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カナダでの調剤報酬はどのようになっている?

2017年12月27日 10:30

 こんにちは。カナダの薬剤師事情を紹介している青山です。

 前回の記事「投薬で何をすべきか困っていませんか?」を読んだ読者から質問が寄せられました。ありがとうございます!今回は、読者からの質問に答えます。

Q.初回時に日本の薬情のようなものを提供するの?

 カナダでは、日本のような薬剤情報提供書のようなものはお渡ししません。患者さんに求められた場合のみに渡すのが基本です(一部、吸入剤や点鼻剤のように製薬会社の作成した説明書が製品についていれば一緒にお渡しすることがあります)。

 主に口頭での説明による情報提供ですが、他に下記の2点を渡します。

  1. 医薬品補助ラベル(シールのようなもので患者に視覚的に注意を促すもの)
  2. 薬の領収書(注意点が3、4点記載)
医薬品補助ラベルの一例
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注意点が数点記載されている領収書
aoyamashi7_2_3.jpg

Q.検査値は患者さんから聞き出す?それとも情報を共有する仕組みがあるの?

 残念ながら、日本と同様、カナダにおいても既往歴や検査値など医科のシステムと共有する仕組みはそこまで整っていません。したがって、検査値や既往歴などについては患者から直接聴き取りを実施する必要があり、これらの情報が得られないと、患者の薬物療法を評価することが難しくなります。

Q.薬剤師の評価(報酬点数など)はどのようになされているの?

 カナダでは、日本のような細かい報酬点数はありません。処方箋調剤において、薬局の利益となるのは、主にMark up(値上げ)、Dispensing Feeです。

 Mark upの考え方は、日本と同じです。いくらで卸から購入し、いくらで売るのかという薬価差です。Dispensing Fee は、一薬剤につき約10ドルです。薬局毎にこのDispensing Feeを自由に増減することが可能ですが、州の保険が支払うのが10ドルまでなので10ドル前後に設定している薬局が多いです。

 例えば、メトホルミンとカンデサルタンがそれぞれ90日分ずつ処方されれば、それぞれのMark upとDispensing Fee(10ドル×2)の合計が薬局の利益となります。服用薬剤や新規処方の有無(またはリフィルか)に関わらず、基本的に10ドルです。このDispensing Feeの10ドルは常に適用され、薬剤についての服薬説明やモニタリングなどを含んだFeeであるため、薬剤師は責任を持って患者に対応することが必要です。

 また、それ以外の薬剤師の報酬として、Medication Review Serviceがあります。その名の通り、実施することは「薬の見直し」です。カナダにおいても、ポリファーマシーは問題の1つとして上げられており、患者の薬物療法を最適化することを目的としてMedication Review Serviceを実施する薬局が増えてきました。

 Medication Review Serviceは、薬剤師が患者と10~15分程度薬について話し合い、患者の現在の服用薬(OTCを含む)、その目的、用法用量や注意点、副作用の有無などを確認します。このMedication Review Serviceを通して不要薬の中止や用法用量の見直しが必要と判断した場合、医師に報告し今後の相談をすることもあります。

 Medication Review Serviceは患者が5種類以上の薬を服用している、かつ、前回実施してから十分に時間が空いているなど幾つか条件はありますが、1回毎に60ドルの報酬を得られるサービスです。

 その他の薬剤師の報酬としては、メサドンメンテナンスプログラム、ワクチン接種やブリスターパックの作成(いわゆる1包化)などもあります。

カナダの1包化であるブリスターパック
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変更履歴(2018年1月26日):「Medical Review」を「Medication Review Service」と訂正いたしました。お詫びして本記事の通り訂正します。

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