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薬剤師のトリセツ作り・本を通じて他職種を知る

日本プライマリ・ケア連合学会学術大会参加レポート

2017年06月08日 08:30

 去る2017年5月13日~14日、高松で行われた第8回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会に参加して来ました。

 日本プライマリ・ケア連合学会(以下、JPCA)は、プライマリ・ケアを担う家庭医、地域の開業医、ドクターGでお馴染みの総合診療医などが参加している学会ですが、コメディカルの活動も重視されており、薬剤師も多く参加しています。また、学会認定のプライマリ・ケア認定薬剤師152名が全国で活躍しています。(2016年9月現在)

 私の学術大会中のスケジュールは、口頭発表、キャリアcafé会場での薬剤師向け企画「薬剤師のトリセツを作ろう!」の担当、多職種向け企画「ビブリオバトル」を主催、自分が関わった多施設共同研究のポスター発表の見学など。あっという間の学会期間でした。

 学術情報だけではなく、多職種との交流も盛んなJPCA学術大会の模様をお届けします。

第8回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会

日時:2017年5月13日(土)~5月14日(日)

会場:サンポートホール高松ほか

主催:一社)日本プライマリ・ケア連合学会

レポーター:十勝勤医協帯広病院 山口章江

多職種協働、身近で頼られる薬剤師になりたい

 口頭発表では、「卒後・生涯学習」の分野として、2016年の学術大会で行った薬剤師向けのワークショップでの自由記載内容を質的研究の手法で分析した「プライマリ・ケアに関わる薬剤師が抱える夢、理想、課題に関わる研究」について発表しました。多くの薬剤師にとって、質的研究はまだまだ馴染みの薄いものだと思いますが、私自身も今回の研究をするに当たり、一から質的研究を学び、認定薬剤師の仲間や大学で質的研究に取り組んでいる薬剤師からアドバイスをいただきながら、試行錯誤の上でまとめることができました。本研究の結論としては、プライマリ・ケアを担う薬剤師にとっての理想は「多職種と協働し、地域および地域住民にとって身近な頼られる薬剤師」であり、その課題を解決する方策として、【地域とのつながりを大切にする】こと、【連携を大切にする】こと、【地域の患者を知る】ことに対して【主体的態度で関わる】こと、さらに【長く地域に居続ける】ことが挙げられた、としました。

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"薬剤師のトリセツ"で地域にも他職種にも理解してもらう

 JPCAの男女参画委員会などが企画しているキャリアCafe会場にて、薬剤師企画を開催しました。これまでの学会活動を通じ、チーム医療、地域包括ケアの中で薬剤師の役割が十分に理解されていないことへの悩みが多く聞かれました。

 そこで、薬剤師をよりよく活用してもらうための取扱説明書を作成するワークショップとして、「薬剤師のトリセツを作ろう!(多職種向け編、地域住民向け編)」を題して、2日間に渡るワークショップを行いました。他職種や地域の方々に知ってほしい薬剤師の悩みや、本音を話す場となっただけでなく、各地域、施設での先進的な取り組みを知る機会となり、薬剤師の職能の広がりが改めて感じられる企画となりました。

 特に2日目はランチタイムに開催したこともあり、多数の薬剤師が参加してくれました。今後、ワークショップでの成果物をまとめて、「トリセツ」として発表する予定です。

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一押しの本のプレゼンから他職種を知る

 同じくキャリアCafe会場にて行った、書評プレゼンゲームである「ビブリオバトル」では、司会を務めさせていただきました。多職種参加を意識し、サブテーマを「多職種を通じて本を知る、本を通じてプライマリ・ケアを知る」としました。医師、薬剤師、看護師、社会福祉士の6名のバトラーによる書評プレゼンを聞き、最も読んでみたいと思った1冊に投票してもらい、チャンプ本を決定します。多職種それぞれの視点に基づく多様な書籍の紹介から、医療にかける想い、普段の仕事上の悩みなどが示され、貴重な機会となったと感じています。ちなみに今回のチャンプ本には、看護師の2人がプレゼンした本が同数で選ばれました。

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多職種の交流が盛んで刺激も多い

 この他、JPCAの学術大会では、プライマリ・ケア領域に関わる多種多様な内容について学ぶセクションがありました。座学形式のシンポジウムだけでなく、多職種参加型のワークショップが多く、多数の医師に混じって薬剤師も膝を突き合わせてディスカッションに参加できることが魅力の1つです。私は、「価値に基づく診療ワークショップ」でロールプレイングを交えたワークショップに参加した他、病院所属の認定薬剤師の仲間と共同研究したポスター発表の場でも、沢山の方々と情報交換して刺激を得ることができました。

 また、うどん県の香川らしく、会場では無料のうどんが振る舞われるなど、大会会場にいながらにして香川、四国を堪能できる工夫が施されていました。いろいろな楽しい思い出をつくれた高松のJPCA学術大会でした!

日本プライマリ・ケア連合会ウェブサイト http://www.primary-care.or.jp/

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