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名医になりたきゃ...。

2018年02月08日 15:30

横浜保土ヶ谷中央病院 小児科
小林佳子

「医者は後から診た方が名医」 と良く言われます。

小児科医がそれを実感するのは、「肺炎」の患者さんが多いのではないかと思う。 咳や熱といった症状が、しばらく進んでから来院する大人と違って、 子供の来院は早い。 最初から肺炎と診断されることは少なく、 経過を見る中で肺炎の診断がつくことがほとんど。

最初にRSウイルス感染症と診断がついていれば、 あらかじめ説明もできるけれど、 普通は最初の診察で 「肺炎になるかもしれません」などとは言わない。 よって、後日に診察した医者が 「肺炎です」と伝えることになる。

うちは外来のみの小さな小児科だけれど、 病院なので「熱が長引いている」「検査をしてほしい」と、 経過の中の2 度目3 度目の受診先になりやすい。

若かりしころは、勝ち誇ったように 「肺炎です」と 告げていたときもあったかもしれない(いや、ありました)。

今は、必ずこう言っている。 「最初は風邪だったけれど、少しこじれて肺炎になっていますね。 今日、かかりつけの先生の所に行っても、 同じことを言われたと思いますよ」。

そして続けて、肺炎という病気の説明をする。 小児の肺炎は決して珍しいものではないこと。 全身状態が良ければ、必ずしも入院は必要ではなく、 自宅で治せること。

決して、お母さんお父さんが、「肺炎にさせてしまった」わけではないこと。

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納得されて、安心されて、帰っていかれるけれど。

できればまず、かかりつけの先生(ただし信頼できる小児科医のみ)の所に行ってほしかったな。というのも。 私が逆の立場になることもありますから。

後日報告に来てくれる患者さんは関係良好と言えるけど、 不信感を持ってしまって、 そのまま来なくなった患者さんもいるのだろうな。

「先生、こないだの熱、気管支炎だったんですよ。」 ある赤ちゃんのママ。

熱は下がったが咳が出始めて心配になり、 週末だったので救急病院へ行ってレントゲン撮って 気管支炎と診断されたとのこと。

「お薬は何をもらったんですか? 」 「いえ、先生の薬をそのままで大丈夫と言われました。」

さーて。この新米ママさんに、 時間をかけていろいろとお話をしよう。 お風邪に、気管支炎、肺炎のこと。 救急病院受診の目安。 長くなる予感がしたのか、 後ろで看護師さんがため息をついているけど、気にしないぞ。 「診断名を付けた方が名医」なんて、思わせたくないもの。

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