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南国バカンスには忘れずに

必携の薬や装備品

2017年04月27日 07:30

GWが近づいています。お仕事の方はお疲れ様です。お休みを取れる方は、休暇をお楽しみください。

外来のない日が多いGW。私にとっては、上京休暇を取れる数少ないチャンスです。上京したら真っ先に行くのは・・・・・・遊び場ではなく、都庁。期限切れ麻薬と共に「出頭」することが多いです。そして、上京の楽しみと言えば「ごちそう」。30代半ばにもなって、こんなこと言っては笑われそうですが、本土から1,000キロも離れた離島に住んでいると、牛丼、ハンバーガー、ドーナツにフライドチキン――つまり、ファストフードは「ごちそう」に感じてしまいます。

GWの好機会に上京する私とは反対に、「GWと言えば、小笠原や沖縄など、南の島へ行こう」と思う方も多いのではないでしょうか。これまで、那覇新都心や石垣島にしばし滞在・生活し、かつ4年近くも小笠原に住んでいる私が経験上考える「南の島へ持っていくべき薬や装備」について、紹介したいと思います。

目次

  1. 酔い止めは必携!ただし強すぎないもの
  2. けがや胃腸の乱れへの対策も忘れずに
  3. 南国は5月でも強烈な日差し
    日焼け対策や脱水対策が必要
  4. レジ袋は有料 
    エコバッグが役に立つ

酔い止めは必携!ただし強すぎないもの

持病があれば、薬を持っていくのは当たり前。では、特に持病の無い人は?OTC医薬品を持っていければ安心だが、具体的に何を持っていけばよいのでしょうか。

まず、必携と言えるのは酔い止め。沖縄でも小笠原でも、船に乗る機会はあると思います。ここで、酔い止めの選び方にポイントがあります。めっぽう飛行機や船に弱い私ですが、1日1回で効く!などとうたっているものは買いません。眠気や沈静といった、酔い止めの副作用が強く出たらどうしますか。景色のいいところに行ったのに、「寝てて何も覚えてません」では悲しすぎます。チュアブルタイプの、1日に何回か飲めるタイプの酔い止めをお勧めします。

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長崎県の離島、対馬の厳原港。小笠原で働くはるか前、所用で対馬へ行った。往路は博多からの高速船に乗った。1日1回服用で済む強力な酔い止め薬を飲んだ私は完全に眠りこけ、船上の風景を楽しめなかったどころか、厳原に着いたことにすら気づかなかった。到着後、船員さんに起こされ、体調が悪いのかと心配されたほど。気がついて周囲を見れば、乗客は既に全員下船済み。これがもし、対馬経由でプサンまで行くフェリーだったら......。この時以来、私は1日1回で効くとうたっている酔い止めは買わなくなった。

けがや胃腸の乱れへの対策も忘れずに

酔い止め以外では、鎮痛の内服薬と塗り薬(スプレータイプは飛行機に乗せられないので不可)、そして絆創膏など。南の島へ来て開放的になるせいか、観光客が当診療所に来るパターンで一番多いのは「事故」や「けが」です。

それから、正露丸みたいな下痢止めも必須です。その土地の食べ物は、体に合うとは限りません。胃薬もあった方がよいかもしれません。

南国は5月でも強烈な日差し
日焼け対策や脱水対策が必要

薬以外では、サングラスと日焼け止め。日焼け止めが無いと、文字通り「痛い」思いをすることになります。SPF50の日焼け止めを買うよりは、SPF30くらいのものを買って、こまめに塗り直したほうが良いと思います。5月でも南国の日差しはかなり強く、決して軽く見てはいけません。

同様に虫よけスプレーもあったほうがよいですが、飛行機に搭乗するのであれば、霧吹きタイプのものを選びましょう。

GWといえば、小笠原や沖縄はすでに夏。脱水症にも気を付けたいところです。小笠原には、沖縄のような24時間営業のスーパーはありません。商店は18時30分までに閉まります(1軒だけ深夜0時まで開いてる商店があります)。脱水症対策で持っておきたいものは、商店が閉まる前に買っておく必要があります。南の島は梅雨に入っている場合もあり、折り畳み傘も必要です。

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鹿児島県の離島、諏訪瀬島。この島を含むトカラ列島には小笠原との共通点が多い。例えば島外への植物の持ち出し規制がある、飛行場が無い、定期船は毎日は来てくれない、現役の活火山があるなど。 私がトカラ経由で奄美大島へ旅に出たのも、小笠原で働くずっと以前のこと。鹿児島港からトカラ経由で奄美大島までは16時間の航海である。運悪く海が荒れ、酔い止めを飲んだにもかかわらず、ちょうどこの諏訪瀬島を出たあたりで効果が切れ、見事に船酔いしてしまった。手がしびれ、気持ち悪くて下を向けない、生唾がこみあげてくる。一度船上でこのような状態になってしまうと、その場で水を用意して酔い止めを飲むことも難しい(まして揺れる外洋航行の船ならなおさら)。 「酔ってからでも効く」「水無しで飲める」の二つのポイントは、OTC薬の酔い止め薬を選ぶ上で、効き目と同じくらいに重要なことかもしれない。

レジ袋は有料 
エコバッグが役に立つ

そして小笠原と沖縄に共通して、私が「絶対必要である」と考えるものがあります。意外に思われるかもしれませんが、エコバッグです。10年近く前、初めて沖縄のスーパーで買い物したとき、レジ袋が有料であったことに衝撃を受けました。小笠原でもレジ袋は有料です。さらに、商店ではレジ袋をくれない場合がほとんどです。ぜひともエコバッグを持参してください。

ちなみに小笠原の場合、ゴミはレジ袋に入れて出せます。ゴミ袋といえば、那覇市では指定のものが必要です。那覇新都心に滞在していたときに、那覇市のものの隣に陳列されていた浦添市の指定ゴミ袋を間違えて買って、悔しい思いをしたことを思い出します。なお、浦添市のゴミ袋は大阪の実家で使いました。大阪は普通のごみ袋に所定シールを貼る方式です。

以上、南の島に行くときに、持参するとよさそうなものを書いてみました。いよいよGW。南の島へ遊びに行く方は、ケガなどしないよう十分に気を付けて、南国の旅を満喫していただければと思います。

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千葉の鋸山から東京湾を望む。対岸は三浦半島。おがさわら丸からよく見えることもあり、3年ほど前に、上京休暇でこの鋸山や東京湾観音へ行ってみた。貴重な内地滞在時間を有効に使おうと思うと、つい無理をしてしまう。ふだんあまり運動をしないせいで、このとき鋸山で足を痛めてしまった。翌日以降は足を引きずりながら行動するはめになり、駅とかで階段を下りるにも、手すりにしがみついて必死だった。これでは楽しい休暇も台無しである。 不幸中の幸い、この時は首都圏にいたから、ドラッグストアはいたるところにあるし、交通機関も充実していた。しかし、旅先の見知らぬ土地では、都合よく鎮痛剤の内服薬や貼り薬が買えるとは限らない。また、ケガや事故、病気はいつ起こるかわからない。健康に自信のある人も、薬はきちんと持って旅に出たほうが絶対にいいと断言する。

【コラムコンセプト】
僻地や離島の薬剤師業務って、給料は高いだろうけど、周りに何にもない不便な所で大変そうなイメージがある。それに不便な地で「生活」もしていかなければいけないから結構な覚悟が必要そうだ。......けど実際のところはどうなの?そんな興味と疑問を併せ持つ薬剤師のために、日本で最も行きにくい離島で働く薬剤師が送るコラム連載。良い面悪い面全てを含め、離島におけるありのままの薬剤師業務や生活を、面白おかしくお伝えしていけたらと考える。堅苦しい薬の記事の合間にここを読めば、「私は都会でないと無理だ...」と思っている人も、(保証はできないが)案外すんなり僻地でもやっていけるかもしれない。

【小西良典氏 プロフィール】cfe16ed4007e8fd8d26248d6a2afad043c7a3e9f.jpg
大学卒業後薬学部ではなく理学部の大学院に進学。博士課程を中退。その後、ドラッグストアなどで働きながら全国を旅する生活を続けて8年あまりのある日、旅行先の小笠原村が薬剤師を募集していることを知り、勢いで出願。見事採用され、以後、父島の診療所に勤務。旅行経験から、全国どこの街でも道に迷わない自信がある。趣味は工作、パソコン、料理、ロシア語など多数。最近は、毎日録画をしている昼の映画や海外ドラマを片付けるだけで週末が終わっていく。

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