新規登録

在宅専門から街角相談薬局へ

2017年10月24日 09:00

 2009年11月、在宅支援への熱い想いと、不安で胸が押しつぶされてしまいそうな複雑な気持ちの中、『在宅専門薬局』としてつぼみ薬局をOPENしました。そのうちに縁あってPharmaTribuneへ寄稿させていただくこと39回!日常業務のあれこれを生意気にも何かのお役に立てれば...と、書き綴りました。最終回から3年余りの間で、薬局を取り巻く環境に大きな変化がありました。そこで今回からは、9年目を迎えたつぼみ薬局からみる「地域包括ケア」の中で薬剤師としてどのように貢献していこうと思っているのか、エピソードと共にお話させていただこうと思います。

 それに先立ち、今回は『在宅専門薬局』から『街角相談薬局』とつぼみ薬局を営む上での心構えが変遷した経緯をお話します。

 2009年に開局して間もない某日、「往診に来てもらい、薬はこれまで自転車で15分のところにある薬局まで取りに行っていたが、これからここでもいいか?」とご近所第一号の患者さんが来局されました。70代の夫を介護する女性です。その後も広域の処方箋を当薬局へ持ってこられる方、毎日ドリンク剤を購入しては30分近くおしゃべりしていかれる方...など、少しずつご近所の患者さんが自宅近くにできた薬局を便利に使ってくださるようになりました。また、ある患者さんに「医者がホームドクターなら、あなたは私のホームファーマシストじゃ」と言っていただき嬉しく思ったこともありました。

 しかし、当初は近隣の方の来局は想定しておらず、戸惑いもありました。この考えを改めるきっかけをくれたのは亡母です。終末期だった2013年3月、近隣のクリニックへの通院が困難になり、主治医に往診していただくことになりました。初めての往診日、庭で満開に咲く梅の花を「綺麗と言ってもらった」とはしゃぎ、微笑む母の顔を忘れることができません。一方、同時期に開始となった訪問介護サービスの見知らぬ顔に囲まれベッド上での不安そうな表情も記憶に残っています。この経験から、「家に来てくれるのは、馴染みの人がいいに決まっている!」ということに気付きました。

 以上のような日々の積み重ねの中で、地域の中での立ち位置を模索していた2015年10月に国が『患者のための薬局ビジョン』を策定し、「かかりつけ薬剤師から在宅への移行が自然な流れ」ということに気付き、これに沿った薬局を目指そう!と考えるようになったのです。

【コラムコンセプト】

ケアマネとしても薬剤師としても在宅活動を長く続けて筆者が、地域包括ケアの中でどのように薬剤師として貢献していくか、日々のエピソードとともに綴っていきます。

【角山美穂 プロフィール】

2009年11月、「在宅専門薬局」と言う想いでつぼみ薬局を開局。当初は、併設した「つぼみ薬局居宅介護支援事業所」の介護支援専門員として居宅を訪問したり、「つぼみ薬局」の訪問薬剤師として活動。現在は「街角相談薬局」という立ち位置で活動中。

トップに戻る