあります。

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在宅活動歴 13年 

分からなかったらケアマネに相談

同居家族がキーパーソンとは限らず、実際には離れた家族だったということもあります。その場合、毎月介護保険の負担分やお薬代など、費用の明細を郵送する際に、報告書を同封します。往診に合わせて遠方から来る家族にはそのときにお会いします。

逆に、ただひとりの同居親族が介護放棄をしているケースもあります。このようなケースでは、ケアマネは、家族がいても独居としてケアプランを作成します。私たちもその考えにのっとって対応することになります。ただし、家族にも介護チームに加わってもらえるよう、アプローチを続けるようにしています。

独居の場合は
特に他職種との情報共有に努める

独居でキーパーソンがいない場合、どの職種も得られる情報は訪問時に確認できた状況のみ。それらをつなぎ合わせて把握するしかなく、持続的な経過観察ができません。できる限り迅速に報告書を書き、他職種に送るよう努めます。ヘルパーや看護師の記録などの確認も大切です。

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在宅活動歴 21年

これまで困ったことはない

今まで、キーパーソンが分からずに困ったというケースはありません。在宅支援を始めるに当たり、重要事項説明・契約を取り交わすときに、患者さん情報シート(患者さんの情報や状況を一覧できる情報書)を作成しています。緊急連絡先にあたる方がキーパーソンであるかを確認しています。

宅配便の配達の人などと
情報共有することも

情報の共有相手は、キーパーソンを中心とした家族や在宅チームの他職種に限りません。在宅医療とは関係がない他の職種の方から有益な情報を得られることもあります。例えば、訪問中にヤクルトの配達の人や宅配業者に会った場合、「何か変わったことがあれば、連絡をください」と名刺交換しておくのもよいと思います。

患者さんの情報を薬局スタッフや他業種と共有するために、福地さんが使用している「患者さま情報カード」をダウンロードできます。

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