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番外編!第50回日本薬剤師会学術大会参加レポ(前)

2017年10月20日 08:00

今回は番外編!2017年10月8、9日に開催された第50回日本薬剤師会学術大会参加レポートです。前後編でお送りします。

年に1回開催される、薬剤師の祭典「日本薬剤師会学術大会」。毎秋、全国どこかで持ち回りで開催されます。Twitterでは「薬剤師界のフェス」「薬剤師界のコミケ」というツイートがありましたが、言い得ています。

今回は記念すべき第50回大会!

会場は東京駅からほど近い、東京国際フォーラムとJPタワーホール&カンファレンスでした。開催式典では安倍晋三内閣総理大臣が来賓としてあいさつされたそうです。首相の参列は大会史上初めて!

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前編の内容は下記です。

その1. 参加者なら知っておきたいTips

その2. あれこれ聴講しましたよ!

profile_miyaq_smallicon.jpgその1. 参加する上で知っておきたいTips

1. 事前に参加するものを決めておこう

参加者それぞれが自分の興味ある演題を聴講するスタイルなので、事前にスケジュールを組んでおくことをオススメします。初日のランチョンセミナー、2日目のブランチセミナーは事前予約で満席になりました。また、今回は事前登録制のセミナーが多かったので、興味がある場合は早めに予約をしましょう。

2. 必要なのは体力!特に足腰の強靱さ

学術大会は広い会場で開催されるので移動が多いです。履き慣れた靴での参加を強くオススメします。翌日、両足のふくらはぎが筋肉痛になり、起き上がるのも大変な状況になりました。特に今回は会場内での上下の移動が多かったです。もう1つの会場であるJPタワーホール&カンファレンスへの移動は「東京駅ダンジョン」が含まれ、迷子になる人が続出していました。買い物客でごった返す中、多数の薬剤師が名札を付けて歩く光景は異様でした。ドレスコードは明示されていませんが、スーツ、もしくは参観日に行く時のようなスタイルが望ましいです。何度でも言います、足元は履き慣れた靴!

※ダンジョン:ロールプレイングゲーム(RPG)に登場する迷宮。dungeon=牢獄

3. 地方から参加する方にはうれしい書籍展示

この手の大規模な学会では書籍の販売があります。薬学関係の書籍が一同に集まるので、普段は通販で購入している方や書店が遠いところにある方には、実際に手に取れるチャンスです。しかも、送料無料のサービスが行われる書店もあるので、欲しい本がたくさんある方も安心して購入できます。クレジットカードも使用できますよ!

なお、PharmaTribuneウェブで連載の「薬剤師目線で考える 今月、世間を賑わした健康情報」の児島悠史氏の著書『薬局ですぐに役立つ 薬の比較と使い分け100』の先行販売も行われ、ものすごい売れ行き!先行販売分が売り切れていました。

4. 荷物の量と相談しよう

機器展示ブースでは、レセコン、調剤機器、医薬品企業など、さまざまな企業がブースを出展していました。いろいろパンフレットやサンプルをもらえるのですが、荷物が重くなるので帰りの荷物の運搬計画を勘案して訪問することをオススメします。

5. 質問したいことがあれば、どんどん質問しよう!

口頭発表とポスター発表があります。全国津々浦々の薬剤師から普段の取り組みについての発表が行われるので、身近で興味関心をそそられるものが多いです。日ごろの自分の業務に取り込むにはどうすればよいのか、質問もしやすいと思います。口頭発表は発表の直後、ポスター発表はあらかじめ決められた時間に発表者に質問ができます。

特に、ポスター発表はマンツーマンで直接話ができ、名刺を渡して今後の交流にもつなげられます。

学術大会は交流の場でもあります。ネット上で知り合った薬剤師の方々と直接対面する機会が多かったです。やはりここが東京だからでしょうか。会場の内や外で対面で話ができる機会が取れるのも、大きな規模の学術大会の特徴です。夜も飲んでいた人がいるとかいないとか。ネットに上がっていない情報の価値が高くなっている今、直接会って話をすることで、化学反応のように新しいものが生まれるかもしれません。

profile_miyaq_smallicon.jpgその2. あれこれ聴講しましたよ!

実際、どんな発表があったのか、少し紹介します。

◆ 分科会21 かかりつけ薬剤師に役立つ情報管理とは

医薬品の情報を集め、それをどうカスタマイズするかについての分科会でした。新しい添付文書の書式への対応法や、市販薬と医療用医薬品での添付文書の違い(同じ薬でも対象となる患者さんは変わってきます)、インターネットに掲載している公式の医療情報の活用方法、それらのツールを使って、目の前の患者さんの求める情報を提供するためにどのように加工していくのかについて、一連の流れでそれぞれのパネリストが発表しました。

話題になったことを要約すると...

・完全ではないとはいえ、添付文書は基本的な文書。問い合わせをする場合は、まずは添付文書を読んでから。

・添付文書もネットで検索できるので、薬学的な解釈を付けることで薬剤師が関与する価値が生まれる。リスクを定量化するのが薬剤師の役割。

・同じ成分であっても、市販薬と医療用医薬品では使用できる人の範囲が違う。違いが生じている理由を理解できるのは薬剤師。

・集めた情報が目の前の顧客・患者に当てはまるかどうか吟味しなければならない。そのためには顧客・患者との関係性構築は必須。

・知識をベースにアセスメントやファーマシューティカルコミュニケーションなどのスキルと、患者さんの情報を得るツールを利用して、治療の個別化を図る。

◆ ポスターセッション 湿布薬70枚制限と処方量の変化

この話題について、いくつかのポスター発表がありました。

湿布薬70枚制限によって病院での湿布薬の処方量は減った。ただし、塗布剤など他剤形の消炎鎮痛剤の処方量の変化までは調べていないとのこと。また、患者が他科の医師に処方を求めていると思われる傾向もある。もしかしたら、他院で処方してもらっている可能性は否めない、といった報告でした。

その他、今回は「かかりつけ薬剤師」「ポリファーマシー」の話題が目立ちました。

それでは後編に続きます。

【コラムコンセプト】

薬局業界では「在宅」だの「24時間対応」だの言われてるけど、実際に現場で働く人の半分以上は、家庭で大きな役割を果たしている主婦薬剤師。高齢化社会でも子供たちの健やかな成長を見守るのは必要不可欠のはず。なのに、未来をつくる子供たちとその親を支えようという機運が起こらないのはなぜ?薬剤師はワーク・ライフ・バランスを考えてはだめなの?薬剤師だって医療人である前に生活人だ!と疑問に思う日々。主婦ばかりの薬局で、子供とその親の健康を支援する現場で考えた、現場目線のコラム。

【プロフィール】

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大学卒業後、色々な薬局での勤務を経験。現在は小児科の処方箋を多く受ける薬局で管理薬剤師として働く。薬剤師としては中堅どころ。実生活では子どもはいない。子どもの多い職場で働いていた経験が長いのに、未だに子どもが苦手なのが課題。薬局という狭い場所にいながらも、様々な情報や知見を得られるのがインターネットの利点と認識し、活用。それでも、生活の場で得られることはインターネットでは得られないので外にも出る。薬剤師だって生活者であることを意識して、心身ともに穏やかな日々を願って暮らしている。

blog:「くすりや」の「現場」
http://miyaq.hatenablog.com/

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