新規登録

薬剤師としてできること

2017年08月01日 08:30

ゆうとく薬局 平山 匡彦

「薬剤師?何それ?」「お医者さんが出してくれたから間違いはない」「薬は看護師さんにもらっているから大丈夫。説明は聞いたから他には別に要らない」。これは、二次離島(大離島の周囲に点在する薬剤師の存在しない小離島)に調査に行ったときに、私が実際に住民からかけられた言葉の一部です。皆さんはどのように感じますか?

 私の薬局に1枚の処方箋がきました。持ってこられたのは患者の娘さんで、本人は自宅で寝たきりとのことでした。そこで「お薬は問題なく飲めていますか?」と尋ねましたら、「大丈夫です。私が一粒ずつペンチで潰しながら飲ませていますから」と返事がありました。聞くと、錠剤が飲み込めなくなってきているとのことでした。

 何でこんなことになっているのだろう。私はとても不思議でした。

 処方中には潰してはいけない類の薬剤も含まれていましたので、どうすれば服薬できるかを娘さんと時間をかけて話し合い、医師に連絡をして剤型変更と調剤方法に工夫をすることを提案しました。結果、患者さんからも飲みやすくなったと言われ、娘さんからも楽になったと感謝していただきました。

 このようなことは在宅に行った時もよく遭遇します。錠剤を飲み込めない。分包した袋が破れない。錠剤が取り出せない。舌下錠が溶けなくて口中に残っている。肛門が塞がって坐薬が入らない。皮膚がボロボロで貼付剤を貼るだけで痛い等々。

 処方箋通りに調剤して、添付文書に書いてある通りのことを話すのであれば、別に薬剤師でなくともできるでしょう。使う薬は同じでも、医療の中心には患者がいて、その置かれた環境は様々です。患者に向き合い、患者や介護者の状況を把握し、その意思を尊重した上で医師に対して処方提案をして調剤を行い、服薬指導・管理することは薬剤師にしかできないことだと思います。また、そうでないと「薬剤師は必要ない」と言われる日も、そう遠くないのではないでしょうか。

トップに戻る