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【薬剤師のためのEBM実践】教えて、ニンジャ先生!興味深い論文の見つけ方

2017年09月20日 09:30

こんにちは、皆様ご機嫌いかがでしょうか。

当コラムも5回目を迎え、読者の方から質問が寄せられました。ありがたや。ということで、今回は予定をちょっと変更して、その質問に答えてみたいと思います。 まずは質問の内容をご紹介させていただきます。

「あまり薬を処方しない処方元の門前薬局に勤めているため、論文を読もうにもどんな内容を読めばいいか思いつかないことが多いです。どうやって興味深い論文のテーマを調べていますか?」

まず簡潔にお答えするならば、思いつかなければ読まなくても良いと私は思います。

臨床医学論文を読むということ以外にも、薬剤師として学ぶべきことは他にも沢山あります。もし、必要に迫られていないのであれば無理に論文を探して読む必要はありません、その他の勉強等を優先させるということで良いのではないかと思います。

しかし、折角興味を持ってコラムを読んでくれている方に対して、これではあまりにも冷たいような感じもします。そこで、「興味深い論文」の探し方について私なりの能動的な方法・受動的な方法について紹介したいと思います。

能動的な論文の探し方

まずは能動的な方法ですが、薬局業務を行っている際に、薬物治療や生活習慣などについて臨床的な疑問が生まれた場合は、「Pubmed」を使って論文を検索しています。

Pubmedとは、米国国立医学図書館内のNCBIが運営する、世界の主要医学系雑誌に掲載された論文を調べることができるデータベースのことです。実際にどのように検索するかはまた別の機会に書きたいと思いますが、このデータベースを利用して臨床疑問に関連した論文を探しています。

その他に、毎日お昼休みの時間を利用して、世界五大医学雑誌(New England Journal of Medicine、The Lancet、Annals of Internal Medicine、British Medical Journal、Journal of the American Medical Association)を含めた有名ジャーナルを、お昼ご飯(主に菓子パン)を食べながらウェブで軽くチェックしています。

そして、ジャーナルを一通りチェックし終えたら、次は薬剤師が書いているブログをチェックします。

実は、有名ジャーナルをチェックして、最新の論文を追っていても、実際に活用できる論文を見つけることはそれほど多くはありません。

しかし、他の薬剤師が興味を持った論文であれば、自分にとっても興味深く、仕事に活かせる論文である可能性が高いため、論文の要約やレビューなどを行っている薬剤師のブログを見て参考にしています。最近では、論文情報を扱った薬剤師のブログが増えてきているため、そういったものから興味を惹かれる論文を探してみると良いかもしれません。

受動的な論文の探し方

これは主にSNSを活用した情報収集です。SNSと言っても私の場合は主にTwitterです。

論文情報について発信しているアカウントを見つけてフォローすることで、自動的に論文情報が手に入ります。こちらも、最近は論文情報を発信している薬剤師のアカウントが非常に増えてきたので、この方法で興味深い論文を見つけることができるかもしれません。

以上が私の主な情報取集の仕方ですが、英語文献を自ら探しに行くというのは、はじめはとても難しく感じられるかもしれません。まずはSNSやブログを活用して、興味深い論文を見つけるところから始めてみることをお薦めします。

さて、質問された方は「あまり薬を処方しない医療機関の門前薬局に勤めているため、どんな内容の論文を読めば良いのかわからない」とのことでしたが、薬物治療に関する論文以外にも、薬剤師として仕事に活用できるような論文は沢山あります

例えば、生活習慣やサプリメント・健康食品などについて検討されている論文です。また、実際に仕事に活用できるかは怪しいですが、患者さんとの話のネタになるような論文も多くあるので、私がブログで取り上げ、印象に残ったものについていくつか本記事の最下段で紹介しておきます。興味を惹くものがあれば、そのテーマについて改めて自分で調べてみるのも良いかもしれません。日常の業務の中で、テーマを見つけるきっかけになれば幸いです。

「どんな内容の論文を読めば良いのかわからない」と感じている方は他にもいるかもしれませんが、保険薬局での日常の業務の中には実にさまざまな臨床的な疑問が潜んでいます。しかし、意識しないとそこに疑問があることにも気付かないものなのかもしれません。

では、どのように意識すべきかというと、当たり前だと思っていることこそ疑ってみることが重要だと私は思います。常識だと思っていることを疑い、改めて妥当性の高い情報を調べてみることできっと新たな発見があることでしょう。

まずは、「疑う」ことから始めていきましょう

最後に、薬剤師のブログやアカウントを探す方法ですが、まずは私のTwitterアカウントをフォローしていただければ、そこから辿っていけると思いますので、是非フォローをよろしくお願いします!とステマをして今回は終わりにしたいと思います(いつも優しい編集Sによるツッコミ:ニンジャ先生、ここまで堂々とされると「ステマ」とは言わないと思います)。

薬物治療以外のテーマで印象に残った論文(ニンジャ先生のブログへ飛びます)

  1. 何時間くらい寝れば長生きできますか?
  2. 疲労は寿命を縮めますか?
  3. 猫を飼い、休日は礼拝に行くという生活はいかがでしょうか?
  4. アルツハイマー型認知症になりにくい生活習慣とは?
  5. 高齢者は転倒による骨折予防のために運動した方が良いですか?
  6. 低炭水化物ダイエットは他のダイエット法と比較して減量に対して効果的か?
  7. 手洗いへの介入で呼吸器感染症リスクを低下させられるか?
  8. チアシードで痩せる事はできますか?~case4
  9. 多面的な介入で認知機能低下の予防ができるか?
  10. 食事で心血管イベントのリスクを減少させることが出来るのか?

【コラムコンセプト】

論文を読む必要性は理解しているものの、保険薬局においてどのように論文情報を活用すれば良いのかわからないといった意見を聞く事が多い。当コラムでは、実際に論文情報を活用した例および現場でいかにEBMを実践していくべきかについて筆者の考えを紹介することで、一人でも多くの薬剤師が現場でEBMを実践できるように執筆していく所存である。また、薬剤師と忍者の関係性についても機会があれば触れていきたい。

【黄川田修平氏 プロフィール】

kikawada.jpg大学卒業後、保険薬局に勤務。就職後、数年間は自分の仕事が患者のためになっているのか悩みながら仕事をしていたが、EBMと出会い、実践できるようになれば患者のためになる仕事が出来るのではないかという思いから独学で学ぶ。以降、EBMの実践を模索しながら薬局で仕事をしている。また、NPO法人AHEADMAPに所属し、臨床医学論文のような妥当性の高い情報の入手と吟味ならびに活用のための知識や技術を普及するための活動も行っている。

ブログ → 【薬局薬剤師の記録的巻物】

Twitter → https://twitter.com/ScreamTheYellow

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