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等身大の努力でハッピーはつくり出せる!

2017年12月04日 08:00

 こんにちは!今回の「ハッピーな職場って?」は、いつもと違う趣向、フィクションでお伝えします。

 登場するのは、何もかも中途半端だと嘆いているAさん。育児や介護のためにフルタイムで働けない状況にある方なら、陥りがちな悩みですね。架空の人物ではありますが、あなたの周りを見回してみると、どうでしょうか?あるいは、あなた自身がもしかしたらAさんでは...?

profile_miyaq_smallicon.jpg中途半端だな...

 小さい子供を育てながら働く、時短勤務のAさん。職場の理解があるので、子供の体調不良や保育園行事の時には休みは取りやすい環境です。とはいえ、小さな子供は体調を崩しがち。急な休みや早退を申し出る機会が多いことを心苦しく感じている日々です。

 今日も保育園から「発熱したのでお迎えに来てください」と連絡が入りました。職場の人は、笑顔で「お大事に」と帰してくれました。わが子の様子を見ると、発熱以外は普段通り。他に症状もないので、今日は小児科には連れて行かず自宅で休ませることにしました。

「もし明日の朝も熱があるようなら受診させます。明日、お休みをいただいてもいいでしょうか」と職場に連絡しました。

 管理薬剤師のBさんは「こっちは大丈夫です。無理しないでゆっくり休んでね(^^)」とメールを送ってくれました。

 「...何もかも、中途半端だなあ」Aさんは散らかったリビングを見て、ため息をつきます。仕事をしょっちゅう休む上に、家事もできていない。自己嫌悪に陥ってしまいます。

profile_miyaq_smallicon.jpgそんなあなたがいいのよ

 次の日、無事、子供の熱も下がり、Aさんは出勤することができました。昨日のことを詫びると、職場の人たちはまるでわが子のことのようにAさんの子どもの体調を心配していました。そして口々に「詫びる必要はないのよ」「元気になってよかったね」とAさんに話しかけるのでした。

 昼休み、AさんはBさんと昼食を一緒に取ることになりました。AさんはBさんに言いました。「Bさん、いつも迷惑かけて申し訳ありません」

 するとBさんからは「こちらこそ、Aさんには助かっているのよ」と、Aさんにとって意外な言葉が返ってきたのでした。

「私たちが在宅や地域活動で外に出ることが増えている分、Aさんは外来の患者さんに渡すパンフレットを作ってくれるし、足りなくなったら言われなくても補充してくれるじゃない。早退することがあっても、薬歴はきちんと書いてある。作業をどこまでやったか申し送りしてくれる。自ら進んでできることを探してやってくれる。あなたはそれが当たり前だと思っているけれど、それができる人は貴重なのよ。他のみんなも感謝しているわよ。それに、あなたの小児に対する服薬指導、とても具体的だから私も真似しているのよ。私には子供がいないからね」

 職場の人たちは、Aさんなりの努力を評価してくれていました。

 昼休みが終わり、Aさんが投薬カウンターに立つと、近所のCさんがやってきました。Cさんは薬局を訪れるたびに"Aさんにお願いできますか?"と指名してくれる患者さんです。Aさんは、"私はかかりつけ薬剤師にはなれないのだけれど..."と思いつつも、Cさんの申し出をいつも嬉しく感じていました。

 AさんはCさんに「こんにちは。今日はどうされましたか?処方箋をお預かりします」と声をかけました。

 するとCさんはこう言うのでした。「いえいえ、今日は違うの。昨日、薬を取りに行ったとき、あなたがいなかったから心配だったのよ。いつも丁寧に教えてくれてありがとう。ずっとあなたに薬のことを相談するからね」

 そしてCさんは「お子さんにどうぞ」と包みを渡して去っていきました。休憩室で包みを開けると、子供向けのおもちゃが入っていました。

 時短でも、休みがちでも、支援してくれる同僚がいる、上司がいる。勤務時間数の関係で「かかりつけ薬剤師」にはなれないけれど、信頼してくれる患者さんがいる。そんなみんなのためにも、今の自分にできることをやっていこう。いつか、子供が大きくなって、もっと働ける時間が取れるようになったときにお返しできるように。

profile_miyaq_smallicon.jpgそれぞれがそれぞれにできることを!

 Aさんのような話は、全国各地の薬局で日常的に見られるのではないでしょうか。

 子供が小さいので、夜間や休日の対応にまで手が回らない。でも、育児経験に基づいて作成した子供用の指導せんが親御さんから使える!と好評だ。

 親を介護しているのでしばしば休んでしまう。でも、介護にまつわる煩雑な手続きを、患者さんとご家族の状況に沿って分かりやすく説明できた。

 地域には、いろいろな事情を抱えた人がいる。それならば、薬局にもいろいろな事情を抱えた人がいてもいい!

 家庭の事情があって、制度上の地域活動や在宅など表に出る活動はできない人も、自分を卑下する必要はありません。薬を安全に飲めるように、薬局の中で基本的な業務を行う。自分にできることを、等身大で行う。その結果として、他のスタッフが安心して外に出られる。それは立派な地域貢献です!

 今回で、この「ハッピーな職場って?」は最終回です。生き方は人それぞれ、ハッピーも人それぞれ。身の丈に合った「ハッピー」をみなさんの職場でつくり出しませんか?私も自らのハッピーな働き方を模索していきます!それではまた!

【コラムコンセプト】

薬局業界では「在宅」だの「24時間対応」だの言われてるけど、実際に現場で働く人の半分以上は、家庭で大きな役割を果たしている主婦薬剤師。高齢化社会でも子供たちの健やかな成長を見守るのは必要不可欠のはず。なのに、未来をつくる子供たちとその親を支えようという機運が起こらないのはなぜ?薬剤師はワーク・ライフ・バランスを考えてはだめなの?薬剤師だって医療人である前に生活人だ!と疑問に思う日々。主婦ばかりの薬局で、子供とその親の健康を支援する現場で考えた、現場目線のコラム。

【プロフィール】

profile_miyaq.jpg

大学卒業後、色々な薬局での勤務を経験。現在は小児科の処方箋を多く受ける薬局で管理薬剤師として働く。薬剤師としては中堅どころ。実生活では子どもはいない。子どもの多い職場で働いていた経験が長いのに、未だに子どもが苦手なのが課題。薬局という狭い場所にいながらも、様々な情報や知見を得られるのがインターネットの利点と認識し、活用。それでも、生活の場で得られることはインターネットでは得られないので外にも出る。薬剤師だって生活者であることを意識して、心身ともに穏やかな日々を願って暮らしている。

blog:「くすりや」の「現場」
http://miyaq.hatenablog.com/

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