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胃瘻ってなに?胃瘻からの薬剤投与で注意すべき点とは?

薬剤師の訪問活動

2018年01月22日 08:46

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胃瘻って?

高齢の在宅患者には、胃瘻を造設している方が多くみられます。胃瘻の管理は、主に家族や訪問看護師がしていますが、薬の投与方法への影響もあるので、薬剤師にも重要なポイントです。

胃瘻とは、経口摂取ができない患者さんに、お腹の皮膚から胃に穴をあけてチューブを留置したものです。そのチューブから水分や栄養を流し込みます。胃は、みぞおちのあたりの皮膚のすぐ下にあるので、内視鏡を使って胃の内側から処置をすることで、皮膚切開をしないでも胃と体表面との連絡口を造ることができるわけです。

胃瘻を造設する手技を経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopicgastrostomy; PEG)といいますが、医療現場では、胃瘻そのものをペグと呼ぶことも多いようです。

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胃瘻から摂取した薬は胃で消化される

胃瘻から入れる食物などは、チューブに詰まらないように注意さえすれば、経腸栄養とは異なり胃で消化させることができるので、通常の食事と同じ食物を入れられます。薬剤も、健常者での経口投与と同じ仕組みで胃で消化されるので、腸溶錠や徐放製剤などを粉砕して入れると、製剤学的な狙いから外れた投与となり、本来の薬効に影響が出てしまいます。

胃瘻はもともとは、術後など、短期間食事ができない患者さんに対し、緊急避難的な処置として行われていましたが、最近では、脳血管障害や、認知症の進行で食事ができなくなった高齢者に対して多く用いられています。

胃瘻でも誤嚥性肺炎に要注意

胃瘻ならば誤嚥性肺炎が起こらないように思えますが、一度にたくさんの食物などを投与することで、食道への逆流が起こり、これが原因で誤嚥性肺炎を起こすケースは多くみられます。ゼリー状の半固形物にして投与すれば、逆流が減り、誤嚥性肺炎の予防につながります。さらに、便も下痢状にならず、衛生管理や紙オムツかぶれの予防にも役立ちます。 

水分補給も重要

胃瘻からの栄養摂取を考える際に、水分の摂取にも注意を払う必要があります。水分の補給も胃瘻経由で行います。半固形の食物を摂取する場合には、先に水分をチューブから入れ、あとから栄養剤を入れると、水分が早く吸収されるので、胃の内容物が液状にならず、誤嚥性肺炎の防止につながります。水分としては、吸収 の早いオーエスワン®のような経口補水液が適しています。

胃瘻からの薬剤投与で注意すること

  • 粉砕して一包化した場合、配合変化が起こらないか確認
  • 粉砕可能な錠剤か、開封可能なカプセル剤か確認
  • 口腔粘膜から吸収される薬剤、腸溶錠、徐放錠は投与できない
  • チューブに詰まらないサイズにする
    →予め、チューブの太さ(フレンチサイズ:Fr)を確認しておく
  • 溶かした液体の温度は体温を目安にする

胃瘻の患者さんへの薬剤投与

胃瘻からの薬剤投与は、薬局での調剤ではあまり出会わない薬の使い方でしょう。処方されている薬剤が胃瘻からの投与に適しているか、どうすれば胃瘻から投与しやすいか、ジェネリック医薬品を含めてもっと使いやすい製剤はないか――確認事項がたくさんあります。加えて、実際に投与を行う介護者や訪問看護師の方にも、ミスが起こらないように注意しなければなりません。

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まだまだつぼみだけど...在宅専門薬局への道のり
 『胃瘻を見るまではおそるおそるでしたが...』
 在宅専門薬局を開局したての角山さんは、簡易懸濁法を患者さんに勧めています。介護者への簡易懸濁書の説明書と、角山さんが作成した『在宅訪問服薬指導報告書』を記事内で紹介しています。

簡易懸濁法...経管投与する錠剤、カプセル剤を、55℃の温湯に入れて10分間放置することで、被剤を含め溶解させる方法。粉砕した場合の有効成分のロスや配合変化を防ぐことができる。カプセルを溶解させるには37℃を10分間保持する必要があるが、予め55℃の温湯であれば、10分後にも37℃が保たれることから、この温度と時間が設定された。
 詳細は『内服薬経管投与ハンドブック ―簡易懸濁法可能医薬品一覧― 第2版』参照

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