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薬剤師が押さえておきたい健康トピックス(2017年12月前半)

2017年08月16日 07:00

8月1日~15日に各メディアで配信された健康情報のうち、「コレは押さえておきたい!」と考えたものを、独断と偏見でリストアップします。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てていただけると幸いです。

運動中の心停止、生存率が2倍以上に AEDが普及

http://www.asahi.com/articles/ASK854RGGK85ULBJ004.html
朝日新聞デジタル 8月7日

POINT:自動体外式除細動器(AED)は、電気ショックによって心停止から回復させる道具ですが、電気ショックが必要かどうかもAEDが判断して、音声で指示してくれるため、「使うべきかどうか迷った場合は使う」のが鉄則です。2015年に改正されたJRC蘇生ガイドラインでも、「普段通りの呼吸が見られない場合、またはその判断に自信が持てない場合は心停止と判断して良い」とされています(参考:死戦期呼吸)。

広がる梅毒、母子感染も 昨年の報告数42年ぶりに4,000人突破

http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201708/CK2017080802000162.html
東京新聞 8月8日

POINT:妊娠中の母子感染で「先天梅毒」になった乳児が増えており、治療しても後遺症が残った事例、死亡した事例も報告されています。梅毒の血液検査は妊婦の定期健診にも含まれています。母子感染を防ぐためには、きちんと検診を受け、治療することが重要です。

流産や胎児の先天異常、ビタミンB3で大幅減 豪研究

http://www.afpbb.com/articles/-/3138909
AFPBB News 8月11日

POINT:このニュースがヒトの妊婦画像と共にYahoo!のトップに表示されたことで、SNSなどでは「ナイアシン(ビタミンB3)」のサプリメントを妊婦に勧めるような動きが起こっています。しかし、まだNAD欠乏モデルマウスで効果が示された段階で1)、一般的なヒトの妊婦に対する有効性・安全性は示されていません。特に、「ナイアシン」の安易な大量摂取は過剰症のリスクになることも併せて伝える必要があります。

※ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド

1)N Engl J Med 2017;377(6):544-552 PMID: 28792876

「胸が大きくなる」はずが...健康被害 「女子力アップにサプリで女性ホルモン」に潜む落とし穴

http://www.sankei.com/smp/premium/news/170809/prm1708090004-s1.html
産経ニュース 8月9日

POINT:女性ホルモンの摂取は癌などのリスクにもなるため、安易な使用は危険です。しかし、サプリメントの場合は「謳い文句」だけを見て「含まれている成分」が何かを知らないまま飲んでいることも少なくありません。薬との相互作用にもつながるため、サプリメントであっても専門家に相談するよう注意喚起が必要です。

【コラムコンセプト】
TV・新聞・週刊誌・インターネット......毎日さまざまなメディアから大量の健康情報が配信されます。それを見た患者さんが「こんな情報を見たけれど、私の治療って大丈夫?」と聞いてきたらどうしますか?医療や薬に関する情報は、命に関わるもの。正確さ、専門性が求められます。薬剤師は薬の専門家として、患者さんの持ち込んだ情報が適切かどうかを判断し、対応しなければなりません。このコラムでは毎月、世間を賑わした健康情報をリストアップし、必要に応じて解説します。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てて頂ければ幸いです。

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【児島 悠史氏 プロフィール】
京都薬科大学大学院修了後、薬局薬剤師として活動。「誤解や偏見によって生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、日々の服薬指導のほか、Webサイト「お薬Q&A~Fizz Drug Information」を運営。医学論文などを情報源とした信頼性のある医療情報や、国民の情報リテラシー向上を目的とする記事を配信。

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