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薬剤師は、もっとアピール上手に

2017年07月13日 08:08

 みなさん、こんにちは。森 博美と申します。病院薬剤部(大垣市民病院)に38年間勤め定年後、現在はたんぽぽ薬局株式会社に2年間勤務しています。この長い40年間の薬剤師人生での経験から現役の皆さんにお伝えしたいことがあります。

 私の思いを伝えるべく、PharmaTribune読者モニターの皆さんと意見交換しました。一人でも多くの読者の方に響けば望外の喜びです。

私の思い 薬剤師は、もっとアピール上手に

 よく薬剤師は、アピールが下手だと言われます。おとなしい性格の人間が集まりやすい職種なのかもしれないですね。今でこそ、薬局のコマーシャルが時折、流れるようになり、薬剤師の職業も少し認知されるようになってきました。これでもまだ不十分であるため、メディアを大いに活用すべきだと思います。ネットやTV・ラジオはもちろん、雑誌や漫画、映画でもいい、もっともっと薬剤師をアピールする必要があるでしょう。

 今、薬剤師は疾病の予防に大きく関わる時代に突入しました。このため地域住民との関わりが極めて大切になってきたため、地域の薬剤師会と協働で薬に関する市民向けイベントを行うことが大切です。

 本来、薬剤師として当然やらなければならない業務、また、必要な業務はたとえ報酬がなくとも取り組むべきです。それに地道に取り組み、成果が出たら積極的にアピールすると良いですね。やがて価値が認められ、結果的に報酬がつくと思います。診療報酬が先に付いて、次に業務が始まることがあまりにも多いのが残念です。

Q1 読者モニターの皆さんが薬剤師の職能をアピールするために実践していることを教えてください。

日常業務でアピールの積み重ね

  • 投薬時のちょっとした雑談から、お薬の説明だけでなく、生活習慣の改善や食生活などのお話もします。
  • アピールまではいかないかもしれませんが、投薬時にOTCや健康食品に関する相談を受けたり病気の相談を受けたりと気軽に相談出来る医療従事者というイメージを持ってもらうように努力しています。
  • 昔から、何かあったら相談してくださいと声はかけている。Drに相談すると料金がかかるが私なら「ただ」(無料)だよと言っています。

地域に出てアピールしています

  • 調剤薬局に薬剤師は処方箋がなくても健康相談を引き受けられることを一般市民に周知するため、道の駅などで年に2回程度、市民向けの健康イベントを実施しています。
  • 学校薬剤師なので生徒さんに授業を通して薬剤師の職能をアピールしています。
  • 薬局が自主的に開催するイベントを通して、なるべくフラットな立場で(業務と思われるとどうしても構えられてしまうので、イベントなどのリラックスできる環境でざっくばらんにお話しすること)薬剤師の職能をアピールします。
  • 地域での患者会で講師を担当することはあります。

専門職向けの講演会でアピールしています

  • 地域のケアマネ力向上会議で薬剤師としてお話ししました。
  • 看護師を対象に医薬品の勉強会を行っています。これにより医薬品に関する相談や勉強会の依頼が増えてきていますので、良いアピールになっていると思います。

Q2 「薬剤師は、もっとアピール上手に」について、どう考えますか?ご意見をお聞かせください。

どんどん取り組みましょう!

  • 医者や看護師と比べて分かりにくいと思います。ひと昔前は病院の隅にあった薬局ですが、近年は病棟にも出かけ、入院患者さんには認知されだしたと思います。市民向けイベントには賛成です。どんどん行うべきです。
  • 疾病の予防に対しての視点はとてもよいと思います。薬剤師は治療だけでなく未病に対しても仕事をしていることをアピールできたらよいと感じました。

自己研鑽・勇気と覚悟が必要

  • アピールを行うためにはベースとなるしっかりした知識が必要となると思います。自己研鑽のための時間に対価がつかないことは多いため、まずは知識をつけて外に出すことができるようにしていきたいです。
  • 薬剤師として必要な業務のひとつに、介護の方との連携があると思います。残念ながら私は1人もケアマネを知りませんし、それぞれの介護施設の特徴も知りません。なので、自信を持って勧めることも、相談に乗ることもできません。地域の介護事情をもっと知るべきだと思っています。
  • 地域貢献したいですが、前に出ることに慣れていない薬剤師は多いと思います。薬局から出ることに戸惑いもあります。若い世代は外に出ることに戸惑いもないと思いますが...。若い力で引っ張る必要があると私は考えます。
  • イベントをするにしても薬剤師会単位、ではなく薬局でもしくは薬剤師個人で動く勇気と覚悟が必要ではないか。
  • 薬剤師の認知度をメディアを使用しないと上げられないのは少し残念に思います。調剤薬局において通常の外来業務で薬剤師についてわかってもらえてないということの裏付けなのかなと...。 患者様が薬剤師に対し何を求めているのか感じとり、今までと異なった対人業務について試行錯誤して、信頼、頼られる薬剤師をアピールしたいと思います。その結果が診療報酬に反映されればいいなと思います。

薬剤師って必要な職業なのでしょうか?

  • 薬剤師という職業自体が、宣伝向けの性質を持っていないのだと思います。クリエイティブな職業ではないのでそういう方面に才能がある人も集まりにくい。 おとなしい性格というより、自分が先頭に立つ性格の人が少ない(そういう人は職業選択の時点で医師になるような気がする)。 薬剤師が主体となるのは、OTC販売ではないかと思うが、そちらは登録販売者がいるので、薬剤師でなくては、という感じではない。 薬剤師でなくてはならない、という職能がはっきりしない、輪郭がはっきりしない職種だと思う。薬剤師でなくてはならない判断が必要とされる機会は少ない。逆に聞きたいです。薬剤師ってそんなに世間に必要な職業ですか?代替のきかない職業ですか? (できる医師や看護師は並の薬剤師と同じことできるでしょ?) 今は報酬として設定がないけれど、薬剤師でなくてはできない業務ってなんですか? 必要な業務ってなんですか?アピールした方がいいのかもしれないけれど、なんというか薬剤師をそれほど特別な職業と思っていないので、実力以上のものを誇大気味にアピールするようで正直にいって気持ち悪く感じます。

いまが踏ん張りどころだと考えて

 森です。貴重なご意見ありがとうございます。

 たくさんのご意見ありがとうございます。すでに多くの積極的な活動がなされていることに安心しました。かかりつけ薬剤師の取得要件に、医療に係る地域活動が入っているため、急にイベントを開催したことも大きいと思います。以前は地域活動への参加は「はずれくじ」を引いた感がありましたが、今は「当たりくじ」に変化しています。きっかけはどうであれ、取り組むことが大切です。何も大きなイベントだけが良いのではなく、それぞれ個人の地道な取り組みが結果的には大きな力となると思います。ただ、薬剤師って必要な仕事でしょうか?との問いかけですが、そう思えば、薬剤師がそうなってしまいます。ここは踏ん張って、今絶好のチャンスが来ていると考え、薬剤師の存在感をアピールし、さらに良い仕事を広げていくことが求められています。抗がん剤や院内製剤の調製、TDMや薬毒物分析など薬剤師にしかできない業務は多いと思います。一丸となって頑張っていきたいですね。

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