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薬剤師が押さえておきたい健康トピックス(2017年9月前半)

2017年09月19日 07:00

9月1日~15日に各メディアで配信された健康情報のうち、「コレは押さえておきたい!」と考えたものを、独断と偏見でリストアップします。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てていただけると幸いです。

おたふくかぜによる難聴 2年で300人超

http://www.asahi.com/articles/ASK955QW7K95ULBJ00L.html
朝日新聞デジタル 9月5日

POINT:おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)によって起こる難聴の最大の問題点は、「一旦落ちた聴力は回復しない」ことです。流行性耳下腺炎は、難聴だけでなく髄膜炎などの合併症にも注意が必要なことから、重症化を防ぐためのワクチン接種が大切です。

「漢方」の大嘘

http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/backnumber/20170907/
週刊新潮 9月7日

POINT:週刊誌がこの記事を載せる意図はわかりませんが、いまだに「漢方薬=副作用のない薬」と思い込んでいる人がいることに注意が必要です。この次の号でも、第二弾として「横紋筋融解症」と思われる副作用について「筋肉が溶ける!」といった見出しで不安を煽っています。敢えて薬局内に置き、患者から直接質問を受けるというのも手かもしれません。

「風邪には抗生物質を使わないことを推奨します」 耐性菌抑制へ 厚生労働省が手引作成

http://www.sankei.com/smp/life/news/170912/lif1709120034-s1.html
産経ニュース 9月12日

POINT:厚生労働省が今年行った調査では、全体の4割の人が「抗菌薬はウイルスをやっつける」「風邪やインフルエンザに抗菌薬は効果的だ」などの誤った回答を選んだという結果が出ています。薬局でも「なぜ抗菌薬が出ていないのか?」と患者から聞かれることは少なくありませんが、細菌とウイルスの違いを説明するなど、きちんと納得させられる返答が必要です。

知らないともったいない「かかりつけ薬剤師」

http://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2017/09/0912.html
NHK おはよう日本 9月12日朝7時放送

POINT:NHKの朝のニュース番組で、「かかりつけ薬剤師」についての報道がありました。概ね好意的な、周知徹底を目的とした放送内容だったため、今後問い合わせが増える可能性があります。また、薬の重複防止や残薬調整などは「かかりつけ薬剤師」に限らずどこの薬局でも既に行われていることなどは、制度と一緒に知ってもらうべきだと思います。

ネットの育児情報、どう見分ける?

http://www.asahi.com/articles/SDI201709022800.html
朝日新聞デジタル 9月4日

POINT:薬剤師は偏った医療情報には敏感でも、育児情報のチェックまでは手が回らないことがあります。しかし、育児に関しても非常に不確かな情報が出回っていることは知っておく必要があります。偏った情報を何度も繰り返して目にしていると、それが普通で正しい情報のように思ってしまうため、ポスターなどを利用して、当たり前のことでも正確な情報に触れる機会を増やすことは大切です。

【コラムコンセプト】
TV・新聞・週刊誌・インターネット......毎日さまざまなメディアから大量の健康情報が配信されます。それを見た患者さんが「こんな情報を見たけれど、私の治療って大丈夫?」と聞いてきたらどうしますか?医療や薬に関する情報は、命に関わるもの。正確さ、専門性が求められます。薬剤師は薬の専門家として、患者さんの持ち込んだ情報が適切かどうかを判断し、対応しなければなりません。このコラムでは毎月、世間を賑わした健康情報をリストアップし、必要に応じて解説します。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てて頂ければ幸いです。

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【児島 悠史氏 プロフィール】
京都薬科大学大学院修了後、薬局薬剤師として活動。「誤解や偏見によって生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、日々の服薬指導のほか、Webサイト「お薬Q&A~Fizz Drug Information」を運営。医学論文などを情報源とした信頼性のある医療情報や、国民の情報リテラシー向上を目的とする記事を配信。

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