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中医協で薬剤師が調剤報酬を決める方法-02

2017年05月26日 12:00

中医協で薬剤師が調剤報酬を決める方法-02

調剤報酬を決めているのは、1人の薬剤師を含む、厚生労働大臣に選ばれた20人です。彼らの話し合いで、調剤報酬が上がったり、下がったり。でも、その議論の様子は、ほとんど知られていません。薬剤師にとって、生殺与奪の権を握る会議「中医協」を紹介します。

薬剤師1人で19人を説得

「調剤報酬は現場を知らない人がつくっている」という声があります。そこで、誰が調剤報酬を決めているのか、詳しく見ていきます。

中医協は、正式名称を「中央社会保険医療協議会」といいます。「社会保険医療協議会法」という法律によって、公的に認められた組織です。中医協は、その名の通り"中央"、つまり霞が関にある厚労省に設置され、保険医療の報酬を議論します。中央とは別に、"地方"社会保険医療協議会という組織も、同法で定められています。こちらは地方厚生局に設置され、保険薬剤師の登録取り消しなどを議論しています。"中央"も"地方"も、厚労大臣に意見を挙げる権限を持った組織です。

いま、仮に、中医協委員ではない普通の薬剤師が「後発医薬品調剤体制加算の点数を増やしてほしい」と切実な思いを抱いているとします。どうすれば、望みを調剤報酬に反映してもらえるでしょう。

現在、こうした医療現場の声と中医協の橋渡し役を任されているのは、日本薬剤師会です。日薬は、「調剤報酬に関する意見は、まず都道府県薬剤師会に伝えていただきたいと思います。我々は調剤報酬改定の前年の夏ごろになると、全国の都道府県薬剤師会から、調剤報酬に関する要望書を受け付けます。それらの要望書を、日薬内の会議で『有用性』と『実現性』の観点から、中医協で議論するかを判断します」といいます。

中医協には薬剤師も参加しています。現在、薬剤師の代表として中医協委員を務めているのは、日薬副会長の三浦洋嗣氏(2013年当時)。病院勤務の経験を持ち、調剤薬局に勤務する現役薬剤師です。

薬剤師が望む調剤報酬を要求することは、一筋縄ではいきません。その理由は、他の中医協委員の顔ぶれを見ればわかります。

中医協2.png

中医協の委員は、

  • 診療側委員:医師、 薬剤師など医療者7人
  • 支払側委員:保険者、 患者など7人
  • 公益側委員:大学教授など有識者6人

以上の計20人で構成されています。委員を任命する権限を持つのは厚労大臣です。診療側委員と支払側委員を任命する場合は、大臣は日本医師会や日薬など各関係団体の推薦者に配慮しなくてはいけないため、ほとんどの場合は、特定の業界団体の立場を代表する人物が委員に選ばれることになります。

中医協では、医療費を受け取る側(診療側)と、医療費を払う側(支払側)が同数いて、互いの利害が衝突します。たとえば、診療側委員が、ある医療サービスについて「報酬をつけてください」と主張すると、支払側委員が「それは医療費の無駄ではないか」と反論します。お互い簡単には譲りませんから、そこで登場するのが公益側委員。公益側委員は第三者の立場として、双方の意見を聞いたうえで「どちらの言い分が、国民のためになるか」を考え、中医協全体の意見としてまとめていくことになります。

薬剤師代表である三浦委員は、20人いる中医協委員の1人であり、薬剤師の代表として他の19人を説得する必要があります。これは容易なことではありません。国の保険医療費は年間約40兆円(2013年当時)。各業界を代表する1人ひとりの委員の肩には、何兆円という医療費が乗っています。

次は、実際にどのようにして調剤報酬が決められているかを紹介します(6月2日掲載予定)

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