新規登録

在宅活動のピットフォール -Case14-

2017年10月13日 12:32

薬剤師の在宅活動に関する素朴な疑問を取り上げてきた本コーナー。なんとなく在宅活動が分かってきたけれど、いざ実践となると、「唐突なハプニングに対応できる自信がない」という初心者の方もいるのでは。実際の活動で起こりえる落とし穴(ピットフォール)を事例に挙げ、その対応方法、解決策を探っていきます。

ケアマネにとって医師は恐れ多い存在?

ケアマネジャーが「医師が恐れ多くて、とても緊張してしまう」と言っていました。薬剤師として、ケアマネと医師との間をつなぐ役割を果たせないかと考えています。ケアマネや他職種と医師の橋渡しをした経験、エピソードを教えてください。

01_PT94_fukuti.jpg

介護職と医療職の橋渡しは薬剤師が

 薬剤師は、ケアマネだけでなく介護職と医療職との橋渡しの役割を果たせると思いますし、そうなれるように努めなければならないと感じます。「恐れ多い」という意識をなくしていかないと、在宅チームが患者を囲む輪になれずに終わってしまうでしょう。
 患者が自転車に乗っている姿を思い浮かべてください。大げさな例えかもしれませんが、在宅活動は、その自転車の前輪・後輪を介護職と医療職で動かしていくイメージです。薬剤師は車輪でありながら、それぞれをつなぎ合わせるチェーンの役割も担えると思います。

〈エピソード〉口腔内崩壊錠を提案

介護職の方から「口の中に薬が残って服用できていないことがある」との連絡を受け、薬を検討して口腔内崩壊錠への提案を医師に伝えました。

042_PT94_watanabe.jpg

日常的にケアマネから相談を受ける 

 ヘルパーや看護師から患者の情報が集まってくると、ケアマネは「薬で対応できないか」と考えることもあります。でも、なかなか医師には言い出しにくい。思い悩んだ結果、意を決して医師を訪問し状況を説明すると「そんなこと言われたくない」といった雰囲気を感じてしまう...と聞いたことがあります。
 最近では、忙しい医師には話しにくいけれど薬局ならハードルが低い、というケアマネから、「ヘルパーがこんなことを言っているんですけど...」などの情報が入るようになりました。次の訪問時に確認すれば問題なさそうな場合は、訪問後に作成する報告書に記載して医師につなぐ、緊急のときはできるだけ早く様子を見に行って、医師に処方を依頼する。こういったことが日常的になりました。痛みや排便困難、発熱など、薬剤師の橋渡しが必要となるケースにはさまざまな種類があります。

03_PT94_oguro.jpg

薬を軸にして他職種をつなぐ役割 

 ケアマネが医師を恐れ多いと感じている例には、会ったことがありませんが、全般的に医師には意見しにくいと感じている方が多いようです。私が関わっているチームは、自然とそれぞれの意見が言えています。
 ケアマネは患者さんの生活に視点を当てて考え、患者さんのために私たちをコーディネートする役割です。各職種は専門知識を基にそれぞれがチーム全体をつないでいると思います。薬に関しては、薬剤師である私が積極的に他職種と医師の間をつなぎ、それぞれの職種が分かりやすいように説明するなどの対応をしています。患者のケアに関する内容については、看護師がつないでいきます。
 各職種が、日頃から意見を言いやすいような関係を作っておくことが必要だと思います。

02_PT94_zoga.jpg

介護職にとって医師は絶対的な存在

 ケアマネではなく、その他の介護職の話です。介護支援専門員研修を受講したときに、グループワークでいろいろな介護職の方と話す機会がありました。そこで感じたのは、介護職の方にとって医師は絶対的な存在だということでした。介護職の方から、「医療は専門じゃないから下手なことを言えない。失礼に当たるのではないかと考えてしまう」と聞きました。「そんなときはぜひ薬剤師を使ってください。薬剤師は医師にあれこれ言うことに慣れているので、お力になれると思いますよ」と伝えたところ、「薬剤師さんになら話せるかな」と言ってくれました。
 ただ、医師に限らず医療職とのコミュニケーションは、介護職にとって全般的にハードルが高いようです。こちらの方から困っていることや悩みがないかどうかを聞く姿勢を持って、接していくことが大事だと思います。

トップに戻る