産婦人科から薬剤師さんへ

ホルモンの不思議

  • 2017年10月11日公開
  • (2017年10月11日更新)

北海道大学病院 婦人科 小林範子

A子さんは、40歳代のピアノ教師。
外来へやってきたのは、前医への不信感からだった。
最近、A子さんは月経困難症(いわゆる月経痛)がつらく、
月経時には胃が痛くなるほど大量の鎮痛薬を服用していた。
通常の3倍ぐらいの量に相当する。
原因となる明らかな婦人科の疾患はなく、合併症もない。
ピルを試してみたが、続かなかった。
そして、前医でIUS(Intra Uterine System、子宮内避妊システム)、
いわゆる避妊リングであるミレーナ®を勧められたのだった。

ミレーナ®には黄体ホルモン(レボノルゲストレル)の
薬剤放出部が付加されており、
子宮内に黄体ホルモンが持続的に放出される。
黄体ホルモンが子宮内膜に直接作用し、
子宮内膜の増殖を抑えて子宮内膜が薄くなることで、
避妊効果だけではなく、月経量が減少する。
その結果、月経困難症や過多月経の症状が緩和し、
一度装着すると、最長で5年間効果が持続する。
費用対効果の高い治療法である。

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