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DRiFOsを活用して医薬品の副作用傾向をつかむ

2018年03月06日 10:15

 医薬品リスクマネジメントシステムDRiFOs(ドリフォス)は、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)ホームページで公開されている「医薬品副作用データベース」を基に、類似薬間での比較など、さまざまな条件を組み合わせて医薬品の副作用情報を検索できるシステムだ。

 東海大学医学部付属病院では、このDRiFOsを利用している。同病院薬剤部薬剤科の岸川悦子氏によると、DI業務や病棟薬剤業務などで、DRiFOsを1週間に2~3回程度の頻度で利用しているという。どのようなときに利用したのか、実際のケースを教えてもらった。

Case1 医師からのバンコマイシンによる副作用発生時期についての問い合わせ

 「患者さんの様態が悪く、投与されているバンコマイシンの副作用である血小板減少なのか、あるいは病気によるものなのかを判断する目安として、バンコマイシンの血小板減少が投与開始から3~4週間で起こりうるかを知りたい」という医師からの問い合わせ。DRiFOsで検索し、投与開始から3週間後に血小板が減少している症例があることがわかり、そのことを伝えた。この段階では薬剤変更・中止の提案はしなかったが、「薬剤性が疑われた場合には連絡してください」とお伝えした。

Case2 症例報告会での情報提供に活用

 症例報告会で、シスプラチンにより肝機能障害を生じた症例の報告があり、がん薬物療法認定薬剤師がDRiFOsを用いて類薬などの肝機能障害発現リスクを検索し、ROR1を用いて各薬剤を比較した情報提供を実施した。

Case3 歯科医師からゾレドロン酸による副作用の問い合わせ

 「ゾメタ®点滴静注(ゾレドロン酸水和物)に関して、顔面神経麻痺の副作用が起こるか」という歯科医師からの問い合わせがあった。DRiFOsを用いて副作用検索したところ、顔面神経麻痺の症例がなかったため2、類似の副作用情報として感覚鈍麻、運動麻痺の副作用件数を報告した。さらに、個々の症例の情報を確認すると、顎骨などの炎症や膿瘍もしくは低Ca血症も副作用として記載されていたので、これらが麻痺に影響している可能性があることも併せて報告した。

 同氏は、DRiFOsの優れた点として、下記の点を挙げた。

  1. 報告の実件数だけでなく、RORから医薬品と副作用の相関性が高いかどうかを確認できる
  2. 年齢や発現時期などで副作用発現の割合が確認できる
  3. 個々の症例についても副作用発現の情報が確認できる

 PMDAの「医薬品副作用データベース」に掲載されている副作用は、その薬剤との因果関係について評価が確定しているものではなく、DRiFOsで得られる検索結果も最終の評価ではない。因果関係が評価されて添付文書に反映されるまでには相応の時間がかかる。そのような中で、DRiFOsで得られる検索結果は1つの傾向として実務に役立てることができるだろう。薬剤の副作用について調べたいときはもちろん、処方提案を行うときなどに頼れるツールになるだろう。

※1 ROR(Reporting Odds Ratio)・・・特定薬剤で特定副作用の起きやすさを示す。RORが2~3以上で医薬品と副作用の相関性がある可能性が示唆され、この値が大きくなればなるほど、相関性が高くなる。例えば下のでは、発熱の症例数は73例、大腿骨骨折の症例数は72例とほぼ同数だが、大腿骨骨折の方がRORが高く、ゾレドロン酸による副作用である可能性が高いと判断できる。

※ 2018年2月時点では、顔面神経麻痺は2例報告されている。

図 DRiFOsでの検索結果画面例

DRiFOsでゾレドロン酸水和物を検索した結果の一部。検索メニューで患者の年代や性別、報告年年度でも絞り込みができる。

DRiFOs2.JPG
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