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疑義照会に目標を設け、アウトカムに寄与する

【総括座談会】必要なのは、変えていく力だ! その4

2017年06月14日 08:00

「みんなのためになる疑義照会を考えよう」企画最終回。

今後の疑義照会の在り方をめぐる激論の模様をレポートする。異色のメンバーによる座談会では、疑義照会の多様性、医師や患者の無理解、行政に無駄な疑義照会を強いられている側面、調剤報酬優先の薬局経営とそこで働く薬剤師の苦衷など、疑義照会の"難しさ"が語られた。その一方で、疑義照会簡素化プロトコルの有用性、地域での事後的処方カンファレンスの可能性、さらには疑義照会で地域医療の質を上げる試みなど明るい展望も示された。

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大切なのは、変えようとする努力だ!

亀井 医療機関と対立してまで薬剤師の使命を貫く方向に動けないところには、薬局経営への気づかいを感じることがあります。岩田先生のように権限委譲に前向きな医師は珍しいですし。

松原 確かに、病院の中と外では状況が異なるので力関係は出てくるでしょう。ただ、私が大学病院の薬剤部長になった20年前、院内の医師と薬剤師との関係は、今の保険薬局との関係とほぼ同じでした。それが20年足らずの間に変わったわけで、大切なのは変えようとする努力です。それは、勉強すること。医師と話せるだけの知識を持ち、自分たちの武器を使って治療薬物モニタリング(TDM)などから処方の提案をすることで、距離がだんだんに縮まってくる。それは病院薬剤師だけではなく、すべての薬剤師が努力すべき点でしょう。私たちは薬局の薬剤師に働きかけて勉強会を開き、共同研究も行っています。

亀井 勉強して医師との距離を縮め、良好な関係を作り出す。すばらしいですね。

岩田 神戸大学病院では、2012年から抗菌薬適正使用に関してBig gunprojectを行っています。抗菌薬の届け出制度は、申請書を1枚書けばどの薬でも使えてしまうので意味がありません。そうではなく、使用例を追いかけるようにしました。例えば、メロペネムを使っている患者を薬剤師がモニターし、週1回、検査技師と医師と薬剤師でカンファレンスする。3者でカルテをひっくり返し、それぞれの専門的見地からこの抗菌薬が妥当かどうかを議論し、その場で出た結論を主治医に連絡して変えてもらうのです。最初は抵抗されましたが、継続するうちに主治医も自分でいちいち考えるより、アウトソーシングする方が楽なことに気付いてきました。それを病院長名により病院全体でやっています。

亀井 病院全体で取り組まれている点がポイントですね。

岩田 病院長の命令でこのプロジェクトを立ち上げ、薬剤部、検査部、感染症内科、感染制御部がチームで実行する。それで薬剤師はプレゼンスを高めていきました。「薬剤師のアドバイスは役に立つ」ということが、次第に浸透していくのです。つまり、自分でやるより薬剤師に頼んだ方が楽ということで、これをTDMにもスライドさせていきました。一方、外来の疑義照会はうまくいっておらず、今も顔の見える関係にはなっていませんが、先ほど述べたカンファレンスで変えられると考えています。医師も本当はそれを望んでいるはずです。

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