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申し送りを簡便、確実に行おう

2017年08月22日 08:00

このコラムをご覧になっている皆さんにとっては試練の夏休みですね!子どもたちに昼ごはんを作らなければいけないわ、目を話した途端に手を止めて遊び出すのでまったく進んでいない夏休みの宿題に愕然とするわで2学期が待ち遠しい方もいらっしゃることでしょう!

さて、今回のテーマは申し送り。時短勤務や在宅・地域活動など、開局時間内に常駐しているとは限りません。そんな状況でも業務が円滑に進むのには申し送りは欠かせません。

いろいろな背景を抱えて働く人がいる職場だと、それぞれの勤務シフトがバラバラで、申し送りが難しくなりますね。管理薬剤師が全部それを口頭で伝えていたらそれだけで1日が終わってしまいますね。それどころか薬局によっては同じ職場で勤めているのに顔を合わせるのは忘年会のみなんて方もいそうです。

今回は、以下のテーマをお伝えします。

確実に、簡単に実行するために申し送りツールを使う

申し送りノート、どう活用する?

申し送りをする(書く、話す)のも受ける(見る、聞く)のも重点業務と徹底する

profile_miyaq_smallicon.jpg作業がどこまで進んでいるのか分かるようにしよう!

残念だけれども、起こってしまう薬の欠品。スムーズに対応すると患者さんの信頼を得るチャンスにもなります!

薬を欠品した場合に利用できるツールとして、お薬お預かり証(シンリョウ)という市販のものもあります。郵送する(利用業者と配達指定時間帯)、患者さんの自宅に配達するなど記載する場合は、店舗でフォーマットを作ってはどうでしょうか?

当薬局での欠品対応業務の流れ

1.患者さんに接する時にオリジナルの預かり証を用いて対応しています。

記載内容は、患者氏名、連絡先、不足した商品と入荷予定日時、薬をお渡しする手段(宅配便の場合は配達時間帯)、薬代の支払いの有無、入荷時の連絡の要不要、お渡し後の処理、それぞれの担当者名

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2.記載した預かり証と薬袋、「薬が不足しています。入荷後調剤」と書かれた札を一緒にかごに入れます

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3.薬を入荷したら調剤し、通常の外来処方箋を調剤して鑑査するのと同じく所定の場所に置き、鑑査をお願いします

4.鑑査したら、患者さんが後日来局される場合は違う色のかごに入れ替えて、「薬が不足しています。入荷後調剤」と書かれた札を外し、所定の場所に置きます(配達、郵送の場合はそのままお渡し処理)

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欠品だけでなく、予製剤などの作業についても「どこまで作業が進んでいるのか」記載した紙を添付するようにしています。どこまで進んでいるのか分かれば、作業の内容によっては途中から他の人がその作業を進めてもいいようにしています。予製剤の製造記録は責任の明確化だけでなく、作業の進捗を示すツールでもあります。

profile_miyaq_smallicon.jpg申し送りノートを効果的に扱う方法!

スタッフの勤務時間がバラバラな場合、一斉に集まって申し送りをするのは難しいので、申し送りノートを使うことが多いと思います。しかし、現場で運用するに当たって課題も出てきます。

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◆全員が読んでくれるのか?

業務時間内に読むことを徹底します。確実な伝達は業務なので業務時間内の仕事とします。申し送りノートの内容を職場の雑談の話題として、読む時間が取れなかった人にも確実に申し送るのもいいですね。読まなかったことを責めるやり方はハッピーな気持ちがしないので、私は好きではありません。

◆申し送った内容をどう保管するのか?

申し送りの有効期限

1.卸からの薬の納入遅れなど、その場限りの連絡→ノートに書いて読んだら役割を果たす情報なので、保管に関する問題はない

2.ルールの変更など長期的に有効なもの→こちらが問題です!

2.については、後で読み返せることが肝心です!申し送りノートに全て書いてしまうのは二度手間です。

◆内容ごとの仕分け

業務マニュアルの変更/インシデント・医療安全/患者さんへの対応

それぞれ「速報版として申し送りノートに記載」「詳細はそれぞれのマニュアルに記載」というふうに分けるのがベターです。申し送りノートはあくまでも速報としての役割です。また、社内の情報伝達の流れを可視化したものです。

◆雑談も申し送りとする!

ちょっとした患者さんの様子(歩き方、お金の出し方など体の機能の低下や副作用出現の徴候)や、業務での疑問、自分が学習したことなどを話題にしてはどうでしょう。自分の勤務していない時間帯にいつも来ている患者さんの情報や、自分が接していない症例の情報を得ることもできます。

「申し送り」や以前書いた「自身の生活背景」など、業務中の話題がこれだけ豊富ならば、他人の悪い噂などの入り込む余地がなく、職場の人間関係も良くなるのではないでしょうか(多分)。

さて、今回は「薬局の総合力を高める、簡単にできる申し送り術」についてお伝えしました。勤務時間の短い薬剤師でも、薬局に来られる方のことはよく知っているとなれば、地域に選ばれる薬剤師になれるのではないでしょうか。また次回!

【コラムコンセプト】

薬局業界では「在宅」だの「24時間対応」だの言われてるけど、実際に現場で働く人の半分以上は、家庭で大きな役割を果たしている主婦薬剤師。高齢化社会でも子供たちの健やかな成長を見守るのは必要不可欠のはず。なのに、未来をつくる子供たちとその親を支えようという機運が起こらないのはなぜ?薬剤師はワーク・ライフ・バランスを考えてはだめなの?薬剤師だって医療人である前に生活人だ!と疑問に思う日々。主婦ばかりの薬局で、子供とその親の健康を支援する現場で考えた、現場目線のコラム。

【プロフィール】

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大学卒業後、色々な薬局での勤務を経験。現在は小児科の処方箋を多く受ける薬局で管理薬剤師として働く。薬剤師としては中堅どころ。実生活では子どもはいない。子どもの多い職場で働いていた経験が長いのに、未だに子どもが苦手なのが課題。薬局という狭い場所にいながらも、様々な情報や知見を得られるのがインターネットの利点と認識し、活用。それでも、生活の場で得られることはインターネットでは得られないので外にも出る。薬剤師だって生活者であることを意識して、心身ともに穏やかな日々を願って暮らしている。

blog:「くすりや」の「現場」
http://miyaq.hatenablog.com/

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