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薬剤師が押さえておきたい健康トピックス(2017年10月前半)

2017年10月16日 07:00

10月1日~15日に各メディアで配信された健康情報のうち、「コレは押さえておきたい!」と考えたものを、独断と偏見でリストアップします。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てていただけると幸いです。

南果歩 抗がん剤ストップ中と明かす

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201710010000889.html
日刊スポーツ 10月3日

乳がんの啓発を目的とするシンポジウムで、標準医療を否定する発信をしたと話題になっています。科学的根拠に基づき、現段階で最も信頼できる選択肢である標準医療であっても、100%の効果が得られるわけではありません。そのため、望むと望まざるとに関わらず、効果や副作用の兼ね合いから「抗がん剤」をストップすることは誰にでもあり得る話です。しかし、サプリメントは標準医療の代わりにはなり得ません。医療に関わる情報は多くの人の不安に直結する情報です。情報を受け取った人が「どういったことを考え、どういった行動に出るのか」ということまで考え、誤った選択を助長させることのない、責任感ある情報発信を呼びかけていく必要があります。

「えひめ国体」参加選手に医療機関が禁止物質処方

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171009/k10011172931000.html
NHK NEWS WEB 10月9日

自己判断で医薬品や海外製のサプリメントを使ったというわけではなく、医療機関を受診した際にドーピングの禁止薬物を含む薬剤が誤って処方されてしまった、という事例です。医師会や病院に注意喚起を行ったとありますが、こうしたトラブルは薬剤師の介入で防げるでしょう。医療機関や選手からの相談には、いつでも答えられるよう準備しておくことが必要です。

皮膚乾燥症にヒルドイドやワセリンのみ処方する場合、保険給付から除外せよ-健保連

http://www.medwatch.jp/?p=16181
メディ・ウォッチ 10月10日

美容目的で医薬品が使われるケースが横行し、医療費を圧迫している話題を先月取り上げましたが、こうした動きを受けて「必要性の高い患者」に限定して保険給付すべきである、とする見解が出ています。「抗ヒスタミン薬と同時処方されていない場合には保険外とする」ことで約93億円削減できる、という案が提示されていますが、保湿剤を出すために抗ヒスタミン薬と抱き合わせで処方されるケースが増えてしまうのではないか、という声もあがっています。

医薬系企業も根拠のない「免疫力記事」 医師の発言、確認せず鵜呑み

https://withnews.jp/article/f0171013002qq000000000000000W05x10701qq000015981A
with news 10月13日

「体温が1度下がると免疫力が30%下がる」という根拠のない情報が医薬品や健康機器を扱う企業のWebサイトにまで掲載されていたことが問題になっています。テレビや雑誌では頻繁に「免疫力」を扱う特集が組まれ、非常に馴染みのある概念になってしまっています。病院や薬局で一般向けの資料を作る際にも、こうした漠然とした言葉を使ったり、根拠のない情報を載せてしまったりしないよう、注意したいところです。

【コラムコンセプト】
TV・新聞・週刊誌・インターネット......毎日さまざまなメディアから大量の健康情報が配信されます。それを見た患者さんが「こんな情報を見たけれど、私の治療って大丈夫?」と聞いてきたらどうしますか?医療や薬に関する情報は、命に関わるもの。正確さ、専門性が求められます。薬剤師は薬の専門家として、患者さんの持ち込んだ情報が適切かどうかを判断し、対応しなければなりません。このコラムでは毎月、世間を賑わした健康情報をリストアップし、必要に応じて解説します。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てて頂ければ幸いです。

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【児島 悠史氏 プロフィール】
京都薬科大学大学院修了後、薬局薬剤師として活動。「誤解や偏見によって生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、日々の服薬指導のほか、Webサイト「お薬Q&A~Fizz Drug Information」を運営。医学論文などを情報源とした信頼性のある医療情報や、国民の情報リテラシー向上を目的とする記事を配信。近著は、「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」。

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