薬剤師目線で考える 今月、世間を賑わした健康情報

9 月後半の押さえておきたい健康情報

  • 2017年10月03日公開
  • (2017年10月03日更新)

9月16日~30日に各メディアで配信された健康情報のうち、「コレは押さえておきたい!」と考えたものを、独断と偏見でリストアップします。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てていただけると幸いです。

急増!カフェイン中毒~相次ぐ救急搬送、いま何が

https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4036/index.html
NHKクローズアップ現代+ 9月21日

この5年間で「カフェイン中毒」による救急搬送は101人、うち3人が死亡したとされています。その平均年齢は25歳。特に若者の間では受験や仕事の「必需品」のように扱われていることに警鐘が鳴らされていました。番組内では成人でも一度に200~1,000mgを摂取すると中毒症状が出る恐れがあると紹介されていましたが、その危険性はまだ十分に知られているわけではありません。繰り返し注意喚起が必要です。

「ヒルドイド」やはり処方は急増...医療費60億円押し上げ 「美容目的」使用広がる?

http://answers.ten-navi.com/pharmanews/11398/
AnswersNews 9月22日

Googleなどのウェブ検索、FacebookやTwitterなどのSNSで「ヒルドイド」と検索すると、美容目的での使用を勧める特集や体験談がたくさん表示されます。このままの状況が続けば、保険から外れるなど本来薬を必要とする人の元に届かなくなる可能性もあります。モラルに訴えるだけでは限界がありますが、医療を提供する側も国民皆保険の維持に対してコスト意識をもっと持たなければなりません。

薬の飲み過ぎご用心 ふらつき、転倒...副作用相次ぐ 病院ごとに重複処方も 薬剤師ら警鐘「お薬手帳は1冊に」

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/medical/article/361222/
西日本新聞 9月25日

確かに多剤併用は副作用のリスクになりますが、「必要な薬の組み合わせ」と「不必要な薬の重複」は、明確に区別して対応する必要があります。単に「薬の錠数が多い」ことを嫌い、自己判断で必要な薬を飲まなくなってしまうことは問題です。服薬指導時に薬の多さが話題になった際には、薬ごとの重要度を理解しているかどうかも改めて確認する必要があります。

自然療法でがん治療とうそ、本出版などで荒稼ぎの豪ブロガーに罰金3600万円

http://www.afpbb.com/articles/-/3144754
AFP BB NEWS 9月28日

標準療法を否定する書籍や、根拠のない治療法を勧める書籍は書店にたくさん陳列されています。こうした書籍が売れる理由の1つに、難しいデータの話ではなく、患者の不安や不信という感情に「ひたすら寄り添う」ことから話が始まる点が挙げられると思います。この強い共感・寄り添いの姿勢は、医療従事者として見習うべきものかもしれません。

【コラムコンセプト】
TV・新聞・週刊誌・インターネット......毎日さまざまなメディアから大量の健康情報が配信されます。それを見た患者さんが「こんな情報を見たけれど、私の治療って大丈夫?」と聞いてきたらどうしますか?医療や薬に関する情報は、命に関わるもの。正確さ、専門性が求められます。薬剤師は薬の専門家として、患者さんの持ち込んだ情報が適切かどうかを判断し、対応しなければなりません。このコラムでは毎月、世間を賑わした健康情報をリストアップし、必要に応じて解説します。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てて頂ければ幸いです。

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【児島 悠史氏 プロフィール】
京都薬科大学大学院修了後、薬局薬剤師として活動。「誤解や偏見によって生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、日々の服薬指導のほか、Webサイト「お薬Q&A~Fizz Drug Information」を運営。医学論文などを情報源とした信頼性のある医療情報や、国民の情報リテラシー向上を目的とする記事を配信。

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