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在宅医療を通じて薬剤師の重要性を実感してもらう

2017年06月12日 13:30

合同会社あおば薬局・さんあい薬局株式会社(三重県) 加藤文啓

3年前、病院から薬局へ転職した。きっかけは、入院の理由に薬が関わる症例が多いと感じたことだ。薬の使用方法が自己流になっている、誤った情報から薬に恐怖心を抱き使用していない、副作用が疑われているのに長期間薬剤を使用しているなど――適切に服薬していれば、入院を防げた症例は少なくなかった。患者の知識が不十分であったことや、薬の相談を気軽にできる環境が整っていないことなどが原因だと感じた。その根底には、薬剤師の関わりが不足しているという問題があるのではないか。解決策の1つとして出した私の答えが、薬局薬剤師として在宅医療に参加することであった。

在宅医療は、他職種の考えを知り、連携を深めていくことができる。薬剤師の成長につながる格好の場だ。治療経過や既往歴だけでなく、患者の性格や趣味といった情報までチーム内で共有できれば、治療についての議論が深まる。患者のプライベートな情報に踏み込むことは容易ではないが、訪問を重ねれば住環境や家族関係、食習慣を把握しやすい。こういった個人的な情報を生かすと、服薬指導や薬物治療の質は格段に向上する。患者への理解が深まり、信頼関係もより強固なものになる。

昨年より始まった、健康サポート薬局やかかりつけ薬剤師の制度。薬局薬剤師に、地域住民や患者ともっと関わってほしいという社会の要請だと考えている。その関わり方の1つが在宅医療であることは読者の皆さんもご存じの通りだと思う。多職種で連携して情報を収集・考察し、適正な薬物治療の形で患者へ還元する。世間が少しずつ、薬剤師や薬剤師を取り巻く制度の重要性を実感していくことを期待したい。

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