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形式的な疑義照会を排除する 簡素化プロトコルを作成

【総括座談会】必要なのは、変えていく力だ! その2

2017年06月12日 08:00

「みんなのためになる疑義照会を考えよう」企画最終回。

今後の疑義照会の在り方をめぐる激論の模様をレポートする。異色のメンバーによる座談会では、疑義照会の多様性、医師や患者の無理解、行政に無駄な疑義照会を強いられている側面、調剤報酬優先の薬局経営とそこで働く薬剤師の苦衷など、疑義照会の"難しさ"が語られた。その一方で、疑義照会簡素化プロトコルの有用性、地域での事後的処方カンファレンスの可能性、さらには疑義照会で地域医療の質を上げる試みなど明るい展望も示された。

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形式的な疑義照会を排除する
簡素化プロトコルを作成

岩田 そもそも論になりますが、一方で医薬分業といい、他方でチーム医療という。分業するのか、チームでやるのか、相反するような気がしますが、これはどうなんでしょうか。

高橋 医師と薬剤師が同じ組織で活動する際、そこに上下関係や権威勾配が生じる恐れがあります。医薬分業とは薬剤師を権威勾配の外に置く、つまり独立性を担保するための仕組みの1つです。独立性を担保した上で協力しましょう、ということです。

松原 院外処方箋の比率を分業率と呼ぶ点に、今の問題があります。医薬分業とは本来、薬剤師と医師が双方の立場から処方をチェックすることで患者の安全を守り、有効性を高めるという理念です。医師と薬剤師がダブルチェックを行うわけで、疑義がある処方は調剤してはならないと、薬剤師法24条に定められています。チーム医療につながっていく理念ですが、それが院外処方箋の調剤業務に矮小化され、金の成る木になってしまった。

私は、疑義照会には2通りあると考えています。1つは、重複投与や腎機能と合わないなど、処方自体に問題がある医学的疑義です。これは重要で、医師が文句を言うことはありません。もう1つは、調剤報酬に関する疑義です。例えば、ある薬剤師が「一包化してほしいならタダでしてあげる」と言えば照会の必要はなくなる。

この2つの疑義を分けるため、2015年に「院外処方せんにおける疑義照会簡素化プロトコル」をつくりました。最初は大変な議論が起こりましたが、いまや各地で作成されています。しかし、法的に完全にクリアになったわけではないことを承知しておいていただかないといけません。そもそもが法的境界線上、つまりグレーの内容であるから、プロトコルと合意書をつくったわけです。

PT編集部 例えば一包化加算や重複投薬に関する加算が、医師との疑義照会に基づいていないと判断された場合、調剤報酬点数としては反映されないということでしょうか。

松原 そうした指導を避けるため「京大病院との合意による」というハンコを渡しています。それを押せば調剤点数は取れると思いますが、取らないところが多いでしょう。

プロトコル京大病院.jpg院外処方せんにおける疑義照会簡素化プロトコルの運用について

京都大学医学部附属病院薬剤部HPより

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