新規登録

アトピー性皮膚炎の新機序薬で有望な成績

抗IL-31受容体モノクローナル抗体nemolizumabの第Ⅱ相試験

2017年03月24日 08:00

新たな機序のアトピー性皮膚炎治療薬として期待されている抗インターロイキン(IL)-31受容体ヒト化モノクローナル抗体nemolizumabの第Ⅱ相試験の成績が、このほどN Engl J Med2017; 376: 826-835)に発表された。日本、米国、ドイツなどで登録された中等症~重症の成人アトピー性皮膚炎患者を対象とした同試験では、同薬による瘙痒の有意な改善が確認されただけでなく、睡眠も改善されたという。

瘙痒だけでなく重症度も改善

 Nemolizumabは、アトピー性皮膚炎患者の瘙痒を引き起こすサイトカインの1つであるIL-31に結合する受容体IL-31RAを標的とするヒト化モノクローナル抗体。IL-31とIL-31RAとの結合を阻害することで瘙痒を抑制するとされている。

 今回発表された第Ⅱ相試験のXCIMA試験は、nemolizumabの安全性と有効性、最適な投与量などを調べるために実施された。同試験では、日本、米国、ドイツ、英国、ポーランドで登録された中等症~重症の成人アトピー性皮膚炎患者264例を、同薬(体重1kg当たり0.1mg、0.5mg、2.0mgのいずれか)を4週ごと(2.0mg群の一部は8週ごと)に皮下投与する群またはプラセボ群にランダムに割り付けた。

 その結果、主要評価項目であるベースライン時と比べた12週時の瘙痒Visual Analogue Scale(VAS)変化率は、プラセボ群の20.9%減に対してnemolizumab群では43.7%減(0.1mg群)~63.1%減(2.0mg群)と、nemolizumab群における有意な瘙痒の改善が認められた。また、12週時のアトピー性皮膚炎の重症度を評価する尺度であるEczema Area and Severity Index(EASI)変化率は、プラセボ群の26.6%減に対してnemolizumab群では0.1mg群で23.0%減、0.5mg群で42.3%減、2.0mg群で40.9%減だった。

 この他、アクチグラフを用いて睡眠の量と質を計測した結果、1週間後には着床してから入眠するまでの時間がプラセボ群に比べてnemolizumab群では約15分早まり、安眠している時間も約20分延長。さらに、投与3週間後には安眠している時間がnemolizumab群で約40~50分延長することが確認されたとしている。

 同試験の結果について、椛島氏ら研究グループは「1カ月に1回のnemolizumab投与は、中等症~重症のアトピー性皮膚炎患者の瘙痒を軽減することが示された」と結論付けている。

似たようなコンテンツ
シリーズ◆私のターニングポイント

シリーズ◆私のターニングポイント

インタビュー
2018年11月29日

患者が薬剤師を選べる仕組みづくりにまい進 ~愛知県薬剤師会の試み

患者が薬剤師を選べる仕組みづくりにまい進 ~愛知県薬剤師会の試み

インタビュー
2018年11月29日

新薬ARNIは急性心不全にも有効

新薬ARNIは急性心不全にも有効

薬・医療ニュース
2018年11月28日

20年ぶりの新規爪白癬治療薬どう使う?

20年ぶりの新規爪白癬治療薬どう使う?

薬・医療ニュース
2018年11月27日

日本は薬局業務の先進国といえるのか!?

日本は薬局業務の先進国といえるのか!?

インタビュー
2018年11月22日

門内薬局がダメなら門前薬局もやめるべきか?

門内薬局がダメなら門前薬局もやめるべきか?

インタビュー
2018年11月15日

BCGワクチンに規格値を超えるヒ素

BCGワクチンに規格値を超えるヒ素

薬・医療ニュース
2018年11月13日

処方権も調剤権もない!権利を持つのは患者だけ

処方権も調剤権もない!権利を持つのは患者だけ

インタビュー
2018年11月08日

トップに戻る