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薬剤師が押さえておきたい健康トピックス(2018年1月後半)

2018年02月01日 07:00

1月15日~31日に各メディアで配信された健康情報のうち、「コレは押さえておきたい!」と考えたものを、独断と偏見でリストアップします。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てていただけると幸いです。

処方箋の2.3%に不備 禁忌薬や重複投与

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/386509/

西日本新聞 1月15日

薬剤師が行う「疑義照会」による経済効果を示す初めての報告がありました。「薬剤師は処方箋の通りに袋詰めしているだけ」と言われることに対し、具体的な数字で反論できるのは非常に心強いことです。疑義照会も含め、日頃から当たり前に行っている薬剤師の職能をアピールすることは重要です。忙しいなどの理由で、アピールに消極的な薬局が少なくないことは、引き続き課題として残っています。

動脈硬化&認知症からカラダを守れ!

http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20180117/index.html

NHK ガッテン 1月17日

葉酸が脳や骨、血管の病気を予防する可能性があることが取り上げられました。葉酸は確かに重要な栄養素ですが、葉酸だけを大量に摂っても良いものではありません。また、『リウマトレックス』などの葉酸代謝拮抗薬を服用中の人のように、葉酸摂取に注意が必要な場合もあります。健康情報を取り扱うテレビ番組は非常に多いため、「テレビで身体に良いと言っていたから大量に摂る」という安直な行動には走らないよう、日頃からの啓発が必要です。

インフルエンザ大流行。日本から失われた「集団免疫」とは?

http://www.huffingtonpost.jp/2018/01/26/infuruenzacommunity_a_23344626/

HuffingtonPost 1月27日

ワクチン接種のメリットは、個人の感染・重症化の予防だけが語られることも多く、「打たなくても私はかかったことがない」といった経験談だけで反対されていることも少なくありません。しかし、子どもへの集団接種は、高齢者や乳幼児など社会の他の集団に対する感染・重症化を防いでいたことが報告されています。この「集団免疫」という考え方は、もっと国民に広く理解してもらう必要があります。

発達障害を食事やミネラルで改善しましょうというお話には気を付けて

https://news.yahoo.co.jp/byline/naritatakanobu/20180121-00080702/

Yahoo! 1月21日

食事にミネラルを取り入れることで発達障害やアレルギーが治る、と主張する団体の活動が1月19日の中日新聞で取り上げられましたが、現在のところ、特定の栄養素や微量元素で発達障害やアレルギーが改善するという根拠はなく、治療効果は示されていません。ミネラルの豊富な食事自体は良いものですが、根拠のない食事療法で家族の経済的・身体的・心理的負担が増えないよう、気を付けなければなりません。

【コラムコンセプト】
TV・新聞・週刊誌・インターネット......毎日さまざまなメディアから大量の健康情報が配信されます。それを見た患者さんが「こんな情報を見たけれど、私の治療って大丈夫?」と聞いてきたらどうしますか?医療や薬に関する情報は、命に関わるもの。正確さ、専門性が求められます。薬剤師は薬の専門家として、患者さんの持ち込んだ情報が適切かどうかを判断し、対応しなければなりません。このコラムでは毎月、世間を賑わした健康情報をリストアップし、必要に応じて解説します。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てて頂ければ幸いです。

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【児島 悠史氏 プロフィール】
京都薬科大学大学院修了後、薬局薬剤師として活動。「誤解や偏見によって生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、日々の服薬指導のほか、Webサイト「お薬Q&A~Fizz Drug Information」を運営。医学論文などを情報源とした信頼性のある医療情報や、国民の情報リテラシー向上を目的とする記事を配信。近著は、「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」。

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