新規登録

勃起障害ガイドラインが6年ぶりに改訂

2018年02月06日 11:00

 日本性機能学会と日本泌尿器科学会による「ED診療ガイドライン第3版」が本日(2月2日)、日本性機能学会の公式サイトで公開された。2012年の第2版から6年ぶりの改訂となる。勃起障害(ED)の疫学、診断、治療を網羅しており、ED診療の現時点でのスタンダードといえそうだ。クリニカルクエスチョン(CQ)方式の記述も採用された。

糖尿病、肥満、高血圧を危険因子とする一方、脂質異常症は危険因子とせず

「ED診療ガイドライン」は、ED診療に役立てることを目的として2008年に策定された。第3版への改訂は当初2016年としていたが、2013年に予定されていたInternational Consultation on Sexual Medicine(ICSM)会議が2015年に延期されたため、同会議の成果を参照元とする同ガイドラインの改訂も遅延したという。

 第3版ガイドラインでは、EDの定義、分類、疫学に関する情報を整理した上で、診断と治療の指針を提示。外来での使いやすさを考慮し、18項目のCQも採用されている。

 EDの有病率は研究により差異があるが、加齢により上昇することは共通していると指摘。おおむね40歳未満1~10%未満、40歳代2~15%、60歳代20~40%、70歳以上50~100%だとしている。50歳代については研究間のばらつきが特に大きく、40歳代と60歳代の間の数値だという。

 EDの危険因子としては、①加齢②糖尿病③肥満と運動不足④心血管疾患および高血圧⑤喫煙⑥テストステロン低下⑦慢性腎臓病と下部尿路症状⑧神経疾患⑨外傷および手術⑩心理的および精神疾患的要素⑪薬剤⑫睡眠時無呼吸症候群―の12項目を挙げた。糖尿病、肥満、高血圧が危険因子とされる一方、同じ生活習慣病の土俵で論じられることの多い脂質異常症は危険因子とされなかった。

高血圧患者の勃起機能チェックを推奨

 EDの危険因子として挙げられた薬剤は、①降圧薬②抗うつ薬③前立腺肥大症治療薬(α遮断薬、5α還元酵素阻害薬)④髄腔内バクロフェン(ITB)療法⑤非ステロイド坑炎症薬(NSAID)―の5種類。降圧薬の中では、利尿薬、β遮断薬、Ca拮抗薬に勃起機能への悪影響を示唆する報告が多く、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)は保護的に働くとする報告が多いという。

 高血圧、降圧薬ともEDの危険因子であるため、「高血圧患者に対する薬物療法開始前とフォローアップ中には勃起機能のチェックを行うべきである」との推奨が示された。

診察へのパートナー同席が望ましい

 EDの診断については、非専門医向けのアルゴリズムを提示。病歴、勃起機能、合併症、服用薬、身体所見、臨床検査値などを基本評価項目として挙げた。勃起機能については、複数の問診票を紹介しているが、「決して丁寧な病歴聴取の代用とはならない」と指摘。臨床検査値については血糖値のチェックを推奨し、性腺機能低下が疑われる場合にはテストステロンなどのホルモン検査を推奨した。

 なお、診察の際にはパートナーにも同席してもらい、くつろいだ環境下で評価や治療方針の決定に関与させることが望ましいとしている。

 別途、専門医向けの特殊診断検査についても解説している。

PDE5阻害薬が第一選択薬、不応例の多くが再教育で奏効

 治療についてもアルゴリズムを提示。ホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害薬を第一選択薬として推奨した。日本ではシルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルの3種のPDE5阻害薬が使用可能だが、「3剤とも国内外で十分な有効性・安全性のデータが報告されている」と評価した。CQの1つ「3種類あるPDE5阻害薬のうち、どれが最も有用か」に対しても、「3種類のPDE5阻害薬はいずれも同等の有用性と考え、患者の選択に任せることを強く推奨する」との見解が示された。硝酸薬および可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬は併用禁忌である。

 PDE5阻害薬に反応しない患者では、服薬指導が不適切であるケースが多いと指摘。ビデオ映像や教材を利用した再教育により、半数は同薬に反応するようになるとした。また、インターネットなどを通じて偽造品が多く含まれるPDE5阻害薬を入手し、使用している患者が多いことにも注意を促し、品質の問題があるだけでなく死亡例も発生しており危険だと強調した。

 適正な指導を行ってもPDE5阻害薬に反応しない場合や、PDE5阻害薬が禁忌の場合は、専門医の下で専門的な治療を行うことを推奨した。

弊社の医師向け情報サイト「Medical Tribune」には、上記内容について医師会員から以下のようなコメントが寄せられている(一部抜粋)

  • ここでも新薬が次々と登場するので頻繁なガイドラインの見直しが必要ですね。
  • 過渡期としては、しょうがない事と思います。新薬の登場と共に、最新情報をのせた柔軟な対応が望まれます。
  • いつのまにか肺がんの診療には遺伝子や分子標的薬が必須になってしまいましたね。もう門外漢はついて行けません(´;ω;`)ウゥゥ
  • NSCLCの薬物療法は近年の進歩が著しいので、専門家にお任せしています。
  • 高齢者の肺がんが増加していますので、自分の患者さんでも気にしています。遺伝子分析による治療が進歩していますので、予後改善に期待しています。
  • 実際に手に取りましたが、どんどん変わっていく分野だけに、毎年の改定作業は大変だなと思いますね。
  • また1年も経たずに改定されます。いい加減免疫チェックポイント阻害薬の直接比較試験しないですかね・・・

コメント

コメントの投稿はDISQUSもしくは各種SNSアカウントでログインするで必要があります。DISQUSの登録方法について

似たようなコンテンツ
糖尿病第二選択薬は2クラスが中心に

糖尿病第二選択薬は2クラスが中心に New!

薬剤・医療ニュース
2018年11月14日

レビー小体型認知症GL、大幅改訂の中身

レビー小体型認知症GL、大幅改訂の中身

薬剤・医療ニュース
2018年08月31日

小児気管支喘息治療・ 管理ガイドライン-3 ガイドライン改訂のポイント

小児気管支喘息治療・ 管理ガイドライン-3 ガイドライン改訂のポイント

高齢者糖尿病
2018年05月15日

小児気管支喘息治療・ 管理ガイドライン-2 症例

小児気管支喘息治療・ 管理ガイドライン-2 症例

高齢者糖尿病
2018年05月15日

小児気管支喘息治療・ 管理ガイドライン-1 特徴

小児気管支喘息治療・ 管理ガイドライン-1 特徴

連載・コラム
2018年05月15日

「特に慎重な投与」に該当する薬剤はどれ?

「特に慎重な投与」に該当する薬剤はどれ?

薬剤・医療ニュース
2018年03月29日

「健康テレビ番組」先取り表(2/15~/19)

「健康テレビ番組」先取り表(2/15~/19)

薬剤・医療ニュース
2018年02月15日

トップに戻る