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エボロクマブ、アリロクマブ 最適使用推進ガイドラインについて

2017年03月31日 17:50

 3月31日、PMDA(医薬品医療機器総合機構)は、家族性高コレステロール血症(FH)、高コレステロール血症治療薬であるエボロクマブ(遺伝子組換え)製剤及びアリロクマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドラインについて発表した。

 経済財政運営と改革の基本方針2016においても、革新的医薬品等の使用の最適化推進を図ることとされており、新規作用機序医薬品は、有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間、当該医薬品の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用し、副作用が発現した際に必要な対応を取ることが可能な一定の要件を満たす医療機関で使用することを呼びかけている。

 概要を以下にまとめる。詳細は必ず元文献を参照のこと。

エボロクマブ (遺伝子組換え)

対象となる医薬品

レパーサ皮下注140 mg シリンジ、レパーサ皮下注140 mg ペン(アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社)

【効能又は効果】

家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症 ただし、心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分な場合に限る。

【用法及び用量】

  1. 家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体及び高コレステロール血症:
    通常、成人にはエボロクマブ(遺伝子組換え)として140 mg を 2週間に1回又は 420 mg を 4週間に1回皮下投与する。
  2. 家族性高コレステロール血症ホモ接合体:
    通常、成人にはエボロクマブ(遺伝子組換え)として420 mg を 4週間に1回皮下投与する。 効果不十分な場合には、420 mg を 2週間に1回皮下投与できる。なお、LDLアフェレーシスの補助と して本剤を使用する場合は、開始用量として 420 mg を 2週間に1回皮下投与することができる。

アリロクマブ (遺伝子組換え)

対象となる医薬品

プラルエント皮下注 75 mg ペン、プラルエント皮下注150 mg ペン、プラルエント皮下注75 mg シリンジ、プラルエント皮下注 150 mg シリンジ(サノフィ株式会社)

【効能又は効果】

家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症
ただし、心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分な場合に限る。

【用法及び用量】

通常、成人にはアリロクマブ(遺伝子組換え)として 75 mg を 2週に1回皮下投与する。効果不十分な場合には1回150 mgに増量できる。

エボロクマブ (遺伝子組換え)、アリロクマブ (遺伝子組換え)ともに、下記のように記されている。

投与対象となる患者

投与要否判断にあたっては、以下の要件を確認する必要がある。

1)non-FH 患者では、心血管イベントの発現リスクが高いこと。リスク評価にあたっては、以下のリスク因子を1つ以上有することを目安とする。

  1. 冠動脈疾患(安定狭心症に対する冠動脈形成術を含む)の既往歴
  2. 非心原性脳梗塞の既往歴
  3. 糖尿病
  4. 慢性腎臓病
  5. 末梢動脈疾患

2)最大耐用量 (注2)のスタチンを一定期( FH 患者、上記の1又は2に該当する患者の使用については、担当医師が臨床上十分な観察期間と判断する。それ以外の患者の使用については、原則として3ヶ月以上)投与しても、脂質管理目標値に到達していないこと。また、本剤投与前には、スタチンに加えてエゼチミブを併用することも考慮すること

(注 2)最大耐用量とは、増量による副作用発現のリスクや患者背景(年齢、腎機能障害等)などを考慮し、医師がその患者にとってこれ以上増量することが不適切であると判断した用量を指す。

3)高コレステロール血症治療の基本である食事療法、運動療法、禁煙及び他の動脈硬化性疾患のリスクファター(糖尿病、高血圧症)の軽減を含めた内科的治療が十分に行われていること。

※なお、最大耐用量のスタチンを服しているにもかかわらず脂質管理が不良な高コレステロール血症患者では、 FH を疑うことが重要である。FH患者の診療経験を十分に有する医師と相談することも検討すること。

投与に際して留意すべき事項

投与中は血中脂質値を定期的に検査し、本剤の LDL-Cの低下作用が認められない患者では、漫然と投与せずに中止すべきある、重度の肝機能障害患者については使用経験がないことから慎重投与する、などとされている。

投与方法について

日本人における本剤単独投与での有効性及び安全は確立していないため、スタチンを併用すること、などとされている。

施設について

本剤が適応となる患者の多くは、長期的な使用が必要となる可能性が高いため、継続使用に当たっては医療機関へのアクセスの利便性は確保される必要がある。

本剤の使用にあたっての十分な知識を有し、動脈硬化性疾患の包括的リスク評価を行うとともに、リスク因子としての脂質異常症、糖尿病、高血圧症、慢性腎臓病などの病態をを十分に理解し、動脈硬化性疾患の発症予防・治療のための診療を担当している一定の能力を有する医師が所属する施設であること、などとされている。

※医師免許取得後、満6年以上の臨床研修歴を有すること。また、6年のうち3年以上は循環器診療又は動脈硬化学に関する臨床研修歴を有すること。

詳細な内容は下記資料を参照してください。

最適使用推進ガイドライン エボロクマブ (遺伝子組換え)
最適使用推進ガイドライン アリロクマブ (遺伝子組換え)

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