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【FDA安全性情報】小児への全身麻酔薬、警告文を追記

脳の発達に悪影響の可能性

2017年05月02日 08:30

 米食品医薬品局(FDA)は4月27日付の安全性情報で、米国で使用されている全身麻酔薬や鎮静薬について「3歳未満の小児に対する長時間の使用により、脳発達に悪影響を及ぼす可能性がある」とする警告文を追記するなどの添付文書の改訂を承認したと発表した。複数の動物実験で全身麻酔薬や鎮静薬への曝露により発達過程にある脳内の神経細胞に悪影響が及ぶ可能性が示されたことなどを受け、FDAは昨年(2016年)12月、添付文書の改訂を指示していた(関連記事「小児の全身麻酔、発達への影響で警告」)。

必要な手術の中止や延期は「すべきでない」

 今回FDAが承認した主な改訂内容は以下の通り。

  • 「3歳未満の小児に対し、全身麻酔薬や鎮静薬を長時間使用したり、複数回の手術に伴い頻回に使用したりすると、脳の発達に悪影響が及ぶ可能性がある」とする警告文を追記

  • 妊娠中の女性および小児への使用に関する項に、①幼若動物および妊娠動物を用いた研究で、全身麻酔薬や鎮静薬を3時間以上使用すると、発達過程にある脳内の神経細胞死が促される可能性が示されている②幼若動物を用いた研究で、こうした脳内の神経細胞死による影響が、その後の行動や学習に長期的な影響を及ぼす可能性が示されている-ことなどの情報を追記

 ただし、FDAは「低年齢児や妊婦が、手術や疼痛を伴う処置に際して全身麻酔薬や鎮静薬を必要とする場合はある。また、米国では第3トリメスター期の妊婦に対する全身麻酔を必要とする手術は医療上必要な場合にのみ実施されており、3時間を超える手術が実施されることはまれである」と説明。その上で、「必要な手術を中止あるいは延期することで、患者本人あるいは胎児の健康が損なわれる可能性があるため、手術が必要な妊婦や3歳未満の小児に対する手術や処置の中止や延期はすべきでない」としている。

 さらに、医療従事者に対して全身麻酔薬および鎮静薬を必要とする手術や処置を実施することによるベネフィットとリスクについて、患者と話し合うことを推奨。また患者や介護者、妊婦に対しては「質問や懸念事項があれば医療従事者に相談すべき」と呼びかけている。

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