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患者さんが暴力的・・・

在宅活動のピットフォール -Case9-

2017年05月11日 08:30

在宅活動を始めた、もしくは関心があるのだけれど、いざ実践となると、「唐突なハプニングに対応できる自信がない」という初心者の方もいるのでは。これから毎月、実際の活動で起こりえる落とし穴(ピットフォール)を事例に挙げ、その対応方法、解決策を探っていきます。

患者さんが暴力的......

患者さんが短気、大きな声で怒鳴る。さらには手が出てきます。訪問を続けてきましたが、そのうちけがをしそうです。また、怖くて近づけないので、薬の効果を確認できません。

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在宅活動歴5年

患者さんと薬剤師の
2人だけの問題にしておかない

私は暴力を振るわれた経験がないので、もしそういうことがあったら自分ならどう対応するかを答えます。

訪問時の患者さんの態度により、けがを負ったり恐怖を感じるのであれば、第三者(ご家族、ケアマネジャーなど)に必ず相談し、ご本人と薬剤師の2人だけの問題にしないよう心がけます。他にも訪問スタッフがいるのであれば、その方が訪問されたときの患者さんの反応について聞くでしょう。可能であれば、他のスタッフと訪問時間を合わせるように計画を変更するのも1 つの手段だと思います。

BPSDや薬剤が原因である可能性も考慮する

認知症の方では、暴力行為の背景に行動・心理症状(BPSD)が隠れているケースがあります。BPSDの場合、生活環境や介護に原因がないか検討したり、訪問スタッフの話し方や態度について、改めて考え直すことも必要です。

抗コリン作用を持ち、認知症の方にふさわしくない薬剤が悪影響を及ぼしている場合もあります。不適切、不要と思われる処方薬がないか確認し、あれば減量、中止の必要性を精査すべきです。

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在宅活動歴13年

医師に薬物療法の検討を依頼する

患者さん自身が暴力的であるケースの経験がないのですが、まずはケアマネに相談すると思います。他の訪問スタッフも同じ状態であれば十分なサービスを提供できないので、その状態を主治医に報告して薬物療法でのアプローチを検討してもらいます。

薬剤師に対してのみ暴力が向けられるのであれば、ケアマネにも同席してもらって、その理由を尋ねます。

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在宅活動歴7年

担当者会議を開き、打開策を話し合う

1 人で訪問されていますか? まず、複数人で訪問してみるのがよいと思います。患者さんがどのようなことをきっかけに怒鳴り始めるのか、冷静に対処しながら評価してみてください。暴力的というと、認知症のBPSD の可能性もあります。周りの関わり方次第で、患者さんの症状が変わってくることもあるのではないでしょうか。

他職種はどのように対処しているのか、担当者会議を開いてみんなで打開策を話し合ってみるのがよいでしょう。

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在宅活動歴21年

認知症同士の老老介護
認知症の奥さんに対する不満が
介護者のBPSDとして現れていたケース

以前訪問していた老々介護のお宅、ご主人にBPSDが出ており、奥さんに暴力を振るっていました。私に対しては乱暴な態度をあまり見せないので危険性を感じなかったのですが、女性スタッフに対しては、しばしば狂暴なそぶりが見られたとのこと。介護職の女性は、必ず2人組で訪問することにしたそうです。

後に、奥さんも長谷川式簡易知能評価スケールで6 点と重度な認知症であることが分かり、そのことによるご主人の不満がBPSDとなって現れていたようです。結局、お2人とも施設入所となりました。

(関連記事)押さえておきたい『BPSD(認知症の行動・心理症状)』

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