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勝手に提案!「親子のための小児専門薬局ビジョン」

2017年11月02日 08:00

 こんにちは!秋も深まってきました!芸術の秋、スポーツの秋と言われますが、私はもちろん食欲の秋です!秋に限りませんけれども。

「患者のための薬局ビジョン」で提案されていた「高度薬学管理機能」では、"専門的"な薬物療法について「がん、HIV、難病」の患者さんに対しての専門的な薬学的管理であると具体的に例示し、高度薬学管理機能を有する薬局では、専門医療機関と連携して行うとされています。

 でも、薬局の専門性って、おそらくそれらだけではないですよね。

 そこで今回は「小児とその親が安心して健康相談できる窓口」としての「小児専門薬局」を妄想してみました。親子連れで安心して外出できる場所、そして時には子供だけでも足を運べる場所としての薬局の役割、どんなものがあるでしょう?

profile_miyaq_smallicon.jpg薬局を、子連れでも気兼ねなく出かけられる場所に

待合室全体をキッズスペースに

 子供を連れて外出する時、わが子が粗相をしないか、危険なものはないかと保護者は気が気でなりません。そんな保護者が一息つくのがショッピングモールのキッズスペース。そこには親子連れしかいないので、多少の粗相はお互いさま。遊具も安全に配慮したものを設置しているので、スペースから飛び出さない限りは安心です。

 薬局にもキッズスペースがあるところは少なくありませんが、薬局の待合室全体をキッズスペースにするのも一案です。

トイレや多目的個室も

 トイレは親子で入れるように面積を広く取ります。中でおむつを替えられるようにベッドを設置。待ちきれないお子さんもいるので、できればトイレは複数あるといいですね。

 さまざまな用途に使える個室を待合室に設置。授乳での利用が多いですが、坐薬や浣腸を使用する時や、その使用方法の指導にも使えますね。

スタッフが目を光らせる

 ショッピングモールに比べて薬局の面積は圧倒的に狭いです。だからこそできる薬局特有のサービスがあります。実際に当薬局で行って好評を博したサービスとして「親がトイレに行っている間、スタッフがお子さんの面倒を見る」というのがあります。

 年上のお子さんがまだ1人ではトイレを使えない場合や、親御さん自身の体調が悪い場合に、スタッフが年下のお子さんの相手をしたり、見守ったりします。店舗にその旨を掲示するだけで簡単に始められます。もちろん、人員がギリギリの状況では難しいですが、設備は不要です。子育ての経験のあるスタッフにはうってつけの役割になりますよ!

WiFiサービスも

 薬が出来上がるまでの待ち時間にスマートフォンでお子さんにお気に入りの動画を見せる親御さんが増えてきました。ちまたでは"スマホ育児"などと批判の声も上がっていますが、時と場合によってはいいこともあります。薬局の待合室の場合、お子さんが動画に集中するので事故が起こりにくいですし、ぐずることもなく過ごせるのでメリットが多いです。また、動画の最中で薬が出来上がっても続きを家で見ることができるので、薬を受け取った後、すぐに家に帰れるのは忙しい親御さんには安心です。しかし、親御さんにとってはWiFiが使えない環境では通信費がかさみます。

 そこで、薬局でWiFiサービスを提供し、患者さんの負担を軽減してはどうでしょうか。カウンターにもタブレット端末を導入すれば、薬剤師が薬などの説明をする際にも活用できます。

profile_miyaq_smallicon.jpg薬局を、子供だけでも行ける"保健室"に

 厚生労働省によれば、18歳以下の日別自殺者数は、夏休み明けの新学期が始まる9月1日が最も多いそうです。こうしたことから2015年8月26日、鎌倉市図書館はtwitterで「つらくなったら図書館にいらっしゃい」という主旨のツイートを投稿し、話題となりました。賛否両論が見受けられましたが、さまざまな理由から学校に行くのがつらいと感じている子供たちが、気軽に立ち寄れる駆け込み寺として、公共の施設が機能することには意義があると思います。

 親から虐待を受けるなど、なにかしらの不調で学校にも家にも居場所のない子供たちが休んでいく"保健室"として、薬局が存在してもいいと思います。立ち寄った子供を、ただ気に掛けるだけでも十分ではないでしょうか。

 また、子育てに悩む親に対して相談に応じてくれる場所を、薬局で紹介できればいいと思います。虐待の報告件数が増えていますが、親もいっぱいいっぱいで、つい子供に手を上げてしまったというケースも少なくないでしょう。手を上げる前に息抜きができていればという場面もあると思います。

「薬局は地域の人の健康を担う」と言われますが、その点で、子供に特化した薬局があっていいのではないでしょうか。

 親子(とりわけ母親と乳幼児)が家に閉じこもりがちであることが懸念される今、親子連れが地域の場に出るきっかけづくりが求められています。子供に特化した薬局であれば、親子連れが周りを気にする度合いを下げられるでしょう。

 また、特に都市部では薬局が複数ありますから、子供の高い声が苦手な人や、急に走り出し、飛び出してくる子供に自身の体の機能では反応しきれずぶつかる懸念を覚える人には、子供が集まる薬局を選ばない自由も担保できます。子供がいない薬局を選ぶ人がいても、決して子供の存在を否定しているわけではないことを心に留めておくべきですし、選択肢は多いに越したことはないでしょう。

 今回は現実的な提案というよりは、こんな薬局あったらいいなを述べる回になりました!いざ実現するとなると、店舗の面積や人員が必要ですね(汗)。とはいえ、できることから始めてはどうでしょう?

 それではまた次回!

【コラムコンセプト】

薬局業界では「在宅」だの「24時間対応」だの言われてるけど、実際に現場で働く人の半分以上は、家庭で大きな役割を果たしている主婦薬剤師。高齢化社会でも子供たちの健やかな成長を見守るのは必要不可欠のはず。なのに、未来をつくる子供たちとその親を支えようという機運が起こらないのはなぜ?薬剤師はワーク・ライフ・バランスを考えてはだめなの?薬剤師だって医療人である前に生活人だ!と疑問に思う日々。主婦ばかりの薬局で、子供とその親の健康を支援する現場で考えた、現場目線のコラム。

【プロフィール】

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大学卒業後、色々な薬局での勤務を経験。現在は小児科の処方箋を多く受ける薬局で管理薬剤師として働く。薬剤師としては中堅どころ。実生活では子どもはいない。子どもの多い職場で働いていた経験が長いのに、未だに子どもが苦手なのが課題。薬局という狭い場所にいながらも、様々な情報や知見を得られるのがインターネットの利点と認識し、活用。それでも、生活の場で得られることはインターネットでは得られないので外にも出る。薬剤師だって生活者であることを意識して、心身ともに穏やかな日々を願って暮らしている。

blog:「くすりや」の「現場」
http://miyaq.hatenablog.com/

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