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すべての人に薬の教育を

2017年06月22日 08:00

 みなさん、こんにちは。森 博美と申します。病院薬剤部(大垣市民病院)に38年間勤め定年後、現在はたんぽぽ薬局株式会社に2年間勤務しています。この長い40年間の薬剤師人生での経験から現役の皆さんにお伝えしたいことがあります。

 そんな私の思いを伝えるべく、PharmaTribune読者モニターの皆さんと意見交換しました。一人でも多くの読者の方に響けば望外の喜びです。

 私の思い 薬の教育は全ての人に必要

 かかりつけ薬剤師の条件には地域活動があり、これからはいかに地域住民から信頼される薬局になるかが問われる世の中になってきたと感じます。老若男女が生活に欠かせないものとなっている薬を、正しい知識を持って使用することの重要性が増し、高齢者はもちろんですが、一番大切なのは中学や高校の時期に繰り返し教育することが大事だと考えています。

 高齢者が若いころに薬の教育をきちんと受けていればスムーズに理解でき、誤った使用は少なくなるのではないでしょうか。筆者は、以前から高校生向けの講師バンクに登録しており、すべて学校薬剤師に任せておくのではなく、いろいろな立場で仕事をしている薬剤師が全体となって教育に取り組む必要があると考えています。みなさんのご意見をお聞かせください。

Q1. 読者モニターの皆さんの勤務先では、地域に出て一般生活者に対して勉強会などを開いていますか?

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開催している

  • 健康セミナーを月に2回行っています。テーマは骨粗鬆症や認知症、歯周病など。20~30名程度です。
  • 開催しています。8~10名程度、町と協力して行う場合は100~300名、薬の使い方、副作用について、認知症予防(薬のこと)を実施。 今後、口腔ケアなどを地域の歯科医院と協力して行う予定です。
  • この前ドーピングの学習会を開催しました。残念ながら参加者は身内だけでしたけれど。

開催していない

  • 残念ながらまったくありません、その予定、計画すらありません。 その昔(自営だったころ)商工会青年部の活動の一環でしたがやっていました。
  • まだ、やっていないです。 今後は自分でも何か提案していけたらとは思っています。

Q2.基本的な実務(服薬指導など)以外で、未成年に対して薬の知識や情報を提供する機会はありますか?

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機会がある

  • 今のところ学校薬剤師として実施している状況です。 夏休みの実験教室なども考えてみたいと思っています。
  • 隣接する病院が赤ちゃん同窓会を開催しているので、時々薬の飲ませ方など学習会の講師依頼があります。

Q3.森さんの考えについて、自由に感想をお聞かせください。

賛同します!

  • 薬の教育はかなり重要であると私も思います。確かに未成年のうちから薬に対する正しい知識を知っておくことは、将来的に有用な投資だと考えます。私も機会があれば、行いたいと思います。将来的には未成年だけではなく、広く地域の人々に正しい知識を付けてもらえるような勉強会を開催していけるよう働きかけていきたいと今から考えています。
  • 学校薬剤師が今現在どのような活動をされているかはわかりませんが、忙しい業務と並行で限度があると思います。お薬についての教育に薬剤師がかかわることに賛成します。具体的に森さんはどのように中学生や高校生にお薬についての教育をされているのでしょうか?近くでそのようなイベントがあれば是非お手伝いしたいと思います。
  • 森さんの考えに賛同します。これからは地域に薬剤師がもっともっと出ていかないといけないと思います。誰かに頼まれてではなく、自ら売り込むくらいの姿勢が必要です。どこで働いているか関係なく。増え続けている高齢者への薬の情報提供も重要ですが、中高生への情報提供も重要です。この年代から啓発活動を行えば、薬物療治療の考え方が変わり、薬剤費の削減にも繋がると思います。
  • 面白そうですね、僕は地域包括に向け、中学生、高校生に介護や認知症の地域での対応についての教育を行うことをきっかけに、薬の事、障害(身体・精神)についての理解を深めて行くことを考えています。
  • 子供が中学の頃、「中学生は親が働きに出ている家が多く、熱で寝ていても日中は独り。早く治そうと思って、ドラックストアでルル買って、一気飲みしたら気持ち悪くなった同級生がいた」と話してくれたことがある。 ドラッグやたばこよりも身近な問題だと思った。
  • 薬の教育が進めばセルフメディケーションも進むと思います。医療費削減にも大いに役に立つと思います。大賛成です。

理想論では?

  • ごもっともだが、ただでさえ学ぶことが多い学生の頃に、受験に役に立たない薬物教育を繰り返し教えられるのは、学生の立場では苦痛なのではないか?
  • 理想論でしょう。学校での薬教育は学校薬剤師の職責と思います。学校薬剤師が各地域薬剤師会の会員の中でクローズな選抜方法で決められており、給料泥棒化している感覚が払しょくされない以上、病院薬剤師などがいくら頑張っても限界があるし、思うようにはいかない。

医療費の削減にもつながる

 森です。貴重なご意見ありがとうございます。確かに薬の教育が進めばセルフメディケーションも推進するため、医療費(薬剤費を含む)の削減に大きく関わる可能性があると、改めて認識しました。また、病院在職時代には、かつて中学生に対して職業紹介(中学校に出向き授業)や職場体験(病院薬剤部の見学)を、また現在も小学生以下には、地元薬剤師会との共催でキッズファーマシーを毎年実施しています。残念ながら高校生には、講師バンクの登録はしているもののまだ機会がありません。

 受験のための教育を変えないと、本当の意味での高等教育はできないと思います。社会に役立つ人間教育(健康維持教育も含む)にもっと力を入れるべきでしょう。また、薬剤師間の壁を取り除き、立場の違うもの同士がもっと分かり合う努力が必要です。

コラムコンセプト

大垣市民病院薬剤部(岐阜県大垣市)に38年間勤め定年後、調剤薬局に2年間勤務している筆者。40年間の薬剤師人生で経験したこと、多くの方々との出会いの中で感じたことを通して、現役薬剤師の皆様に向けてメッセージを送ります。メッセージを受け取ったPharmaTribune読者モニターはどう感じたか、読者モニターの意見を受け取った森さんの思いは。読者と執筆者の思いをつなぐ双方向のコラムです。

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