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医薬品副作用被害救済制度による救済は受けられる?受けられない?

PT探偵局 episode 2

2018年02月28日 14:30

 薬剤師の皆さんが日頃の業務で抱いている疑問の数々を、当PT探偵局までお寄せください。ご依頼はpt-info@medical-tribune.co.jpまたはtwitterのダイレクトメッセージまでどしどしお寄せ下さい!編集部で選定させていただき、鋭意調査いたします。

 開店休業状態が続いていたPT探偵局に、久々のご依頼が寄せられました!

 医療用医薬品を処方箋によらず薬局で販売した場合(いわゆる零売)は副作用救済制度による救済を受けられないのでは?との意見を目にします。どうなのでしょうか?個人的には通知に則っており、漫然とした販売でなければ救済対象と考えているのですが...

「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」(以下、本稿では便宜的に「非処方箋医薬品」と称します)と「医薬品副作用被害救済制度」という2つのキーワードに関するご質問。まずは、それぞれについて簡単におさらいしておきます。

まずはおさらいから...

薬剤師ならば誰もが知っておくべき「非処方箋医薬品の取扱い」

薬局医薬品における非処方箋医薬品の取扱いについて、厚生労働省は次のような通知を発出しています。

「薬局医薬品の取扱いについて(平成26年3月18日付け薬食発0318第4号)」(PDF)

ポイントを整理すると...

<前提と原則>

  • 非処方箋医薬品についても、処方箋医薬品と同様に、医療用医薬品として医師、薬剤師等によって使用されることを目的としている
  • 医療において用いられることを前提としている
  • 薬局においては、処方箋に基づく薬剤の交付が原則

<医師の処方箋なしに販売を行っても差し支えない「正当な理由(一部抜粋)(処方箋医薬品・非処方箋医薬品共通)」>

  • 大規模災害等において医師等の受診、処方箋の交付が困難な場合

  →可能な限り医師等による薬局等への販売指示に基づく必要あり

  • 助産師が行う臨時応急手当のために必要な場合や、救命救急士が行う臨時応急手当のために必要な場合

  →医師等による書面での薬局等への販売指示をあらかじめ受けておくなどの必要あり

<「正当な理由」以外の場合(非処方箋医薬品のみ)>

一般用医薬品による対応を考慮したにもかかわらず、やむを得ず販売を行わざるを得ない場合においては、必要な受診勧奨を行った上で、次の留意事項を遵守

  • 販売数量の限定
  • 販売記録の作成
  • 調剤室での保管・分割

販売された非処方箋医薬品と医療機関において処方された薬剤等の相互作用・重複投薬を防止するため、患者の薬歴管理を実施するよう努めなければならない。

薬剤師ならば誰もが知っている「医療用副作用被害救済制度」

医薬品副作用被害救済制度とは:薬の副作用による健康被害の救済を行う公的制度

給付の対象となる健康被害とは:医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による疾病(入院治療を必要とする程度)、障害(日常生活が著しく制限される程度)および死亡

「医薬品」とは?

製造販売の承認・許可を受けた医薬品であり、病院・診療所で処方された医療用医薬品、薬局・ドラッグストアで購入した要指導医薬品、一般用医薬品のいずれも含まれる

「適正な使用」とは?

医薬品の容器あるいは添付文書に記載されている効能・効果、用法・用量及び使用上の注意にしたがって使用されることが基本となるが、個別の事例については、現在の医学・薬学の学問水準に照らして総合的な見地から判断される

これらを踏まえた上で、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に問い合わせました。

Q.

非処方箋医薬品を処方箋に基づかず薬局で薬剤師が販売し、個人が購入、服用して入院を要するような副作用が生じた場合、医薬品副作用被害救済制度の対象になるのか、それともならないのかを教えてください。

A.

いわゆる非処方箋医薬品を処方箋に基づかず使用したことのみをもって、直ちに医薬品副作用救済制度の対象とならない、不支給である、というわけではありません。支給の可否は、厚生労働省が設置し外部有識者で構成される薬事・食品衛生審議会における審議を経て、厚生労働省の判定結果を基に決定されます。

ただし、通知にあるように、非処方箋医薬品は医療用医薬品であり、処方箋に基づく交付が原則です。

個別事案について適正使用であったかなどを含めて細かく精査し、総合的な見地から判断がなされるものなので、支給されるか否かについては明確には回答できません。

非処方箋医薬品...字面通り捉えれば処方箋が必要ないと解釈できそうではありますが、「いわゆる」として関係者間で用いられる呼び名であって、公的に用いられている用語ではないとのこと。「非処方箋医薬品」と称することが誤解を生む元になっている?のかもしれません...。通知に則ると、天変地異や緊急性の高い状況など、かなり逼迫した事態がない限り「薬局において非処方箋医薬品を処方箋に基づかず販売するのは避けるべし」ということのようです...。

まとめ

処方箋に基づかない場合は要指導医薬品又は一般用医薬品(OTC)の使用が前提

医療用医薬品は処方箋医薬品か否かにかかわらず医師の処方に基づき交付されるのが原則

非処方箋医薬品を処方箋に基づかず使用したことのみをもって直ちに医薬品副作用被害救済制度の対象にならないわけではなく、適正使用であったかなどを含めて総合的な見地から判断がなされる

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