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育児/介護をしながら薬剤師が働く4つのメリット‐1

2017年05月09日 08:30

こんにちは!新学期が始まり1カ月。慣れない環境への疲れで体調を崩すお子さんが増え、胃腸炎も大流行しています。そんなわけで業務が忙しく、やや疲れ気味のみやQです。おかげさまで今のところ体調は崩していません。連休中はエアコンを掃除するなど、家でのんびりしていました。

さて、今回は育児や介護をしながら働くことが、薬剤師にどのようなメリットをもたらすのかを考えてみましょう。

育児や介護を行う薬剤師にとって、その経験は生活者視点を広げ、業務の質を向上させます。また、その方の周りで働くスタッフにも気付きや影響を与えます。

育児や介護は、苦労が絶えないと思います。それを支えるスタッフが頑張らなければいけない局面もあるでしょう。ですが、最終的には、お互いに薬剤師として得られるものがあり、患者さん、薬局の利用者さんの"ハッピー"につながると信じてやってみませんか。

今回は以下の内容でお話を進めていきます。

育児/介護をしながら薬剤師が働く4つのメリット

◆ 一緒に働く人にとってのメリット
メリット1. 育児/介護に関する生活者視点の情報を得られる
メリット2. 育児/介護の現実を知ると服薬指導の幅が広がる
メリット3. 結果的に薬局を利用する人の健康につながる

◆ 育児/介護をしている薬剤師にとってのメリット
メリット4. 職場でさまざまな人と対話できる

◆ 育児/介護中の人が心地よく暮らせる世の中に

1. 一緒に働く人にとってのメリット

メリット1. 育児/介護に関する生活者視点の情報を得られる

最新の育児/介護に関する情報の量が増えます。それも、薬剤師の立場からではなく、親/介護者から見た情報です。

生活者視点での知識は患者さんとの対話でも得られますし、むしろ積極的に集めていきたいところですね。これが、一緒に働いているスタッフの話であれば、接する時間が長い分、得られる情報量が多くなります。また、深く聞くことができます。例えば、患児や介護を受けている人の生活の状況や、具体的な服薬の手技など。書籍や専門誌などの記事では分かりにくかったりしますよね。

メリット2. 育児/介護の現実を知ると服薬指導の幅が広がる

例えば、私たちが想像する以上に、子供や介護を受けている人では薬の使用が難しいことや、その「難しさ」は個人差が非常に大きいことを知るでしょう。育児や介護の現実的な状況を理解すると、服薬指導の幅が広がります。

例えばこんな現実

  • ドライシロップ剤は思いの外溶けにくい
    → 一度に水に混ぜず、少しずつ溶かすと少量の水でも溶け、飲む量が少なくてすみます。
  • いったん飲み込んだ薬を時間を空けて吐き出す
    → 処方箋には食後とありますが、満腹だと飲まないので、食事の影響を受ける薬以外は空腹時にのませるといいでしょう。薬の味がまずくて吐き出す場合は、他の薬と時間をあけて単独にするのも有効です(それでも飲めなくて、後日追加処方されることもあります......)。
  • 塗り薬を塗ろうとしても、おとなしくしてくれず逃げ出してしまう
    → 血行が良くなりすぎて肌がほてったり過敏になり、人に触られるのがいやになっていることがあります。その場合は、お湯の温度を加減するとよいですね。保湿剤がベタベタするのが嫌な場合は、剤形の変更を検討するなどの手があります。塗る側の保護者は、バスローブを着て防寒対策をした上で、とにかく逃げる子供を速やかに追いかける、という対策は、もはや常識でしょうか......。

育児や介護のエピソードからもらうヒントは、本当にいろいろあります。薬を使用するのは、多くは生活の場。理屈では正しいとされていても、生活にそぐわない方法では、薬をうまく使うことができません。「あそこの薬局の薬剤師の説明だと無理なく薬が使えるし、よく効く」という評判が立つようになりたいですね!

メリット3. 結果的に薬局を利用する人の健康につながる

 薬剤師が患者さんの生活に即した服薬指導をすることが、それぞれの患者さんの健康状態の向上へとつながります。言うまでもなく、一番大切なところですね。

profile_miyaq_smallicon.jpg管理者の心得

育児/介護をしている人は、臨機応変な対応の癖ができています。そうしないと私生活がうまく回らない現実があるからでしょう。「御託を並べる暇があったら、まず手を動かせ」という思考のもと、効率的に作業を進めます。

管理者としては、てきぱきと作業をしてくれるのは非常にうれしいです。しかし、効率化を重視するあまり、ゆっくり考える習慣が抜け落ちてしまっても困ります。薬剤師の業務では、どのように患者さんに対応していくか――すなわち対人業務が、ますます重要になってくるといわれています。

より患者さんの生活に即した説明、対応方法を考える時間が持てるよう、私の職場では、作業にかける時間を効率化させ、スタッフの業務配分の割り振りを工夫しています。

スタッフはそれぞれの勤務時間に合わせて、投薬・調剤の時間が決まっています。業務時間内のその他の時間には、取り組む作業を選べるよう、薬局のその日の作業内容を可視化しています。作業の存在とその締切をわかりやすくし、その作業の順番もはっきりしていれば、「今何をすればいいか、自分の勤務時間内にできる仕事か」と考える時間がだいぶ短くなります。

例えば、空いている時間に一包化の予製ができるようにしています。そのために、前回の処方箋のコピーをビニール袋に入れて所定の場所に保管しておきます。処方日と処方日数から、次回分をいつまでに作らなければいけないかが分かります。また、印字する内容は薬歴に申し送りがしてあります。こうして、誰でも、自分の持ち時間を効率的に配分できるように準備をしています。

次のページでは、育児/介護をしている人が働くことで得られるメリットを考えます。

【コラムコンセプト】

薬局業界では「在宅」だの「24時間対応」だの言われてるけど、実際に現場で働く人の半分以上は、家庭で大きな役割を果たしている主婦薬剤師。高齢化社会でも子供たちの健やかな成長を見守るのは必要不可欠のはず。なのに、未来をつくる子供たちとその親を支えようという機運が起こらないのはなぜ?薬剤師はワーク・ライフ・バランスを考えてはだめなの?薬剤師だって医療人である前に生活人だ!と疑問に思う日々。主婦ばかりの薬局で、子供とその親の健康を支援する現場で考えた、現場目線のコラム。

【プロフィール】

profile_miyaq.jpg

大学卒業後、色々な薬局での勤務を経験。現在は、小児科の処方箋を多く受ける薬局で管理薬剤師として働く。薬剤師としては中堅どころ。実生活では子どもはいない。子どもの多い職場で働いていた経験が長いのに、未だに子どもが苦手なのが課題。薬局という狭い場所にいながらも、様々な情報や知見を得られるのがインターネットの利点と認識し活用。それでも、生活の場で得られることはインターネットでは得られないので外にも出る。薬剤師だって生活者であることを意識して、心身ともに穏やかな日々を願って暮らしている。

blog:「くすりや」の「現場」
http://miyaq.hatenablog.com/

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